Internet Explorer 11 Internet Explorer 11の概要

Internet Explorer 11

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 04:22 UTC 版)

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Internet Explorer 11

Microsoft Windows コンポーネント
Windows 10上で動作するInternet Explorer 11
詳細
種別 ウェブ ブラウザー
FTP クライアント
フィード リーダー
標準提供 Windows 8.1
Windows Server 2012 R2
Windows 10
Windows Server 2016
追加提供 Windows 7
Windows Server 2008 R2
置換 Internet Explorer 10
後継 Microsoft Edge

概要

同ブラウザは2013年3月25日に行われた「Build 2013 conference」で、Windows 8.1と、Windows Server 2012 R2共々開発中であることを公表[1]。同7月25日Windows 7とWindows Server 2008 R2の開発者向けプレビュー版をリリース。翌日の7月26日にはWindows 8.1開発者向けのプレビュー版リリースを実施[2]。同9月17日Windows 7とWindows Server 2008 R2の利用者向けのプレビュー版リリースを実施。

正規版のリリースは、Windows 8.1利用者向けは同10月17日、Windows 7とWindows Server 2008 R2は同11月7日[3]に実施された。Windows 7からのアップグレードについては、Windows Updateを通して11月8日より順次自動更新の形で配信・リリースされる。

Windows 8.1[注 1]には、このIE11が標準装備されている。なおWindows 8には提供されないため、IE11を利用するにはWindows 8.1にアップグレードする必要がある。

Windows 11においてはInternet Explorerのデスクトップアプリケーションは利用できない[4]。ただし Internet Explorer のエンジン自体は搭載されており、Microsoft Edge からは Internet Explorer モードが利用可能である。 しかしWindows 11でも、「CreateObject("InternetExplorer.Application").Visible=true」という内容の.vbsまたは.ps1スクリプトファイルを実行するとInternet Explorerを開くことができる。[5]

サポート終了

事実上の開発終了

Windows 10ではOS標準ブラウザがMicrosoft Edgeへと正式に切り替わり、IEの開発は事実上終了した。一方、Windows 10には互換性維持のためにIE11が引き続きバンドルされている。Windows 10はサポートポリシーがこれまでより大きく変更され、アップデートを続ける限り半永久的な使用が可能であるため、IE11がバンドルされ続ける限りは半永久的にサポートが継続されることを意味し、Windowsのサポート期間に依存するIEのサポートポリシーは事実上意味をなさないものとなった。Edgeを事実上のIE最新版と理解するならば、Windows 8.1のサポートが終了する2023年1月10日(日本時間11日、予定)が一つの可能性として挙げられるが、マイクロソフトは明言を避けている[6]Windows 11ではバンドル自体がなく、Microsoft EdgeのIEモードの利用が推奨される[7]

多くのサイトの制作者や、プラグイン等ブラウザ連携が必要なソフトウェアの開発者は、軸足を次々にIEからMicrosoft Edgeに移している。例えば、2020年1月現在、日本の特許情報プラットフォームJ-PlatPatで図面の回転はWindows 10 Pro の IE 11ではアイコンも表示が可視領域からはみ出しているが、Edgeなら正しく表示され図面の回転ができる。別の例として、コンテンツ管理システムWordPress上のプラグインで利用者の多いPDF Embedderは、バージョン4.5以上はWindows のIE 11ではJavaScriptエラーで動かない。しかし、開発元は、IEはマイクロソフトによるサポートが終わったとして、IE対応修正をしないと表明[8]。他方、サイトによっては修正予算がなくEdgeはサポートせずIEを標準にしているところも多いと思われる。このように、建前上はWindows 10 のサポートとともにIE 11のサポートが半永久的に続いていても、ウェブサイトやソフトウェアの製作現場では事実上IEのバージョンアップがあっても対応やテストをしなくなっている。その影響で、IE対応サイト閲覧のためにIEを利用している人にとっては、「エラーになる」「表示がおかしい」という現象への遭遇が増えている。

サポート期限

2016年1月12日[注 2]をもって、IEのサポートに関するポリシーが変更され、サポートが継続している各々のWindowsで利用可能な最新版のIEのみがサポートされることとなった。したがって、Windows VistaにおいてはIE8以前、Windows 7および8.1においてはIE10以前のバージョンのサポートが打ち切られた。Windows 8も同日をもってOSのサポートが終了するため、この時点でコンシューマー向けOSでのIE10のサポートは完全に終了した[9][10]。その後、2017年4月11日をもってWindows Vistaのサポートが終了。また、Windows ServerのIE10が2020年1月14日を以ってサポート終了となったため[11]、IE11が唯一サポートが継続されるバージョンとなった[12]

ただし、2021年8月17日までにMicrosoft 365 アプリなどの主要アプリケーションでInternet Explorerのサポートが終了するなど、サポートは順次縮小されてきている。

米Microsoftは2021年5月19日(現地時間)、Windows 10 半期チャネルのInternet Explorer 11のデスクトップアプリケーションのサポートを2022年6月15日(日本時間6月16日)に終了すると発表した。ただし、Windows 7(ESU)、Windows 8.1、Windows 10 LTSC、Windows Server ではIE11のデスクトップアプリケーションが引き続き提供される。また、Microsoft Edge の Internet Explorer モードやInternet Explorer プラットフォーム (MSHTML/Trident)は終了しない。Internet Explorer 11のデスクトップアプリケーションから Microsoft Edge の Internet Explorer モードへの切り替えをマイクロソフトは呼びかけている[13][14][15]

また、サポート期限である2022年6月現在でも企業のシステムの中にはInternet Explorerの利用を前提として開発されたものも多数残されており、これらのシステムは改修などの対応が必要になることから情報処理推進機構(IPA)は利用者に対して早めの対応をとるように呼び掛けている[16]

