Quake
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 01:57 UTC 版)
概要
Quake以前のFPSでは、フィールド(建物や部屋の構造等)だけを3D描画し、それ以外のオブジェクト(キャラクター、武器、アイテム等)に関しては、主にビルボードと呼ばれるスプライト描画テクニックによって2D描画されるのが普通であったが、Quakeからは登場する殆ど全てのオブジェクトが3D描画されるようになった。また、ゲームシステムとしても、DOOMでは実現されなかった高さの概念が導入され、ゲーム内容も高低差や立体交差などの3次元要素を充分に生かした物となっていた[1]。
フル3DのFPSの元祖だけではなく、それまでのマルチプレイではIPX/SPXのみのサポートであったネットワークプロトコルが、TCP/IPをサポートすることにより、インターネットでのマルチプレイゲームを意識したゲームとしても斬新であり、QuakeSpy(のちのGameSpy)等、サーバブラウザという現在では当たり前の機能のきっかけを作った。
ゲームエンジンのライセンスビジネスとしても成功を収め、多くのQuakeエンジンを使用したゲームが開発された。
日本では初代QuakeのMS-DOS版がP&Aから、Windows版がゲームバンクから、Quake IIがアクティビジョン・ジャパン、サイバーフロントから、Quake III ArenaがP&A、サイバーフロントからリリースされている。 2007年8月よりQuake 1、2、3とそれぞれの拡張パックがsteamで販売されている。
本国ではQuake 1、2、3のセットであるUltimate QuakeにQuake 4もセットにした『Quad Damage Combo』が発売されていた。
シングルプレイヤー
シングルプレイヤー(一人用ゲームモード)ではDOOMと同様に、敵を撃ち倒し、武器や弾薬やパワーアップアイテム等を拾い、ロックされた扉などを開ける為の鍵などを見つけながらステージを進めていくのが基本である。
例外的にQuake III: Arenaでは、この形式のシングルプレイヤーモードは存在せず、後述のマルチプレイヤーゲームをBotと呼ばれる、コンピューターが操作する敵プレイヤーと対戦する形式になっている。
マルチプレイヤー
マルチプレイヤー(対戦モード)とは、LANやインターネット接続を介してゲームサーバーに接続し、他者(人間が操作)が操作するプレイヤーと対戦するモードである。通常、ゲームサーバーは有志の手によってLinuxかWindowsのPC上で稼動している事が多い。Quakeシリーズには多種多様なルールが存在するが、以下に主要な物を示す。
Quake 2まではcoopモードと呼ばれる、シングルプレーを多人数でプレーするモードも搭載されている。
- 「Free For All (FFA)」もしくは「Death Match (DM)」
- これはサーバーに接続した者全員が敵同士という設定で、任意の敵を倒す度に得点が1frag(1ポイントの事)加算されるルールである。敵を倒すためには、敵のヘルス(体力の事)が0になるまで弾薬や爆風を浴びせる必要がある。このルールでは通常、自爆(自らが発射したロケットランチャーの爆風に巻き込まれて死亡したり、高い所から落下した際にヘルスが0になり死亡した場合や、水中で溺れた場合等)をすると1frag減点されるのが普通である。勝利の条件としては、決められたfrag数を先に獲得した者、もしくは決められた一定時間内に最もfrag数を稼いだ者が勝者となる。
- 「Duel」、「Tournament」もしくは「Tourney」
- 基本的なルールはFree For Allと同じだが、1対1の対戦に特化したモードである。Free For Allと基本的なルールは殆ど同じだが、マップ上のアイテムや武器の配置に微妙な差がある場合が多い(特にQuad DamageやRegeneratorのようなパワーアップアイテムが出なくなる)。『Quake 4』では、DuelモードをアレンジしたTourneyと呼ばれるが採用されており、サーバー上で自動的にシングルイリミネーションのトーナメントが生成される[2]。
- 「Team Death Match (TDM)」
- Free For Allでは全員が敵同士であるが、このルールの場合には、例えば4対4などのチームに別れて戦う事になる。このルールでは誤って味方を倒してしまうと、fragが減点されるのが普通である。通常は、決められた一定時間内により多くのfragを多く稼いだチーム、つまり各チーム全員の個人frag数の合計値が高い方の勝利となる。
- 「Capture the Flag (CTF)」
- CTFはTDMと同様に、2組のチームに別れて行うチーム戦のルールである。各チームにはベース(基地)と呼ばれる部屋があり、その部屋の中の定位置に旗が立っている。CTFでは、敵のベースから旗を奪い、その旗を自軍のベースに持ち帰り、定位置に立っている自軍の旗に触れると「キャプチャー」となり、チームポイントが加算される。なお、敵の旗を自軍のベースに持ち帰っても、自軍の旗が敵に奪われた状態だとキャプチャーは出来ない。この場合は、自軍の旗を奪った敵を探し出して倒し、取り返す必要がある(旗を持った敵を倒した後に、敵の死体付近に落ちている自軍の旗に触れれば、旗は自動的に自軍の定位置に戻される)。CTFでは、先に一定量のキャプチャー数に達したチームか、もしくは決められた一定時間内により多くキャプチャーをしたチームが勝者となる。このルールは、TDMと同様にQuakeシリーズでは定番のチーム戦のルールの1つである。
QUAKEではインターネットが普及したこともあり様々なクランが組織された。大規模なクランでは百名以上が所属している場合もある。
ストレイフジャンプ&バニーホッピング&ロケットジャンプ
この3つはシリーズ定番のテクニックとされている。実際にはQuake Worldで発見されたバグであったが、これがプレイの幅を広げるということでQuake IIからはストレイフジャンプとロケットジャンプが仕様として残され、Quake IIIのMODであるCPMAのCPMモードではこの2つに加え、バニーホッピングが使えるという仕様となっている。
ストレイフジャンプの具体的理論としては、ジャンプを連続で続ける事により減速せずに進み、また前進しながら右移動+視点右振り(もしくは左移動+視点左振り)をすることにより加速する。
バニーホッピングはこの動作を最初の加速だけ前進して、その後は前進キー無しで連続ジャンプと左右移動+視点移動で加速させていく。ストレイフほどの加速は得られないが、ストレイフと違い空中でカーブする事が出来る。
ロケットジャンプはジャンプした瞬間に自分の足下にロケットを撃ち込む事により、そのノックバックを利用して大ジャンプするテクニック。勿論自爆ダメージは喰らうことになるが、普通のジャンプでは届かない所に上ったり、ストレイフジャンプで加速してジャンプしても届かない距離をジャンプする事が出来る。
- ^ a b c 米田聡 (2005年11月14日). “【4Gamer.net】 - Quake3.jp運営者が語る「Quake 4」マルチプレイの“出来”と“現状” -”. www.4gamer.net. Aetas. 2020年6月6日閲覧。
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- ^ “『Quake』『CoD4』『ゴールデンアイ』『ラスアス』など選出!「ビデオゲームの殿堂」2023年候補作品発表”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2023年3月17日). 2023年3月17日閲覧。
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- ^ ウツリ (2000年). ““激震”,三たび降臨す QuakeⅢ Arena” (PDF). Vmag (2000年2/15号): 242-243 .
- ^ GAME Watch「Quake 4」取材班 (2005年10月28日). “PCゲームレビュー「QUAKE 4」”. Game Watch. 2020年6月6日閲覧。
- ^ Inc, Aetas. “id Softwareが渾身の力を傾けた無料のブラウザゲーム,「QUAKE LIVE」を徹底紹介する”. www.4gamer.net. 2020年6月5日閲覧。
固有名詞の分類
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