meme
「meme」とは
「meme」は、文化的な情報の単位である。リチャード・ドーキンスが1976年に提唱した概念で、遺伝子が生物の進化を司るように、memeは文化の進化を司るとされる。一つのアイデア、行動、スタイル、または使用法が、人から人へと模倣を通じて伝播する現象を指す。例えば、インターネット上で広く共有される画像やフレーズなどがこれに該当する。「meme」の発音・読み方
「meme」の発音は、IPA表記では/mi:m/となる。IPAのカタカナ読みでは「ミーム」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「ミーム」と読む。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「meme」の定義を英語で解説
「meme」は、"an element of a culture or system of behavior that may be considered to be passed from one individual to another by nongenetic means, especially imitation"と定義される。これは、「文化や行動体系の要素で、特に模倣によって一人の個体から別の個体へと非遺伝的手段で伝えられるもの」という意味である。「meme」の類語
「meme」の類語としては、「cultural gene」や「mind virus」がある。これらはいずれも、文化的な情報が伝播する概念を表す言葉である。「cultural gene」は文化の遺伝子を、「mind virus」は精神のウイルスをそれぞれ意味する。「meme」に関連する用語・表現
「meme」に関連する用語としては、「memetics」がある。「memetics」はmemeの研究を指し、文化的な情報がどのように伝播し、どのように進化するかを研究する学問分野である。「meme」の例文
1. "Internet memes are rapidly spread and widely shared."(インターネットのミームは急速に広まり、広く共有される。)2. "The concept of meme was first proposed by Richard Dawkins."(ミームの概念は初めてリチャード・ドーキンスによって提唱された。)
3. "Memes play a crucial role in cultural evolution."(ミームは文化の進化において重要な役割を果たす。)
4. "The study of memes is called memetics."(ミームの研究はメメティクスと呼ばれる。)
5. "A meme can be an idea, behavior, style, or usage."(ミームはアイデア、行動、スタイル、または使用法であることができる。)
6. "Memes are transmitted from person to person through imitation."(ミームは模倣を通じて人から人へ伝えられる。)
7. "The term 'meme' is derived from the Greek word 'mimema'."(「ミーム」の語源はギリシャ語の「ミメマ」から来ている。)
8. "Memes can influence our thoughts and behaviors."(ミームは我々の思考や行動に影響を及ぼすことができる。)
9. "Some memes can survive and spread, while others fade away."(一部のミームは生き残り広がることができるが、他のものは消えてしまう。)
10. "Memes are often used in marketing strategies."(ミームはしばしばマーケティング戦略で使用される。)
ミーム【meme】
ミーム
ミームとは、情報や文化が発生し、模倣によって伝達され、そして淘汰されてゆく、その一連の有様を遺伝子による適応進化になぞらえた概念のことである。オックスフォード大学の生物学者リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)が著書『利己的な遺伝子』(1976年)の中で提唱した概念であり、ギリシア語の「mimeme」(模倣する)と英語の「memory」(記憶する)を掛け合わせた造語である。「摸倣子」や「摸伝子」、あるいは「意伝子」などと和訳されることもある。
ミームの進化には人間の本能が深く関わっているとされる。ミームが人間の本能に訴えかけるものであれば、そうでないものよりもうまく自己複製しながら広まってゆくことができる。ドーキンスの考えによれば、進化は個体単位で行われるのではなくて、遺伝子そのものによって進化が続けられている。ドーキンスは遺伝子を、人類を遺伝子自らの複製器とするという観点から「利己的な遺伝子」と読んだが、ミームもまた同様に、人間心理を媒介にして利己的に進化するものであると指摘している。ミームの複製機構は生体としての文化である。
