『リゴレット』
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「ジュゼッペ・ヴェルディ」の記事における「『リゴレット』」の解説
美しい愛らしい娘よ 『リゴレット』、1851年、Act 3. A 1907、ビクタートーキングマシン。出演:エンリコ・カルーソー、ベッシー・アボット(英語版)、ルイーズ・ホーマー、アントニオ・スコッティ(英語版) "女は気まぐれ" 『リゴレット』、1908年。出演:エンリコ・カルーソー これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 台本制作を指示されたピアーヴェは戸惑った。ヴェルディが選んだ次回作の元本はとてもオペラにはそぐわないと思われたからだった。華やかさも無く、強い政治色に、不道徳的なあらすじ、そして呪いを描いた本作は演劇としてパリで上演禁止となった代物だった。案の定上演予定のヴェネツィアの検閲で拒否された。何度かの修正が加わったが、譲れない所にはヴェルディは強硬だった。原作者ユーゴーさえオペラ化に反対した作品『王は楽しむ』は、封切り予定1ヶ月前に許可が下り、1851年3月に初演を迎えた。これが『リゴレット』であった。 『リゴレット』はあらゆる意味で型破りな作品だった。皮切りでお決まりの合唱も無く、会話から始まる第一幕。カヴァティーナ(緩)からカバレッタ(急)の形式を逆転させたアリア、朗読調の二重唱、アリアと見紛う劇的なシェーナ(劇唱)の多用、渾身の自信作「女ごころの唄」、そして『マクベス』以来ヴェルディが追い求めた劇を重視する姿勢、嵐など自然描写の巧みさ、主人公であるせむしの道化リゴレットの怒り、悲哀、娘への愛情など感情を盛り立てる筋と音楽は観衆を圧倒し、イタリア・オペラ一大傑作が誕生した。
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