MOS 6502 割り込み

MOS 6502

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/21 04:44 UTC 版)

割り込み

6502の割り込み処理は三種類ある。それぞれの割り込みにつき、所定のアドレスに割り込み処理ルーチンの先頭アドレスが記載されており、割り込みが入るとそこへ制御を移す。割り込み処理ルーチンを終了して元のルーチンに復帰するにはRTI 命令 (0x40) を使用する。

割り込み処理 一覧
$XXXX 割り込み名 詳細 優先順位
$FFFA NMI 制御不能の強制割り込み。間隔はシステムに依存 2
$FFFC RESET 開始時のみ発動 1
$FFFE IRQ/BRK BRK 命令 (0x00) 時に発動 3

互換CPU

W65C02
65C02 (Rockwell)
CMOS版で、命令が拡張されている。
W65C02 (Western Design Center)
CMOS版で、Rockwellのものとは別の形で命令が拡張されている。Apple IIe, IIcなどに採用。
6507
6502のアドレスを13ビットに削減したもの。Atari 2600アタリ)で使用。
6510
6502にクロック入力ピンとI/Oポートを追加。VIC-20 (VIC-1001) の後継機、コモドール64マックスマシーンで使用。改良版の7501/8500/8501というバリエーションも存在する。
8502
6510を高速化、コモドール128で使用。
RP2A03E
RP65C02 (RICOH)
CMOS版6502。Rockwell製NMOS版6502とピンコンパチブル、命令コンパチブルであり、さらに59の命令の追加、パワーダウン、スタンバイモードなどCMOSの特長を備える。
RP2A03 (RICOH)
6502から10進演算関連の機能が削除され、サウンド機能が追加されているもの。ファミリーコンピュータで使用。CPUのIPコアも存在した。
HuC6280A
HuC6280
ハドソンが開発。高クロック化がはかられ独自に命令拡張がなされたもの。PCエンジンで使用。
65816 (W65C816)
Western Design Centerが開発。レジスタの16ビット化を含む多くの機能拡張がなされたもの。Apple IIGSスーパーファミコンで採用。
740ファミリ
ルネサス エレクトロニクス(旧三菱電機)社製の8ビットMCUコア。7200、740/7450/7470、7600、38000シリーズがある。8ビット定数を直接ゼロページに入れる命令、乗除算命令(一部のもの)を備える。ビット操作・ブランチ命令もあるが、両65C02のものとは互換性がない。スタックは1ページではなくゼロページに置くことも可能。ROM・RAMと周辺機能を内蔵し、ゼロページの下位はI/Oレジスタとなっている。
7700ファミリ
ルネサス エレクトロニクス(旧三菱電機)社製の16ビットMCUコア。7700、7900シリーズがある。公式にはうたっていないが内容的には6502を拡張したもので、65816とはレジスタ構成と命令セットの多くが共通であり、さらに多バイト長コードの命令が増えている。6502エミュレーションモードはない。ビット操作・ブランチ命令は両65C02や740シリーズとは互換性がない。ROM・RAMと周辺機能を内蔵する。
YM-2002 (YAMAHA)
ヤマハ製の互換CPU。ゼロページが2ページあり、Z80の表レジスタ、裏レジスタのように切り替えられる。ホームコンピュータで使用した。
SPU
ソニー製のチップまたはCPUコアで、8ビットのアキュムレータの上下の4ビットの部分を交換するXCN (eXChange Nibble) と8ビット×8ビット=16ビットの乗算命令が追加されている。スーパーファミコンのDSP制御用としても使用された。

なお、ARM (Acorn RISC Machine) の設計は6502を参考に行われたとされることがあるが、設計者らは6502を参考に設計を行ったわけではない。ARMの命令セットを設計したソフィー・ウィルソンは、6502とARMにはほとんど共通点がないと述べている[8]。別のインタビューでは、(メインメモリをVRAMとしても使っている当時のパソコンの設計では)メモリアクセスが比較的に高性能であり、6502はそれを利用するバランスがすぐれていた、という事のみ言及している[9]


  1. ^ The MOS 6502 and the Best Layout Guy in the World”. swtch.com (2011年1月3日). 2022年8月24日閲覧。
  2. ^ MOnSter6502”. monster6502.com (2017年). 2022年8月24日閲覧。
  3. ^ a b 上村雅之さん 大いに語る。 ファミリーコンピュータ インタビュー(前編)(2013年10月号より)”. Nintendo Dream Web. アンビット (2018年7月21日). 2022年8月24日閲覧。
  4. ^ 【任天堂「ファミコン」はこうして生まれた】第7回:業務用機の仕様を家庭用に、LSIの開発から着手(3/3)”. 日経BP (2008年10月3日). 2014年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月22日閲覧。
  5. ^ MOS Technology 6502 - Bugs and Quirks”. 2022年10月23日閲覧。
  6. ^ Measuring the ROR Bug in the Early MOS 6502”. 2022年10月23日閲覧。
  7. ^ 1975年8月のデータシートでは ROR 命令を除く55個の命令が記載されており,1976年5月のデータシートでは ROR 命令を含む56個の命令が記載されている。File:MCS650x Instruction Set.jpg
  8. ^ Smotherman, Mark (2001年10月). “Which Machines Do Computer Architects Admire?”. 2022年8月24日閲覧。
  9. ^ Wilson, Sophie oral history : 2012 fellow - 102746190”. Computer History Museum (2012年1月31日). 2022年8月24日閲覧。


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