選択公理とは? わかりやすく解説

選択公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 09:30 UTC 版)

選択公理(せんたくこうり、: axiom of choice選出公理ともいう)とは公理的集合論における公理のひとつで、どれも空でないような集合とする集合(すなわち、集合の集合)があったときに、それぞれの集合から一つずつ元を選び出して新しい集合を作ることができるというものである。1904年エルンスト・ツェルメロによって初めて正確な形で述べられた[1]


注釈

  1. ^ 1926年アドルフ・リンデンバウム英語版アルフレト・タルスキが示したが、証明は散逸した。同内容を1943年ヴァツワフ・シェルピニスキが再発見し1947年に出版した。

出典

  1. ^ Zermelo, Ernst (1904). "Beweis, dass jede Menge wohlgeordnet werden kann". Mathematische Annalen 59: 514-16.
  2. ^ 田中(1987)、36頁。
  3. ^ Jech, Thomas J. (2008-07-24), The Axiom of Choice, Dover Books on Mathematics (Paperback ed.), United States: Dover Publications Inc., ISBN 978-0-486-46624-8


「選択公理」の続きの解説一覧

選択公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/02 13:16 UTC 版)

ケーニヒの定理 (集合論)」の記事における「選択公理」の解説

選択公理は"任意の空でない集合の直積は空でない"という命題とも言える。I の要素i に対しBiを空でない集合、Ai = {}とする。ケーニヒ定理から、: ∀ i ∈ I ( { } < B i ) {\displaystyle \forall i\in I(\{\}<B_{i})} ならば { } < ∏ i ∈ I B i . {\displaystyle \{\}<\prod _{i\in I}B_{i}.} となる。すなわち、与えられた空でない集Bi直積空集合の和より大きい濃度持ち、空でないから、これは選択公理の主張他ならない。つまり、ケーニヒ定理から選択公理が導かれるケーニヒ定理からの帰結について議論するときは暗黙の内に、選択公理を仮定することになる。

※この「選択公理」の解説は、「ケーニヒの定理 (集合論)」の解説の一部です。
「選択公理」を含む「ケーニヒの定理 (集合論)」の記事については、「ケーニヒの定理 (集合論)」の概要を参照ください。


選択公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 16:26 UTC 版)

公理的集合論」の記事における「選択公理」の解説

詳細は「選択公理」を参照 選択公理 X が互いに交わらないような空でない集合の集合であるとき、X の各要素から一つずつ要素をとってきたような集合選択集合)が存在する: ∀ X ( ( ∅ ∉ X ∧ ∀ x ∈ X ∀ y ∈ X ( x ≠ y → x ∩ y = ∅ ) ) → ∃ A ∀ x ∈ X ∃ t ( x ∩ A = { t } ) ) {\displaystyle \forall X((\varnothing \notin X\wedge \forall x\in X\forall y\in X(x\neq y\rightarrow x\cap y=\varnothing ))\rightarrow \exists A\forall x\in X\exists t(x\cap A=\{t\}))} 。 選択公理と同値であることが ZF において証明できる命題として、整列定理ツォルンの補題などがある。

※この「選択公理」の解説は、「公理的集合論」の解説の一部です。
「選択公理」を含む「公理的集合論」の記事については、「公理的集合論」の概要を参照ください。


選択公理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 09:54 UTC 版)

積位相」の記事における「選択公理」の解説

選択公理は、空でない集合たちの族の積が空でないという主張同値である。証明は十分簡単である。各集合から元を選んで積において代表元を見つけるだけでよい。逆に、積の代表元は各成分からの元をちょうど1つずつ含む集合である。 選択公理は積空間研究において再び現れる例えば、コンパクト集合に関するチコノフの定理は選択公理と同値なより複雑かつ微妙な主張の例である。

※この「選択公理」の解説は、「積位相」の解説の一部です。
「選択公理」を含む「積位相」の記事については、「積位相」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「選択公理」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



選択公理と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「選択公理」の関連用語

選択公理のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



選択公理のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの選択公理 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのケーニヒの定理 (集合論) (改訂履歴)、公理的集合論 (改訂履歴)、積位相 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS