コウモリと感染症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:47 UTC 版)
詳細は「コウモリ由来のウイルス」を参照 感染症学的にはココウモリ類は家畜伝染病だけでなく、齧歯目(ネズミ等)と同様に人獣共通感染症も含め様々な感染症の原因となる病原体を保有している。 コウモリが宿主となる感染症は狂犬病が有名であるが、新興感染症に分類されるリッサウイルス感染症、ニパウイルス感染症、ヘンドラウイルス感染症、日本脳炎、重症急性呼吸器症候群 (SARS) などの原因となるウイルスの保有が報告されているほか、日本国内のコウモリから新種のアデノウイルスやヘルペスウイルスの発見も報告されている。2013年から2016年にかけ、ギニアをはじめとする西アフリカ諸国でエボラ出血熱が流行した事態でも、自然宿主の可能性が有るオオコウモリとの接触が原因となった可能性が指摘されている。 日本ではコウモリが直接原因となった感染症の報告はないが、接触後は必ず手洗いを行う事や生死を問わずコウモリの身体や排泄物との接触、コウモリ生息地への進入やペットとしての飼育は危険であると警告する専門家がいるほか、オーストラリアでは人獣共通感染症の感染源となる危険性が高い動物であると考えて侵入制限を含めた様々な対策を行っている。 新型コロナウイルス感染症は中華人民共和国雲南省墨江ハニ族自治県にある銅鉱山のコウモリが始祖ウイルスであるという説がある。 コウモリが自らの発病を抑えつつ多くのウイルスの「貯蔵庫」になる理由について、体温変化などの関連を調べる研究が進んでいる。
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