ミームから見れば人間の心はミームの複製を造るために存在する。心だけではなく、都市や国、テレビなどもミームの複製のために存在する(例えば、「テレビを所有する」という戦略的な目的を持ったミームにとっては、自分の複製を造るためにテレビというものが存在し続ける、と把握することができる)。そのため、文化の中で最も人気があった優勢なものは、ミームを複製するために最も優れているものであるといえる。また、時には誤った複製によって新しい文化が生成されることもある。これもまた、遺伝子の突然変異によって生物 が進化する過程と似ている。
ミームの概念、およびミームを対象とする学問であるMemetics(ミーム学)は、社会や経済の進展が生物における進化論的な営みと類似しているという発想に基づいて、生物学や心理学、認知科学などを統合しようと試みている。ダーウィンの自然淘汰による種の進化論が生物学を根底から覆したように、心がどうはたらき、人間がどのように学び、成長し、文化がどのようにして進行するのか、といったことがらに対して、新しい進化論で説明することで、心理学の分野を大きく変えようとしている。
ミーム
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 13:57 UTC 版)
ミーム(meme)とは、脳内に保存され、他の脳へ複製可能な情報であり[2]、例えば習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報である[3]。『日本大百科全書』における人工知能研究者の中島秀之の説明によると、ミームは文化的自己複製子であり、ミームは比喩(ひゆ)ではなく遺伝子と同じく実体である
[4]。『利己的な遺伝子』によれば、ミームは脳神経回路の型
である[5]。ミームが脳の外へ複製された具体例としては衣服、壺、アーチ、宗教的行動、科学者の講演、論文などが挙げられている[6]。
注釈
出典
- ^ 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),百科事典マイペディア,世界大百科事典内言及, デジタル大辞泉,世界大百科事典. “ミームとは”. コトバンク. 2021年1月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s リチャード・ブロディ、森 弘之訳『ミーム―心を操るウイルス』講談社、1998年。
- ^ スーザン・ブラックモア about memes Memetics UK 2010年11月15日閲覧。
- ^ a b 中島 2019, p. 「ミーム」.
- ^ a b c ドーキンス 2018, p. 528.
- ^ ドーキンス 2018, p. 330-331.
- ^ a b リチャード・ドーキンス、日高敏隆 訳、岸由二訳、羽田節子訳、垂水雄二訳『利己的な遺伝子』紀伊國屋書店、2006年。
- ^ Geoffrey M. Hodgson (2001) "Is Social Evolution Lamarckian or Darwinian?", in Laurent, John and Nightingale, John (eds) Darwinism and Evolutionary Economics (Cheltenham:Edward Elgar), pp. 87-118. 原文(一部相違あり)
- ^ Oxford English Dictionary 内、ミームの項目。
- ^ リチャード・ドーキンス、垂水雄二訳 『遺伝子の川』草思社、1995年
- ^ 佐倉統ほか『ミーム力とは?』数研出版、2001年。
- ^ a b 。河田雅圭『進化論の見方』紀伊國屋書店、1989年
- ^ Viruses of the Mind リチャード・ドーキンス、1991年
- ^ Balkin, J. M. (1998), Cultural software:a theory of ideology, New Haven, Conn:Yale University Press, ISBN 0-300-07288-0
- ^ “Richard Dawkins and Jaron Lanier "Evolution:The discent of Darwin", Psychology Toda,Translated by Minato NAKAZAWA, 2001. Last Update on January 12, 2001 (FRI) 09:22 .”. 2011年7月7日閲覧。
- ^ “Psychology Today”. 2011年7月8日閲覧。
- ^ このシンポジウムをまとめた論考が、以下の書。
ロバート・アンジェ 編、佐倉統・巌谷薫・鈴木崇史・坪井りん 訳『ダーウィン文化論:科学としてのミーム』産業図書、東京、2004年(原著2000年)。 - ^ スーザン・ブラックモア著、垂水雄二訳『ミーム・マシーンとしての私』草思社。序文より
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 00:55 UTC 版)
「エルミナージュIII 〜暗黒の使徒と太陽の宮殿〜」の記事における「ミーム」の解説
