ギャンブルに関するミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:19 UTC 版)
ギャンブルにおいて、人々の行動にはある傾向が見られる。これは、有史以前にはうまく機能した本能的な脳の働きである。しかし現代のギャンブルでは、そうした脳の傾向が利用されてしまい、カジノが儲けるのである。 低賭金高配当(ローリスク・ハイリターン) リスクが低く見返りが大きい行為をする傾向。当たったら大きいギャンブルは、実際にはオッズが非常に悪いにもかかわらず、人々を引きつける。 安い保険 リスクを下げるための僅かな努力をする傾向。寝るときに、猛獣に見つからないちょっとした工夫をするといった行為は生存率を上げる。しかしギャンブルでは、自分の賭けが外れた時のリスクを減らすために少しの保険をかけておくことは、ブラックジャック等で長期的に損になる。 傾向に従う 毎日同じ時間に鹿が水辺にいれば、その傾向から明日も来ると予測できる。一方、多くのギャンブルにおいて各プレイの記録は、それぞれが完全に独立しており、偶然の積み重ねであって、「勝ちが続いている」、「負けが続いている」といった傾向は、次の勝負の結果を左右しない。そうした場合にも人々はその「傾向」が重要な意味を持つと思って賭けてしまう。 傾向に逆らってプレイする ある人々が、大勢の意見や行動に反した行動を取る本能を発達させたのは、食べ物や結婚相手を見つける時の競争相手を減らすことができたからである。しかしギャンブルの結果がランダムならば、傾向に逆らうのは無意味な戦略である。 負けている時はケチになり、勝っている時は気前がよくなる 食べ物などがたりない時は保存し、あまるほどあれば気前が良くなる脳の傾向は、ギャンブルの賭け方では上手くいかない。 直感で勝負する たまに新しい、直感的な戦略を使ってみることで勝とうとする傾向は、有史以前は食べ物を見つけたりするのに有効であった。しかし現代のギャンブルでは、この傾向をカジノに利用され、負けてしまう。 こうした脳の傾向を利用するミームは、ギャンブルだけでなく、様々な文化の中に見られる。例えば、賽銭を投げる行為は、低リスクで大きな利益を得られるというミームである。
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