魔界村 システム

魔界村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 13:20 UTC 版)

システム

4方向レバーと2ボタン(ジャンプと攻撃)で主人公のアーサーを操り、さらわれたプリンセスを助け出すのが目的。プリンセスを助けるためには魔界の魔物を蹴散らし、魔将軍が守る6つの門を抜けて、大魔王を倒さねばならない[4]

移動時は梯子を上り下りしたり、その場にしゃがむこともできる。ジャンプは飛距離及び軌道が一定で、ジャンプ中及び落下中の軌道修正は効かず、足場の先からジャンプせずにそのまま落ちた場合は常に垂直落下する仕様になっている。このため一般的なアクションゲームに比べてジャンプ動作がやや不自由だがジャンプ中に体の向きを変えることは可能。

ショットは武器により連射回数、弾速、軌道、特性が異なる。プログラムの特性上、公式には記載はないが、連射技というテクニックが存在し、少しずつ前進または後退しながら連射することで、通常の連射以上の連射が可能である。

主人公のアーサーは鎧を身につけているが、敵と接触するか攻撃を喰らうと鎧が弾け飛んで裸状態になり[5]、その状態でさらに攻撃を喰らうと白骨化して1ミスとなる。なお、鎧は一度の被弾で失われてしまうが、ステージをクリアするか、特定の場所に出現する鎧を入手することで再び鎧を着用することが可能となる[4]。敵の攻撃以外でも、制限時間がなくなった場合や足場のない地点に落下した場合もミスとなって残機を一つ失い、残機を全て失うとゲームオーバーになる。

ステージ

各ステージは前半エリアと後半エリアに分かれており、各ステージ2分の制限時間は後半エリアに入るとリセットされ再カウントが始まる。ただし、終盤のステージ5・6は前半後半に分かれておらず、ミスをするとステージ冒頭からのやり直しとなる。

ステージは通常ステージ6面+最終決戦ステージ1面の全7ステージ構成だが、最終ステージである7面に進むには特定の武器を装備した状態でステージ6をクリアする必要があり、条件を満たしていなかった場合はステージ5に戻されてやり直しとなる。さらに本作は最終ステージをクリアすると、より難易度が上昇したステージ1に戻るという2周セットのループゲームとなっている[6]。このためゲームを一周しただけでは完全にゲームをクリアしたことにはならず、真のエンディングを見るには1周目クリアに続いて2周目も最後までクリアする必要がある。

武器

2つ表記があるものは、左が通常のもの、右がファミコン版取扱説明書に記載されているもの。

槍 / ヤリ[7]
アーサーの初期装備[4]。形状はランス。最大3連射が可能で、前方にまっすぐ飛ぶスタンダードな武器。
短剣 / 剣[7]
槍と同じく前方に飛んでいく武器。最大3連射。小さいので若干目標に当てにくいが、槍を上回る弾速を持ち[4]、段差のついたショットが可能。
たいまつ
緩やかな放物線を描いて飛ぶ。地面に落ちると爆発し、炎をあげる[4]。最大2連射。
斧 / オノ[7]
放物線を描いて飛び、敵を貫通する[4]。最大2連射。
十字架
槍や短剣と同じくまっすぐ飛んでいく。射程が非常に短いが、敵の吐く弾(大魔王が吐く火の玉以外)を相殺できる唯一の武器[4]。これを装備していないと、大魔王と戦うことはできない(ステージ6終了時点で十字架を持っていない場合はステージ5の始めに戻される)。最大2連射。
次回作以降と異なり、入手に特定条件の絡まないドロップアイテム扱いであり、アイテムのツボから出現する。1周目の比較的早い段階で入手することが可能だが、入手には運が絡む。
日本国外版では、宗教上の都合から盾に変更されている。

アイテム

ツボ
何らかの武器かアイテムが入っている壺。敵を倒すと落とす場合もあれば、条件を満たすと出現する特殊なものも存在する。
アーサーが身に着けている鎧。裸状態時に取得すると鎧を再装着して、耐久力が復活する。裸状態時に特定の地点で条件を満たすと出現する隠しアイテムで、入手できる機会は限られる。敵が落とす壺からは出現しない[4]
ボーナス得点アイテム
取得するとアイテムに応じた得点が加算される。マップに配置されているドル袋のほか、敵が落とす壺から出現する石兵、キングなど様々な種類がある。高得点の隠しアイテムでもある弥七(ヤシチ)や、アーケード版では姫の持ち物が得点アイテムとして出現する。
各ステージの最後に居るボスを倒すと出現するアイテム。取得することでステージクリアとなり、次のステージに進めるようになる。入手時に一定ポイント得点が加算され、裸状態だった場合は鎧が復活する。

注釈

  1. ^ 「タイマー壊し」「タイマー破壊」と呼ばれ、時間切れになってミスした(白骨化した)タイミングでアーサーがマジシャンの魔法を受けると、蛙化によって白骨化がキャンセルされてミスが帳消しになるうえ、タイマーは0分0秒の状態から算術オーバーフローを起こして莫大な残り時間となってしまい、以降はタイマーがミスや中間地点到達でリセットされるまで時間切れが実質的に起きなくなるという内容であった。永久パターンも参照。

出典

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  3. ^ a b ザ・ベストゲーム2 1998, p. 95- 「ザ・ベストゲーム」より
  4. ^ a b c d e f g h i j k 『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine』(アンビット、2016年)p34 - p35
  5. ^ a b まさかの新作『帰ってきた 魔界村』。ファミコン『魔界村』の思い出が蘇る!”. 日刊SPA! (2021年2月28日). 2023年3月27日閲覧。
  6. ^ M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』29ページ
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