妖精の王。太陽神ラーファについてもよく知っているようだが、その口は堅く閉ざされている。
※この「ミーム」の解説は、「エルミナージュIII 〜暗黒の使徒と太陽の宮殿〜」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「エルミナージュIII 〜暗黒の使徒と太陽の宮殿〜」の記事については、「エルミナージュIII 〜暗黒の使徒と太陽の宮殿〜」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 07:33 UTC 版)
「リチャード・ドーキンス」の記事における「ミーム」の解説
ドーキンスは「ミーム」という用語を提案した。これは文化的進化において「遺伝子」に相当する語である。ダーウィン主義的原理のアイディアの広がりと、文化的現象を説明するためにどのように拡張されるかを「ミーム」を用いて表現した。そしてミーム学という新たなフィールドが生まれた。ドーキンスは「ミーム」という言葉を、観察者が自己複製子であると考えるいかなる文化的実体をも指す語として用いた。彼は多くの文化的実体を、「情報と行動の効率的な(正確ではないが)コピー機械」として進化した人間への暴露を通して増加する、自己複製可能な存在と見なすことができると主張した。 ミームは「必ずしも正確にコピーされないが、そのため洗練されることができる。他のアイディアと結合したり、修正されたりする過程を経て、新たなミームができ、それが広まることで前身よりも効率的な自己複製子であると立証される」。このように「ミーム」という概念は遺伝子を元にした生物学的進化のアナロジーとして、文化的進化に関するフレームワークを提供する。彼は最初に『利己的な遺伝子』でこのアイディアを概説したあとほとんど手を引き、スーザン・ブラックモアのような他の著者にこの理論の拡張を任せた。 ドーキンスは独立してこの用語を作り出したが、彼はこのアイディアが完全に新しいものだとは主張しなかった。すでに類似したアイディアの類似した表現が存在した。ジョアン・ローランは「The Journal of Memetics」で、無名のドイツの生物学者リヒャルト・シーモンが1904年に「ミネーム」と言う概念を提案し、1924年に英国に持ち込まれたと述べ、ドーキンスはその影響を受けたのではないかと示唆した。シーモンも文化の伝達を論じており、ドーキンスのアイディアは類似している。ローランはまた1926年にモーリス・マーテルリンクが『The Life of the White Ant』で同様の議論を行っていることも明らかにしている。
※この「ミーム」の解説は、「リチャード・ドーキンス」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「リチャード・ドーキンス」の記事については、「リチャード・ドーキンス」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:55 UTC 版)
夢をつかさどる聖なる生き物。それぞれ特殊な能力を持っている。なお、ムーマとは関連性はない。
※この「ミーム」の解説は、「ビットワールド」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「ビットワールド」の記事については、「ビットワールド」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 14:10 UTC 版)
ペペの登場後、世界各国の電子掲示板等でインターネット・ミームとして人気となる。誰からもメールが来ない、人生の道を誤ったなど悲しい状況を表すのに使われることが多かった。ミームの元々の使用は、時間の経過と共に進化しており、Sad Frog(悲しみカエル)、Smug Frog(ドヤ顔カエル)、「You will never ...(永遠に〜は起こらない)」カエルを含む多くの亜種がある。 元々は差別的な意味のあるキャラクターではなかったが、2015年頃から匿名画像掲示板「4chan」で人種差別的な投稿に使われるようになった結果、議論の的となっているオルタナ右翼運動の象徴として使われ始めた。2016年9月には米国のユダヤ団体名誉毀損防止同盟(ADL)はデータベースにヘイトの象徴としてぺぺを登録した。同団体はぺぺの全てのミームが人種差別主義的ではないと付け加えた。それ以来、フュリーはぺぺがヘイトの象徴として使用されていることを公然と非難しており、フュリーによってペペのイメージを回復すべく「#SavePepe」キャンペーンを行うもキャンペーンの成果が得られず、2017年5月にフュリーは、ボーイズ・クラブ内で棺に横たわって死んだぺぺを仲間が弔うストーリーを公開した。 香港で発生した2019年-2020年香港民主化デモでは、デモ参加者が極右とは無関係に民主化運動の象徴として使用するようになった。これについてフュリーはペペのイメージを回復させるものだと歓迎した。なお、抗議者のほとんどは、ペペがアメリカで白人至上主義の象徴として使用されていることを知らなかった。 2020年には、一連の顛末を描いたドキュメンタリー映画『フィールズ・グッド・マン』が制作され、サンダンス映画祭などに出品された。 2021年アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件には、「ケキスタン共和国民」(en:Pepe_the_Frog#Kekistan)を名乗るオルタナ右翼も参加している。
