カツチ
かっちい
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 01:56 UTC 版)
かっちぃは、かつて愛知県春日井市で運行されていたコミュニティバス。事業主体は春日井市商店街連合会、運行委託先はあおい交通であった。 元々運行地域には名鉄バスが勝川駅-県営名古屋空港間を結ぶ路線バスを運行させていたが、2008年4月に廃止。その後住民からは路線バスを望む声が挙がっていた。また同年10月に、春日井市に隣接する西春日井郡豊山町に大型商業施設「エアポートウォーク名古屋」がオープンすると、勝川・味美地域の商店街の商店主からは「客を奪われるのではないか」と懸念の声が挙がる。それを受けて春日井市商店街連合会が、同地域の商店街の活性化などを目的とする路線バスの運行を計画。市民団体が行なったアンケートでも同地域を巡回する路線バスに賛同の意見が多かったことから、2008年12月22日から運行が開始された。商店街がコミュニティバスを運行させた事例は、全国的に珍しい。 運行ルートは、大型ショッピングセンター「西友勝川店」を起終点とし、勝川駅前商店街や名鉄味美駅、東海交通事業味美駅、味美商店街などを巡回するコースで、運行開始当初は左回りと右回りの2つの路線があった。運賃は一日乗り放題で、大人(中学生以上)が200円、子供が100円だった。また車両には21人乗りのマイクロバスが採用された。 当初の計画では1ヶ月辺り2千人の利用者を見込んでいたが、実際の利用者数はその半分に届かない月が続いた。また車内吊り広告などの広告収入も年間の目標を1千万円に設定していたが、実際集まったのはその約40%程だった。そこで2009年9月に、分かりづらいと指摘されていた2つの運行ルートを、左回り1つに変更。かつ便数を変更するなどの路線見直しを実施したが、利用者は更に減ることとなった。 そこで同年11月に、事業主体である春日井市商店街連合会の代表者会を開催。話し合った結果、「事業休止」と「半年間の検討期間を設置」が決議されたが、翌日の春日井市の地域公共交通会議で「事業を休止し検討期間を設けても、事態が改善される見込みがない」また「春日井市のコミュニティバス(かすがいシティバス)とあおい交通の路線バス(名古屋空港直行バス・勝川駅連絡線)で運行区間がほぼ補完できているので、代替交通機関の問題も特にない」として、継続審議は否決。廃止が決定した。なお廃止は法律上の理由から、翌年(2010年)1月13日だった(最終運行日は前日の1月12日)。 上記の通り、運行期間は2008年12月22日~2010年1月13日であった。 起終点の西友勝川店の駐車場の、かつてバス発着場だったスペースの路面には、今も「バス」の文字が残っている。
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