「十勝」の原義について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:11 UTC 版)
「十勝(トカㇷ゚チ)」の名称はこのように十勝川下流域の地名から生じた地名と考えられているが、松浦武四郎自身も『報登加智日誌』(未刊)の冒頭で「土人是をトウカブチと云り。何れの原名なるやをしらず」と書くなど、発祥地・原義も忘れられており、上記も含め様々な説が出されている。 アイヌ語研究者の山田秀三は、秦檍麻呂、上原熊次郎、松浦武四郎の3者が記述した説を基に下記の2説を考案している。 「トカプシ(tokap-usi)」(乳房・あるところ) 「トカ(オ)ㇷ゚チ(to-ka〔-o〕-p-chi)」(沼・辺り〔・にある〕・処・枯れる) また、永田方正は「トゥカㇷ゚チ(tokapchi)」は幽霊の意、としているが、これについて山田は「トカㇷ゚チは十勝アイヌが誇りを以て読んでいた名」「他地方のアイヌが、語呂合わせみたいに悪名にしていった言葉であろう」として否定的な見解を示している。また、永田は「トカㇷ゚チ」は本来のアイヌ語名を「シアンルㇽ(shi-an-rur)」(遠き彼方の海浜)である、としているが、これについても山田は「他地の人の呼んだ名」であるとしている。
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