イアーソーンとの結婚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 09:25 UTC 版)
メーデイアはその後もアルゴナウタイと行動を共にし、プランクタイの岩礁やセイレーンの住む島といった海の難所を乗り越えて、アルキノオス王が統治するケルキューラ島にたどり着いた。彼らはアルキノオスから歓待を受けたが、コルキス人の追手が島にやって来てメーデイアの引き渡しを要求した。メーデイアは王妃のアレーテーにすがりついて、引き渡しに応じないでほしいと懇願した。王妃がアルキノオスにどうするつもりなのか尋ねると、アルキノオスは「もし、メーデイアが処女のままであったならアイエーテースのもとに返そうと思うが、しかしイアーソーンと夫婦の契りを交わした後ならば夫婦を引き離すような裁定は下さないし、もし子供を身ごもっていたならば決してコルキス人に引き渡すことはしない」と語った。そこでアレーテーはアルゴナウタイに王の判断を知らせ、納得した彼らは、ケルキューラ島の海岸にあるマクリスの聖なる洞窟で婚礼と初夜の床の準備をした。床の上には金羊毛が敷かれ、ヘーラーは2人のためにニュムペーたちを送って祝福した。そしてアルゴナウタイがコルキス人の襲来に備える中で、オルペウスは婚礼の祝歌を歌い、メーデイアはイアーソーンと夫婦の契りを交わした。翌日、アルキノオスがメーデイアに関する裁定を下すと、コルキス人はメーデイア返還の要求が無駄であることを悟った。しかしアイエーテースの怒りを恐れて帰国をためらい、アルキノオスの許しを得てケルキューラ島に移り住んだ。
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