※この「ミーム」の解説は、「カエルのペペ」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「カエルのペペ」の記事については、「カエルのペペ」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 14:09 UTC 版)
「異界戦記カオスフレア」の記事における「ミーム」の解説
ミームは、キャラクターが出身した文化背景を表すものであり、リチャード・ドーキンスの提唱したミームに由来している。複数のミームを組み合わせてキャラクターを作成することも出来るが、それら「マルチミーム」キャラクターは、強力な特技「デイブレイク」が使用不可能になる。また『サンセットルビー』からは複数ミームにまたがって存在する「クロスミームブランチ」も登場している。
※この「ミーム」の解説は、「異界戦記カオスフレア」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「異界戦記カオスフレア」の記事については、「異界戦記カオスフレア」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 15:32 UTC 版)
詳細は「ミーム」を参照 ミームとは、動物行動学者のリチャード・ドーキンスが作った言葉であり、模倣を通して、脳から脳へと伝達・複製される文化の情報の基本単位である。ミームの定義には論者により複数あるが、このドーキンスの定義がミームの最初の定義である。 旋律や観念、キャッチフレーズ、衣服のファッション、壺の作りかた、あるいはアーチの建造法などはいずれもミームの例である。遺伝子が遺伝子プール内で繁殖するに際して、精子や卵子を担体として体から体へと飛びまわるのと同様に、ミームがミーム・プール内で繁殖する際には、広い意味で模倣と呼べる過程を媒介として、脳から脳へと渡り歩く。 —リチャード・ドーキンス、『利己的な遺伝子』 ミームの概念を用いて文化が進化する仕組みを考察することができる。ミームは遺伝子との類推で論じられ、複製、多様化、自然選択が進化の条件であるのは遺伝子と同じである。ミームは文化を構成し、人々の心から心へと広まっていく。ミームは広まる過程で多様化し、自然淘汰により進化する。例えば吊り橋をつくるというミームが多くの心に広まることで、実際に吊り橋が増えて文化の一部となる。
※この「ミーム」の解説は、「ミーム学」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「ミーム学」の記事については、「ミーム学」の概要を参照ください。
ミーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 23:39 UTC 版)
「ミーム」および「ミーム学」を参照 ミーム (meme) とは、文化を形成する情報であり、模倣を通して人の心から心へとコピーされる情報である。ミームという言葉は、生物学者のリチャード・ドーキンスが作ったもので、ドーキンスはミームの例としてキャッチフレーズや服の流行をあげている。 …模倣に相当するギリシャ語の語根を取れば mimene だが、私がほしいのは、gene(遺伝子)と発音の似ている単音節の語だ。そこで、このギリシャ語の語根を meme(ミーム)と縮めることとする。 —リチャード・ドーキンス、『利己的な遺伝子』 ミーム学という科学では、ミームという概念を用いて文化を理解する。ミーム学は、「ミームが自分の複製を作る」という視点で考察される。これは、ドーキンスの論じる利己的遺伝子が「遺伝子が自分の複製を作る」という視点で考察されることからの類推である(ただし利己的遺伝子のアイデア自体はドーキンス独自のものではない)。 遺伝子やミームのように自己の複製を作るものを自己複製子という。自己複製子は、自分のコピーを作る時に変異を起こすことがあり、多様化していく(DNAは、多くの場合正確に子孫に複製されるが、まれにコピーミスが起きる)。多様化した自己複製子は自然選択(自然淘汰)によって、進化する。したがって、自己複製子であるミームも遺伝子のように進化することができ、この考察から、文化の進化する様子を分析することができる。 例として、コンピュータにおける情報分野で盛んになっており、開発言語の変遷や仮想通貨にその様子が伺え、さらには、スマートフォンの世界的な普及を背景にしたものもある。 ジョセフ・ヘンリック:「文化がヒトを進化させた:人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉」、白揚社、ISBN 978-4826902113(2019年7月13日)。
※この「ミーム」の解説は、「文化」の解説の一部です。
「ミーム」を含む「文化」の記事については、「文化」の概要を参照ください。
「ミーム」の例文・使い方・用例・文例
- ミームのページへのリンク