第17独立戦車旅団 (ウクライナ陸軍)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/05/14 03:52 UTC 版)
| 第17独立戦車旅団 | |
|---|---|
 | |
| 創設 | 1940年8月 |
| 所属政体 |
 ソビエト連邦→  ウクライナ |
| 所属組織 |
 ウクライナ陸軍 |
| 部隊編制単位 | 旅団 |
| 兵科 |
 戦車兵 |
| 兵種/任務/特性 | 装甲部隊 |
| 所在地 | ドニプロペトロウシク州クルィヴィーイ・リーフ |
| 愛称 |
コンスタンチン・ペストシュコ クルィヴィーイ・リーフ |
| 上級単位 | 東部作戦管区 |
| 主な戦歴 |
第二次世界大戦 ドンバス戦争 ロシアのウクライナ侵攻 |
| 指揮官 | ユーリ・コニック中佐 |
概要
第二次世界大戦
1940年8月、第二次世界大戦の影響に伴い、赤軍の第174狙撃師団として、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国（現ロシア）で創設された。
1941年6月から、独ソ戦に投入され、枢軸国に勝利し、赤旗勲章、2等スヴォーロフ勲章、名誉称号「親衛隊」、「クルィヴィーイ・リーフ」を授与され、第20親衛狙撃師団に改称された[1]。
1946年戦後、ルーマニアに移駐し、第25親衛機械化師団に改編された[2]。
冷戦
1957年6月4日、装甲部隊化に伴い、第37親衛戦車師団に改編された[2]。
1958年7月、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国（現ウクライナ）ドニプロペトロウシク州に移駐した[2]。
1965年1月11日、第17親衛戦車師団に改称された[2]。
ウクライナ陸軍
1992年1月1日、ソビエト連邦の崩壊とウクライナの独立に伴い、創設されたウクライナ陸軍に編入し、第6軍団隷下に配属された[2]。
2003年9月1日、部隊縮小に伴い、第17独立親衛戦車旅団に改編された。
ドンバス戦争
2014年8月から、ドンバス戦争に投入され、東部ルハーンシク州、ドネツィク州に配備された。ドンバス戦争では長年の軍縮で部隊が解隊予定だったため、最初の2か月間は中隊戦術群すら編成出来なかった[3]。
2014年10月、1個機械化大隊が新編された第53独立機械化旅団隷下に転属した[4]。
2014年11月、ウクライナ領土防衛大隊の第40クリフバス領土防衛大隊（第40独立自動車化歩兵大隊に改称）が配属された。
2014年12月、1個機械化大隊が新編された第54独立機械化旅団隷下に転属した[5]。
2015年4月、第40独立自動車化歩兵大隊が機械化大隊に改編された[6]。
2016年8月22日、ペトロ・ポロシェンコ大統領の大統領令で、名誉称号「親衛隊」が返上され、第17独立戦車旅団に改称した[7]。
2019年8月22日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、名誉称号「コンスタンチン・ペストシュコ」を授与された[8]。
ロシアのウクライナ侵攻
東部・セベロドネツク戦線
2022年2月24日から、ロシアのウクライナ侵攻では、東部ルハーンシク州セヴェロドネツィク地区に配備されたが、5月上旬にポパスナが陥落した[9]。5月上旬にはビロホリウカでドネツ川渡河作戦中の第74独立親衛自動車化狙撃旅団を待ち伏せして、戦車など80輌を破壊し、団員485人を戦死させ壊滅させた[10]。
東部・マリウポリ戦線
2022年2月24日から、1個戦車大隊が東部ドネツィク州ヴォルノヴァーハ地区に配備されたが、3月中旬にヴォルノヴァーハは陥落した[11]。
2022年3月中旬、1個戦車大隊が東部ドネツィク州マリウポリに再配置され、アゾフマシュ工場を陣地として戦車を喪失した戦車兵や防空兵が歩兵として戦い抵抗したが、4月中旬に徒歩で10日間かけてマリウポリから撤退した[11][12]。
北東部・ハルキウ戦線
2022年4月上旬、1個戦車大隊が北東部ハルキウ州ハルキウ地区に再配置され、ハルキウ守備隊を火力支援し、5月中旬にロシア軍はハルキウから撤退した[13][14][15]。
南部・ヘルソン戦線
2022年10月、1個戦車大隊が南部ヘルソン州ベリスラフ地区に再配置され、第128独立山岳強襲旅団を火力支援し、11月中旬にロシア軍はドニエプル川西岸から撤退した[16][17]。
東部・バフムート戦線
2023年1月、東部ドネツィク州バフムート地区に再配置され、友軍を火力支援している[18]。
編制
旅団司令部（クルィヴィーイ・リーフ）
第1戦車大隊- 第2戦車大隊
- 第3戦車大隊
- 第4戦車大隊
機械化大隊
第1小銃大隊
第2小銃大隊
旅団砲兵群
- 本部中隊
- 第1自走砲大隊
- 第2自走砲大隊
- ロケット砲大隊
防空大隊
工兵大隊- 整備大隊
- 補給大隊
- 偵察中隊
- 電子戦中隊
- 通信中隊
- レーダー中隊
- NBC防護中隊
- 衛生中隊
- ^ 17-та окрема танкова бригада Мілітарний
- ^ a b c d e 第17親衛戦車師団 The Luftwaffe, 1933-45
- ^ Ten years ago, Ukrainian Army was raised on alarm ミリタリー・ランド
- ^ 第53独立機械化旅団に関する12の事実 アーミーFM
- ^ Мешканці Харківщини урочисто зустріли бійців 54 омбр ハルキウ州軍事委員会
- ^ 解散した部隊 Ukrainian Military Pages
- ^ ウクライナ大統領令 No. 344/2016 ウクライナ大統領府
- ^ ウクライナ大統領令 No. 618/2019 ウクライナ大統領府
- ^ “Є люди, які народжені бути воїнами”. Історія загиблого Героя України Віктора Оцерклевича ノヴィナルニア
- ^ Growing evidence of a military disaster on the Donets pierces a pro-Russian bubble. ニューヨーク・タイムズ
- ^ a b “Олег Грудзевич. Командир, який вивів свій підрозділ з окупованого Маріуполя” (ウクライナ語). Главком | Glavcom (2022年8月13日). 2022年8月26日閲覧。
- ^ マリウポリ近郊での戦闘中、クリヴィー・リー出身の軍人が戦車の中で火傷を負った First City TV チャンネル
- ^ Ukraine War, 4–5 April, 2022 トム・クーパー
- ^ T-72s To The Rescue? Ukraine’s 5th Tank Brigade Could Roll Into Battle Any Day Now. フォーブス
- ^ Криворізькі танкісти показали трофейну техніку з Харківщини クルィヴィーイ・リーフのすべて
- ^ ウクライナで最も多忙な戦車旅団は2つの戦線で戦っている フォーブス
- ^ 動画：火囲み歌い踊るヘルソン市民 ウクライナ軍が公開 フランス通信社
- ^ «Техніку треба любити»: бойова історія екіпажу танкістів із 17-ї Криворізької бригади 1クリヴィー・リフ・ニュース
- 1 第17独立戦車旅団 (ウクライナ陸軍)とは
- 2 第17独立戦車旅団 (ウクライナ陸軍)の概要
- 3 2017年編制
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