AMX-13 開発と特徴

AMX-13

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/18 05:01 UTC 版)

開発と特徴

AMX-13の開発は、第二次世界大戦終結直後の1946年から開始された。当時、フランスはインドシナアルジェリアなど、世界各地に散らばる植民地の独立運動などの問題を抱えていたため、海外に速やかに展開出来るように輸送機で空輸可能な「空挺戦車」を求めていたので、車体は出来うる限り小型化する事が要求された。そのため、乗員席もギリギリまで切り詰められ、乗員の身長を172センチ以下に制限しているほどである。

AMX-13はこの要求を満たすために様々な新機軸を導入した。先ず、乗員数を減らして車内の容積を削減するために自動装填装置が採用された。これは6発が充填されたリボルバー式弾倉を砲塔内後部左右に設置したもので、計12発を自動装填し発射可能な物である。榴弾の自動装填は危険とされ、基本的に弾倉には徹甲弾が装填された。射撃の際、空薬莢は砲塔後部の小型ハッチから車外へ排出される。弾倉へ補充するためには、狭い車内に用意された即応予備弾を車長が弾倉へ送り込むか、いったん安全な場所へ移動して、車外から弾庫の予備弾を取り出し、砲塔上面の左右にあるハッチを開けて弾倉に再装填する必要があった。

砲塔は上下に分割された揺動砲塔が採用された。この方式は、主砲を固定した上部砲塔がシーソーのように動くことで俯仰を司る仕組みで、小型化や主砲の大口径化、自動装填装置の設置には有利な反面、防御面での脆弱性、俯仰角を大きく取れない、密閉度が低く雨や渡河時の水、さらに汚染された外気が入ってくる等の難点を抱えていた。本車が実用化に成功した事で開発国のフランスとアメリカ及びスウェーデンの興味を引き、1950年代にこれらの国は同様の仕組みのより大きな砲塔を開発していたものの、実用化はできなかった。実用車両で揺動式砲塔を採用したのは、本車とその砲塔を流用したEBR装甲車SK105キュラシェーア軽戦車のみである。この砲塔は車体後部に設置、エンジンは車体前部左側の操縦席横に位置している。

主砲はナチス・ドイツV号戦車パンターに搭載された7.5 cm KwK 42を参考に開発された、高性能・高初速の61口径CN-75-50 75mmライフル砲を搭載した。

AMX-13は1951年に制式採用され、翌年から生産配備された。




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