タンパク質の定量法

分子生物学用語集

タンパク質の定量法

タンパク質の定量法には、大きくわけて二つの方法がある。

1. 分光的(spectrophotometric)な方法 - 近紫外の吸収を測定する方法
2. 比色法(colorimetric) - 呈色させた試料と標準溶液¹⁾の比較から定量する方法

方法によって特長や検出感度が異なる。

	方法	測定波長	検出感度
近紫外吸収	分光	280 nm	20-3000 µg
Lowry法	比色	770 nm	5-100 µg
近紫外吸収	分光	205 nm	1-100 µg
Bradford法	比色	595 nm	1-50 µg
BCA法2)	比色	562 nm	0.2-50µg

分光法による定量

紫外領域における吸光度の測定によってタンパク質を定量する。280nmにおける主な吸収はチロシンである。

タンパク質の吸光係数

ε_280nm (M^-1cm^-1) = 5500N_Tyr+1490N_Trp+125N_Cys

[protein] = A_280nm x ε_280nm M^-1

N_Tyr,N_Trp,N_Cys:各アミノ酸の数

比色法による定量

(Colorimetric protein assay)

References

• 分光法
  • Spectrophotometric determination of protein concentration.
    Grimsley GR, Pace CN
    Curr Protoc Protein SciChapter 3pUnit 3.1(2004 Nov)
  • How to measure and predict the molar absorption coefficient of a protein.
    Pace CN, Vajdos F, Fee L, Grimsley G, Gray T
    Protein Sci4p2411-23(1995 Nov)
• 比色法
  • Quantitation of protein.
    Noble JE, Bailey MJ
    Methods Enzymol463p73-95(2009)
  • Spectrophotometric and colorimetric determination of protein concentration.
    Simonian MH, Smith JA
    Curr Protoc Mol BiolChapter 10pUnit 10.1A(2006 Nov)
  • Colorimetric protein assay techniques.
    Sapan CV, Lundblad RL, Price NC
    Biotechnol Appl Biochem29 ( Pt 2)p99-108(1999 Apr)

Link

• Quantification of Protein

¹⁾ BSAやカゼインなど

²⁾ ビウレット反応の応用

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タンパク質の定量法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2022/07/11 07:18 UTC 版)

「タンパク質」の記事における「タンパク質の定量法」の解説

栄養学ではタンパク質全体の量を測定することが重要であり、また生化学で特定のタンパク質を分離精製した際にも、それがどの程度の量であるかを求める必要がある。これらのために一般的なタンパク質の定量分析法が多数開発されている。 精度の高い方法としては、燃焼後に窒素量を測定するデュマ法、硫酸分解後にアンモニア量を測定するケルダール法などがある。 またより簡便な方法としては、紫外可視近赤外分光法、アミド結合（ペプチド結合）の検出を用いたビウレット法、それにフェノール性水酸基等の検出を組み合わせたローリー法、色素との結合を観測するブラッドフォード法などがある。