その後、2023年2月14日のアップデートでInternet Explorer 11を完全無効化し、以降は起動しようとするとMicrosoft Edgeにリダイレクト処理される。そして同年6月13日には「IE 11」アイコンなどを削除するパッチが公開される予定[17]

Microsoft Edge の Internet Explorer モードは少なくとも2029年まではサポート予定[14]


注釈

  1. ^ Windows 8のユーザーについてはマイクロソフト公式サイトから無料ダウンロードによりアップグレード可能
  2. ^ 日本時間1月13日
  3. ^ ms プレフィックス付き
  4. ^ 例:MSIE 9.0
  5. ^ Windows 7 のアップデートによって利用可能
  6. ^ バングラデシュにおけるベンガル語のこと

出典

  1. ^ Sharif Sakr (2013年3月25日). “Internet Explorer 11 user agent makes browser look like Firefox, thumbs nose at legacy CSS hacks” (英語). Engadget. AOL. 2013年11月11日閲覧。
  2. ^ Internet Explorer 11 Developer Preview: FAQ” (英語). マイクロソフト. 2013年11月11日閲覧。
  3. ^ Rob Mauceri; Sandeep Singhal (2013年11月7日). “IE11 for Windows 7 Globally Available for Consumers and Businesses” (英語). IEBlog. 2013年11月11日閲覧。
  4. ^ Windows 11でなくなる機能”. ITmedia PC USER. 2021年6月26日閲覧。
  5. ^ 株式会社インプレス (2022年1月7日). “Windows 11で葬られたはずのInternet Explorerを呼び出す死霊術が発見されてしまう/使うなよ、絶対使うなよ!【やじうまの杜】”. 窓の杜. 2022年5月8日閲覧。
  6. ^ 沓澤真二 (2018年7月18日). “「IEの固有機能に依存するシステムをEdgeに対応するよう見直してほしい」 マイクロソフトが要望”. ねとらぼ. ITMedia. 2018年8月20日閲覧。
  7. ^ バイバイCortana、IE11 Windows 11で消える機能まとめ”. ITmedia NEWS. 2021年6月26日閲覧。
  8. ^ Support » Plugin: PDF Embedder » IE11 Problem”. wordpress.org (2020年1月8日). 2020年1月14日閲覧。
  9. ^ 前橋 豪 (2016年1月13日). “Windows 7/8.1はIE11のみサポート:Internet Explorerの旧バージョンは1月13日サポート終了”. ITmedia PC USER. ITmedia. 2016年9月7日閲覧。
  10. ^ 前橋 豪 (2016年1月13日). “8.1に移行を:Windows 8のサポート終了は1月13日”. ITmedia PC USER. ITmedia. 2016年9月7日閲覧。
  11. ^ Internet Explorer 10のサポート打ち切りをMicrosoftが発表、期限までにIE11への移行を強力に要請”. GIGAZINE. 2020年8月24日閲覧。
  12. ^ 2020年4月現在、Windows Server 2012のサポートは継続中であるため、それぞれに対してIE10のサポートが2023年10月10日(日本時間11日、予定)まで継続される
  13. ^ Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポート終了 – 発表に関連する FAQ”. Windows Blog for Japan. 2021年5月22日閲覧。
  14. ^ a b ライフサイクルに関する FAQ - Internet Explorer および Microsoft Edge”. Microsoft Docs. 2021年5月22日閲覧。
  15. ^ Microsoft、「Internet Explorer 11」のサポート終了を発表、~猶予期間は約1年、2022年6月15日まで/Windows 7/8.1や一部法人向け製品は除く。MSHTML(Trident)エンジンも維持”. 窓の杜. 株式会社インプレス (2021年5月20日). 2021年5月22日閲覧。
  16. ^ 日本放送協会 (2022年6月12日). “「インターネット エクスプローラー」のサポート 16日に終了”. NHKニュース. 2022年6月13日閲覧。
  17. ^ “Microsoftが方針転換 ~「IE 11」の完全無効化は2023年2月14日、「Edge」の更新で実施”. 株式会社インプレス. (2022年12月19日). https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1464654.html 
  18. ^ a b Sharon Meramore; Charles Morris (2014年8月14日). “August updates for Internet Explorer” (英語). IEBlog. 2014年9月11日閲覧。
  19. ^ Internet Explorer 11 adds support for HTTP Strict Transport Security standard” (英語). マイクロソフト (2015年6月10日). 2015年6月13日閲覧。
  20. ^ HTML5” (英語). 6.6.1 The Navigator object. W3C (2014年10月28日). 2015年1月6日閲覧。
  21. ^ Rob Trace; David Walp (2014年10月9日). “HTTP/2: The Long-Awaited Sequel” (英語). IEBlog. 2014年12月22日閲覧。
  22. ^ John-David Dalton; Gaurav Seth, Louis Lafreniere (2014年10月10日). “Announcing key advances to JavaScript performance in Windows 10 Technical Preview” (英語). IEBlog. 2014年12月22日閲覧。
  23. ^ Tom Care; Brian Terlson, Suwei Chen (2014年12月15日). “Classes in JavaScript: Exploring the Implementation in Chakra” (英語). IEBlog. 2014年12月22日閲覧。
  24. ^ Windows 8.1をご利用で、インターネット接続時にエラーが表示され接続できない現象について”. ケイ・オプティコム (2013年10月30日). 2013年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年11月18日閲覧。
  25. ^ Internet Explorer 11 (オフライン インストーラー) をダウンロードする”. Windows Help. 2020年2月5日閲覧。


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