スオミ・フィルム
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1920年代になるまでフィンランドで映画が製作されることはあまりなかったが、1919年に設立された製作会社スオミ=フィルミ(英語版)とそのクリエイティブ・リーダーのエルッキ・カル(英語版)によって映画製作が軌道に乗るようになる。カルは当時における重要な作品のほとんどを監督し、1935年に亡くなるまでフィンランド映画界において最も重要な人物であった。1923年の彼の作品 "Village Shoemakers" はアレクシス・キヴィのコメディの映画化で、ドイツ人撮影監督 Kurt Jäger のカメラワークが光るサイレント映画の傑作である。Kurt Jägerのその他の代表作には "The Logroller's Bride" (1923)、フィンランド映画として初めて海外に配給されたシュルレアリスティックなコメディ "When Father Has Toothache" (1923)、軍隊を舞台にしたコメディの先駆けである "Our Boys" (1929)などがある。 フィンランドの観客には農業に携わる人々が多く、そういった人々にはスオミ・フィルムが取り上げた田園地方に関する作品の人気が高かった。サイレント期を通じてスオミ・フィルムはそういった作品を製作し続けた。カルの "Summery Fairytale" (1925)のように、より都会派で、またヨーロッパ的な作品も作られたが、あまり人気はなかった。 スオミ・フィルムにおいて重要なもう一人の監督はプロである。彼はフィンランド初の長編映画 "Olli's Years of Apprenticeship" (1920)の監督であり、初期のホラー映画 "Evil Spells" (1927)も手がけた。別の人物、カール・フォン・ハートマン(Carl von Haartman) はサイレント期のフィンランド映画界において風変わりな人物であった。彼は兵士また冒険家で、ハリウッド映画界で軍事アドバイザーとして働き、後に監督もしている。彼の作品 "The Supreme Victory" (1929) と "Mirage" (1930)は上流階級のスパイを主人公にしており、作品としてはまずまずの出来であったが、それほどヒットはしなかった。
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カルに変わってスオミ・フィルムのトップとなったリスト・オルコは、1990年代まで(スオミ・フィルムが映画製作をストップしてからも長い間)その立場にいた。オルコは先述の "The Foreman of Siltala Farm" を監督し、その後も何本か監督している。その中には歴史映画 "Soldier's Bride" (1938) や "Activists" (1939)があるが、大半の彼の映画は忘れ去られてしまっている。 スオミ・フィルムにおけるもっとも重要な監督はヴァレンティン・ヴァーラである。彼は特に1930年代後半に活躍した。サイレント映画時代以降、ヴァーラは彼自身の制作会社Fennicaで3本の映画を監督した。しかし、彼が4本目を制作しはじめたとき、そのスタジオが破産してしまったためスオミ・フィルムに移り、1935年のコメディ "Everybody's Love"をヒットさせ、二人のスター、アンサ・イコネンとタウノ・パロを生み出した。 Fennicaにおけるヴァーラの最後の作品は都会的なコメディで、このジャンルは彼が新しいスタジオに移ってから監督した軽いタッチのコメディ "Substitute Wife" や "Substitute Man" (両方とも1936年)に受け継がれてゆく。翌年の "Hulda of Juurakko" はもっとシリアスなテーマを扱った作品であった。この映画は社会を意識しており、大都会に出てきたある田舎娘が、いやおうなく性別による不平等に直面するという内容で、この作品は当時の観客に大いに歓迎された。 ヴァーラはまた、田園を舞台とした作品や優れたメロドラマも手がけた。1938年、彼は "Niskavuori" (Women of Niskavuori)という、農業を営む家族を中心に据えた優れたシリーズを制作した。
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