「海鷹」曳航とは? わかりやすく解説

「海鷹」曳航

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 02:05 UTC 版)

夕風 (駆逐艦)」の記事における「「海鷹」曳航」の解説

1945年昭和20年)春頃、「鳳翔」が予備艦となって呉港繋留された事に伴い、「夕風」は別府方面異動となった新たな任務空母海鷹と共に地上発進航空特別攻撃隊や、水中特攻兵器回天」(大分県大神にあった回天基地所属)の標的艦訓練であった7月24日別府湾内で空襲を受け、無傷回避したものの、山口県室津港へ退避することにした。しかし別府湾出た直後夕刻16時30分頃)、海鷹艦尾触雷航行不能となったこのままでは翌日空襲撃沈必至であったため、両艦艦長相談の上ひとまず海岸まで曳航し坐洲させることとなったとはいえ基準排水量1200トン程の駆逐艦同量14000トン程もある空母曳航するのは困難の極みであった。曳索は海鷹備品直径28mmワイヤー使用、これを夕風の一番砲塔巻きつけ、さらに海鷹錨鎖海中降ろして錘とする等ワイヤ緊張しないよう工夫し、ようやく曳航始まったのは22時頃であったという。速度も2ノット程しか出せなかったが、幸い海も風も凪いでいて、曳航中にワイヤが切れる事はなかった。しかし、一番砲塔基部で油漏れ発生しかなりの緊張強いられた夜半空襲受けたが無事切抜け翌朝8時頃、別府湾北奥日出海岸日出町)に到着した海鷹出来る限り海岸に近づけた後は惰性坐洲させるべく、曳航したまま海岸接近した。その為ワイヤ切り離した際、負荷から解放され急加速しあわや座しかけたが、回避成功し事無き得たスクリュー海底の泥を巻き上げるほどの浅瀬まで接近しており、危機一髪であったその後夕風艦首部に防舷物をぶ厚く取り付け不十分な位置停止した海鷹艦首艦尾海岸向けて交互に押し、ようやく坐洲成功した全ての作業終えた夕風別府港錨地帰ったのは、25日昼頃であった。なお、これは日本海軍における、駆逐艦による空母曳航唯一の成功例である。

※この「「海鷹」曳航」の解説は、「夕風 (駆逐艦)」の解説の一部です。
「「海鷹」曳航」を含む「夕風 (駆逐艦)」の記事については、「夕風 (駆逐艦)」の概要を参照ください。

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