オウム真理教事件、金正男殺害事件との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/15 03:48 UTC 版)
「杜祖健」の記事における「オウム真理教事件、金正男殺害事件との関わり」の解説
松本サリン事件が起こった1994年、日本の化学専門誌『現代化学』の依頼で、論文「猛毒『サリン』とその類似体」を寄稿した。その中の「土壌中のサリン分解物によるサリンの検出法」に注目した警察庁科学警察研究所(角田紀子所長)のために、アメリカ陸軍からサリン分解物の土壌中での毒性や分析法を解説した資料30枚を入手し、研究所に渡した。同年秋、警察当局は山梨県の旧上九一色村にあったオウム真理教の施設付近の土壌中からサリン分解物を検出することに成功し、教団とサリンを結びつけるきっかけのひとつとなった。 2011年には、サリン製造の中心人物だった教団元幹部の中川智正死刑囚と東京拘置所で面会し、教団による殺人事件に使用されたVXガスが、自分の論文をヒントに製造されたことを知り、以後、頻繁に中川と面会するようになる。2017年2月13日に金正男がVXガスで殺害された事件をめぐって、同年4月13日、中川が「北朝鮮がオウムのまねをした」との見方を示しているほか、「中国人民解放軍は使わず、アメリカ陸軍が使う手法」「北朝鮮の化学兵器はかなり進歩していると思う」等と証言していることを明かした。同年9月11日、中川との13回目の面会を果たし、中川が「国際連合を通じてマレーシア政府からVXガスの中毒症状について問い合わせを受けた」と述べたことを明らかにしている。2018年3月13日の14回目の面会時には中川より身辺整理を始めたことを明かされ、これが最後の面会になるかもしれないと告げられた。翌14日より他のオウム真理教の死刑囚とともに、中川は東京拘置所を離れ別の拘置所に移送されたと報じられ、約3か月半後の7月6日に移送先の広島拘置所で死刑が執行された。
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