鵡川 交通

鵡川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 08:15 UTC 版)

交通

明治40年代から昭和30年代にかけて、上流で伐採した丸太を河川を利用して中流域へ流す、木材流送が道内屈指の規模で盛んに行われていた。

1909年、穂別町(現むかわ町)から占冠村一帯の森林伐採が始まった。当時は、周辺に道路が存在しなかったため、上流で伐採した原木は川沿いに集積され、融雪期から秋期にかけて鵡川の水流を利用して当初は鵡川町まで、昭和5年からは[9]穂別中島地区の網場(木材を川から引き上げ、富内線の貨車へ積み替える拠点)へ向けて流された[10]。流送には、鉄砲堰いかだ流し技術を有する越中(富山県)や東北地方からの技術者(季節労働者)が従事。技術者が穂別を訪れる春先、穂別を去る晩秋の頃には、穂別駅を利用する技術者のチッキ(荷物)が山のようになっていた。道内屈指の規模を有した鵡川の流送も、鵡川沿いの農地が拡大すると、橋梁や堤防を損壊することが問題視されはじめたこと、道路事情の改善されたことなどから1961年に幕を閉じた。往時の様子は、2016年現在、第33回を数える穂別地区の「流送祭り」として語り継がれている[11]

関連項目

脚注


  1. ^ 鵡川水系河川整備基本方針
  2. ^ アイヌ語地名リスト ホロナ~モオ P121-130”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年11月26日閲覧。
  3. ^ 鵡川”. 国土交通省. 2018年2月25日閲覧。
  4. ^ 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)345ページより。
  5. ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)100ページより。
  6. ^ むかわ町の歴史文化 中世編”. www.town.mukawa.lg.jp. むかわ町. 2022年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月5日閲覧。
  7. ^ 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)345ページより。
  8. ^ 書籍『北海道の駅878ものがたり 駅名のルーツ探究』(監修:太田幸夫、富士コンテム、2004年2月発行)100ページより。
  9. ^ 『穂別町史』324頁 1968年 穂別町役場刊
  10. ^ 竹谷正也 「思い出を綴る」『穂別高齢者の語り聞き史(昭和編)大地を踏みしめて 上 』穂別高齢者の語りを聞く会、2014年、p286-291頁。 全国書誌番号:22371368
  11. ^ 第33回 むかわ町穂別流送まつり -人間を木材に見立ててタイムを競う、穂別の夏の風物詩-(good day 北海道 公益社団法人・北海道観光振興機構ホームページ)2016年8月21日閲覧


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