かじき座AB星Ba・Bb
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/18 21:53 UTC 版)
「かじき座AB星」の記事における「かじき座AB星Ba・Bb」の解説
伴星Bは、ロシターが発見し、自身の二重星カタログの137番目に登録したので、Rossiter 137 B(Rst 137 B)とも呼ばれる。主星Aからは9秒程度離れた位置に見える。当初は13等級の単独星だと思われていた。補償光学が発達したことで、もう一つの伴星Cを分離する観測の傍ら、伴星Bが2つの星からなることが確かめられ、それぞれ伴星Ba、伴星Bbと呼ばれることになった。BaとBbの間の平均距離は、0.9AU程度と推測される。 伴星BaとBbは、2つ合わせても主星Aの1%程度の光度しかない。伴星Baは、2つの星のうちでは質量が大きいが、それでも太陽の3割弱と小さく、スペクトル型はM5V、表面温度は約3,310Kと見積もられる。伴星Bbは、質量が太陽の2割程度、スペクトル型はM5.5V、表面温度は約3,250Kと見積もられる。 伴星BaとBbは、かじき座AB星系の年齢の決定に期待される。主星Aは高速自転で強磁場、伴星Cは超低質量と、いずれも年齢の推定が難しく、それに比べると伴星Bは精度良く見積もれる可能性があるためである。伴星Ba・Bbの詳細な観測から、低質量星の進化についての仮説に観測結果を当てはめ、年齢を5,000万から1億年と推定した。
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