《都合がつく》の敬語
「都合がつく」の敬語表現
「都合がつく」の敬語表現は主語によって変わります。自分の都合が主語になる場合は「都合がつきます」となります。相手の都合を主語にする場合は「ご都合がつきます」が正しい敬語表現です。ただし、相手の都合を自分が「つきます」と断定することはほとんどありません。そのため、実際には「ご都合がつきましたら」「ご都合はつきますか」など、仮定形や疑問形になる場合が大半です。「都合がつく」の敬語の最上級の表現
「都合がつく」の敬語の最上級は、相手の都合について言及する場合の「ご都合がよろしいです」です。ただ、相手の都合を断定することはまずないので、実際には「ご都合がよろしければ~でしょうか」といった形で使います。「都合がつく」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
お互いの都合をすり合わせることは、ビジネスシーンでは頻繁に起こります。以下、メールや手紙での「都合がつく」の例文を挙げていきます。「問題ありません。その時間だったら私の都合がつきます。ただ、課長の予定を聞いておきます」
「なんとか都合がつきました。では、明日の午後9時に駅前までお迎えに上がります」
「もしもご都合がつきましたら、ご挨拶にうかがえないでしょうか。弊社の新人を紹介させていただきます」
「弊社としては、30人は入れる会議室があれば十分なプレゼンテーションを用意できます。御社のご都合はつきますでしょうか」
「かしこまりました。弊社は都合がつきます。もしも先方さえよろしければ、実際に新商品を見ていただければと思います」
「その時間帯は私の都合がつきません。ただ、夕方以降なら時間を調整できます。そこで軽く打ち合わせできませんか」
「都合がつきましたら、いつでもご連絡ください。なお、電話に出られなかったとしても、すぐに折り返させていただきます」
「ご都合がよろしければ、弊社は2時間前に会場入りできればと願います。説明会に向け、いろいろと準備をさせていただけないでしょうか」
「ここまでざっくりとご説明させていただきましたが、部長のご都合はよろしいでしょうか。なお、先方はぜひ、部長と直接お話ししたいそうです」
「都合がつく」を上司に伝える際の敬語表現
自分の「都合がつく」ことを上司に伝える際には、「都合がつきます」の言い方で問題ありません。「都合がつきます」とは自分の行為なので、特別に丁寧な言い回しにする必要はないでしょう。逆に、上司の「都合がつく」ことを表現したいときには、「ご都合がつかれます」「ご都合がよろしいです」などの言い回しは不自然です。目上の人の行為を断定することは失礼なので、「ご都合はよろしいですか」「ご都合がよろしければ」など、疑問形や仮定形にしましょう。「都合がつく」の敬語での誤用表現・注意事項
「都合がつく」の敬語表現の誤用には、自分の都合について「ご都合がつきます」と述べてしまうケースが挙げられます。自分の都合を「ご都合」と丁寧に表現することはありません。「ご都合」とはあくまでも、目上の人の都合を意味します。さらに、「都合をつけさせていただきます」という言い方も避けましょう。「つけさせていただきます」は日本語として間違っているわけではありません。ただ、「させていただきます」とは「相手に遠慮しつつ、行動する」という意味です。「都合がつくかどうか」を述べるのに、相手に遠慮しているのは不自然です。単に「都合がつきます」、あるいは「都合がつけられます」といった形にしましょう。「ご都合がつくかと存じます」「ご都合がつくかと思います」といった敬語も、ビジネスシーンでは使いません。特に、目上の人への言葉遣いでは相応しくないでしょう。「都合」とは「事情・具合」という意味なので、他人には判断できない部分です。ましてや、目上の人の都合を想像するのは失礼にあたります。確かに、場合によっては「~と存じます」という言い方をすれば、丁寧になることも少なくありません。しかし、相手の都合に関しては、「~と存じます」のような言い回しは控えましょう。「ご都合がつきましたら」「ご都合はつきますか」と、相手に判断を委ねる文章にするのが礼儀です。
そのほか、「ご都合がつきます日程は」「ご都合はつきます時間は」などの言い方もしないので要注意です。「ご都合がつく日程」、もしくは「日程のご都合は」という表現をします。
「都合がつく」の敬語での言い換え表現
「都合がつく」の敬語の言い換え表現には「問題ありません」「差し支えありません」があります。いずれも自分の事情を述べる際の言い回しで、相手が主体のときは「問題がなければ」「差し支えなければ」などの形になります。「問題ありません」も「差し支えありません」も「障害がなく、予定を邪魔する要素がない」という意味です。「都合がつきます」は「調整することで可能になる」という意味なので、微妙なニュアンスは異なるといえるでしょう。最初から不安要素がなく、確定的な情報と断言できる際には「問題ありません」「差し支えありません」が相応しいといえます。そのほか、「好ましい~です」「もってこいの~です」なども「都合がつきます」と同じ意味のフレーズです。ただし、ビジネスシーンに合っているのは「都合がつきます」のほうでしょう。
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