チコノフの定理
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チコノフの定理 (ちこのふのていり、露: Теорема Тихонова、英: Tychonoff's theorem)または、チホノフの定理 は、数学の位相幾何学 (トポロジー) における定理であり、任意個 (非可算個の場合を含む)のコンパクト空間の直積空間がやはりコンパクト空間となることを主張する。
- ^ David Wright, Proceedings of the American Mathematical Society 120 (1994), pp985-987
- ^ Tychono's Theorem Ken Brown, Cornell University, October 2008
- 1 チコノフの定理とは
- 2 チコノフの定理の概要
- 3 非可算無限個を含む任意濃度の直積の場合
- 4 参考文献
チコノフの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 08:36 UTC 版)
コンパクト空間の(有限個または無限個)の直積に直積位相位相を入れたものはコンパクトである: 定理 (チコノフの定理) ― ( X λ ) λ ∈ Λ {\displaystyle (X_{\lambda })_{\lambda \in \Lambda }} をコンパクトな位相空間の族とする。このとき直積 ∏ λ ∈ Λ X λ {\displaystyle \prod _{\lambda \in \Lambda }X_{\lambda }} に直積位相を入れたものはコンパクトである。 なおチコノフの定理は(ZF公理系を仮定した上で)選択公理と同値である事が知られている。 チコノフの定理より例えば R {\displaystyle \mathbb {R} } 上の単位区間 I = [ 0 , 1 ] {\displaystyle I=[0,1]} の無限個のコピー I 1 , I 2 , … {\displaystyle I_{1},I_{2},\ldots } の直積 ∏ i ∈ N I i {\displaystyle \prod _{i\in \mathbb {N} }I_{i}} に直積位相を入れたものはコンパクトである。 一方 ∏ i ∈ N I i {\displaystyle \prod _{i\in \mathbb {N} }I_{i}} に箱型積位相を入れたものはコンパクトではない。実際、 x = ( x i ) i ∈ N ∈ ∏ i ∈ N I i {\displaystyle x=(x_{i})_{i\in \mathbb {N} }\in \prod _{i\in \mathbb {N} }I_{i}} に対し、ノルムを ‖ x ‖ ∞ = sup i | x i | {\displaystyle \|x\|_{\infty }=\sup _{i}|x_{i}|} と定義すると、箱型積位相はこのノルムから定まる位相と一致する事を簡単に確かめる事ができる。そこで e n = ( δ n , k ) k ∈ N {\displaystyle \mathbb {e} _{n}=(\delta _{n,k})_{k\in \mathbb {N} }} として無限次元ノルム空間の場合と同様の議論でコンパクトでない事を示せる。
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