「通じない男」編(7巻)
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「不能犯 (漫画)」の記事における「「通じない男」編(7巻)」の解説
田ノ上(たのうえ) 宇相吹事件専従捜査班第二班所属の警部補の刑事。真面目な性格で第二班の良心と仇名されている。 実は伊達の元同僚であり、10年前に仕事のストレスが祟ってギャンブルに嵌り、借金を背負ってしまった事からその返済のために、魔が差して署内の証拠品の中から金品を盗んでしまった。その現場を伊達に抑えられてしまうが、その不正を告発される前に伊達が逮捕されたためその悪事は闇に葬られた。 宇相吹に伊達を殺させるため、邪魔な多田を警棒で殴って気絶させたつもりだったが、その直前に宇相吹にマインドコントロールをかけられており、伊達を撲殺してしまった事で、逮捕。それに伴い全ての悪事が露見した。 伊達 春夫(だて はるお) 元警視庁江戸川署の刑事。多田と同じく、宇相吹の能力が"通じない"人間である。10年前に女子大生を刺殺して住居侵入・傷害致死の罪で起訴され、その後精神疾患を起こし医療刑務所に収監される。物語の時点で出所していた。正義感が強く、融通も効かない性格の為、刑事仲間からは孤立していたが、宇相吹からはそこを見込まれる事となった。 10年前の事件の真相は、宇相吹を捜査する中で、痴情のもつれから彼に友人の女子大生を殺害するように依頼をした女性と接触し、目標とされた女子大生の部屋に駆けつけると、丁度そこで殺しを行おうとしていた最中の宇相吹と鉢合わせ、制止しようとするが、揉み合いの中で、自身が“通じない”人間である事に気づいた宇相吹から試されるかのように、部屋にあった包丁で自分を殺してほしいと頼まれ、「貴方が僕を殺さなければ、僕がこのまま彼女を包丁で刺し殺す」と究極の選択を迫られる中、自身の信じてきた正義に対して迷いを起した事で宇相吹のマインドコントロールにかかってしまい、女子大生を刺殺してしまったという経緯であったが、その後、宇相吹に殺しを依頼した女性も罪悪感に耐えかねて精神を病んで自殺してしまい、結局伊達一人が殺人の汚名を背負う結果となり、宇相吹からもこの結果に心底失望された。 多田・田ノ上と初めて会った時はまともに目も合わせてもらえないほど、精神が衰弱していたが、多田の献身的なアプローチで10日である程度の会話ができ、自身が逮捕されるきっかけとなった事件の真相を語れるまで回復した。しかし、伊達が再起する事で過去に個人的に犯していた悪事が露呈されることを危惧した田ノ上によって、諏訪部に密告。作戦のため伊達が殺害した女子大生の両親に宇相吹を使って伊達の殺しを依頼され、最終的に宇相吹事件専従捜査班の監視を逆手にとった宇相吹の策略でマインドコントロールされた田ノ上によって警棒で撲殺される。宇相吹にとっても伊達とは10年ぶりの再会だったが、既に伊達への興味は失っており、「彼は僕の中ではとっくに終わった人―――ただの塵だ」と珍しく冷酷な表情を顕にしながら吐き捨てるのだった。 一方で、息を引き取る直前に多田に娘の写真と「あるもの」が隠されたロケットペンダントを託しながら「宇相吹に勝ちたいなら「覚悟」を決めろ…! 正義の為に悪になる覚悟を…!!」という助言を遺し、この助言は後々に宇相吹と対峙する多田に大きな影響を与える事となる。
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