MS ゴシック MS ゴシックの概要

MS ゴシック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/27 08:06 UTC 版)

リョービイマジクス製作の字母をもとに、リコーが作成した[1]。「MS ゴシック」の販売権はマイクロソフトに譲渡されているが、リコーはこれに相当するフォントを取り扱っている[2]

種類

様々なゴシック体の書体見本。

※括弧内は英語名。

MS ゴシック (MS Gothic)
MS ゴシックの基本となる等幅フォント。リョービイマジクスが写真植字向けに制作したゴシック体の字母(ゴシック-B)を元にしている。画面表示用のラスタフォント(ドットフォント)は視認性を高めるため、デザインが異なる。Windows 3.1 以降に搭載。リコーの「HGゴシックB」に相当する[2]
MS Pゴシック (MS PGothic)
MS ゴシックの文字幅を文字毎に調整したプロポーショナルフォントWindows 95 以降に搭載。リコーの「HGPゴシックB」に相当する[2]
現在に至るまで Internet Explorer など多くのウェブブラウザで標準の日本語フォントに設定されている。欧文などのフォントがアンチエイリアスで表示されるのに対し、日本語はドットフォントとなり違和感が発生する[3]。ブラウザの設定で他の日本語フォントを標準に指定することもできるが、日本の商用サイトでは CSS によりMS Pゴシックを強制指定していることが多く、滑らかな文字で表示したい場合はユーザースタイルシートを用いるなど上級者向けの設定が必要になる[4]
MS UI Gothic (MS UI Gothic)
ウィンドウのメニューバーなどに慣習的に使用されてきたいわゆる半角カナを、通常の全角文字に置き換える目的で作成されたプロポーショナルフォント。ひらがなカタカナの文字幅を漢字の4/5ほどに狭くし(そのため若干丸文字に近く見える)、少ないピクセル数でも判別しやすいよう書体が一部変更されている。Windows 98以降に搭載され、MS ゴシック、MS Pゴシックとは異なり画面表示専用のフォントとして位置づけられている[5]Windows Vista 以降ではメイリオに一部置き換わったが、引き続き MS UI Gothic も多用されている。メイリオはやや幅広で、幅狭の MS UI Gothic とは志向が異なる。Windows 7 で導入された Meiryo UI フォントが Windows 8 では全面的に採用された。

いずれも形式は TrueType アウトラインの OpenType フォントである。7, 8 dot (5, 6 pt) のビットマップフォント(仮名のみ)と、10, 12, 13, 14, 16, 18, 20 dot (7.5, 9, 10, 10.5, 12, 13.5, 15 pt) のビットマップフォントが収録されている[2]

Windowsに標準搭載されているため、一般ユーザーにはウェブサイトや文書作成などによく使用されているが、デザイナーが使うことは稀である[6]

Windows 以外の環境での使用

フォントは有料で販売されており、Windows以外で利用可能[7]。 Windows に搭載されているフォントファイルを他のOSにコピーして使用することは、たとえ技術的に可能であったとしてもライセンス違反の疑いがある。

macOS 向けには、Word などで作成した文書の体裁に互換性をもたせるため、マイクロソフトが販売しているmacOS 向けのMicrosoft Office v.X にはMS ゴシックとMS 明朝が、Microsoft Office 2004以降には JIS X 0213:2000 に準拠したMS ゴシック、MS Pゴシック、MS 明朝、MS P明朝の各フォントが含まれている(MS UI Gothic は含まれていない、Microsoft Office 2008以降にはメイリオも含まれている)[注 1]


注釈

  1. ^ macOS で利用する場合、マイクロソフトのサイトからOffice 2004の体験版をダウンロード・インストールするとMSフォントもインストールされるが、Office 2004をアンインストールしてもMSフォントはシステム上に残る。システム上に残ったMSフォントの利用については、マイクロソフトから「そのまま利用しても問題ない」との回答があったという(MSフォントの合法的な入手が可能です)。このとおりであれば、macOS環境についてはOffice 2004の体験版のインストール→アンインストールで正規にMSフォントの利用が可能となる。
  2. ^ PDFなどに出力すると、太字化部分では同じ文字が二度出現する

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 「MSゴシック」、「MS明朝」についてのお話”. リコー. 2015年6月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q MS ゴシック、MS 明朝相当のフォントについて知る”. リコー. 2021年8月7日閲覧。
  3. ^ Windows TIPS -- Tips:IEの日本語表示でもClearTypeの恩恵に浴する”. @IT (2002年7月6日). 2012年8月22日閲覧。
  4. ^ さらばMS ゴシック/MS Pゴシック! Windows版Google Chromeできれいなフォント表示を実現する”. takepierrot Editor Note (2012年1月7日). 2012年8月22日閲覧。
  5. ^ マイクロソフト (1997年12月16日). “次期Windows NT(R) 5.0 及びWindows(R) 98にて、JIS X 0221 日本語規格を標準サポート”. 2009年1月14日閲覧。
  6. ^ デザイナーがMS Pゴシックを使わない理由は? エディトリアルデザイナーに聞く | TECH+(テックプラス)
  7. ^ MS Gothic”. Microsoft typography. 2012年8月22日閲覧。
  8. ^ Microsoft Windows Vista:JIS X 0213:2004 対応と新日本語フォント「メイリオ」についての「Windows Vista における JIS2004 対応に関する詳細資料」に含まれる「MS ゴシック明朝V2.50フォントアップデート情報」ファイルを参照。
  9. ^ a b 小山田 理佳. “Windows 7 : 製品ソフト開発者から出た "その疑問" にズバリお答えします ! 第 1 回 Windows Vista から、こんな点が変わりました”. マイクロソフト. 2009年11月23日閲覧。
  10. ^ Microsoft Windows Vista:JIS X 0213:2004 対応と新日本語フォント「メイリオ」についての「Windows Vista における JIS2004 対応に関する詳細資料」に含まれる「MS ゴシック明朝 JIS04 字形と JIS90 字形」ファイルを参照。
  11. ^ Microsoft Windows Vista:JIS X 0213:2004 対応と新日本語フォント「メイリオ」についてを参照。


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