第二種運転免許
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 01:27 UTC 版)
試験
乗客の生命を預かるという観点から特に運転免許試験場においての技能試験(いわゆる一発試験)の合否採点基準は第一種免許に比べて非常に厳しく、合格率はおおよそ10%程度である。さらに初受験で合格する確率は極めて低いとされる。
試験科目
- 適性試験
-
- 視力
- 色彩能力
- 深視力
- 聴力
- 運動能力
- 大型自動車、中型自動車、準中型自動車、およびけん引と同じく、全ての第二種免許において、片目それぞれ0.5以上かつ両目0.8以上へと普通免許や大型特殊免許と比べて基準がやや高くなる。さらに、深視力という立体視における遠近感、立体感を測る視力検査が行われ、3回の検査のうち平均誤差2cm以下でなければならない。これらは全て大型自動車、中型自動車、準中型自動車、およびけん引の第一種免許と合格基準は同じ。
- 乗客との会話をする関係上、従前は補聴器等の使用はできなかったが、2016年4月1日からは、使用が認められるようになった。
- 学科試験
- 他の第二種免許を取得している場合は免除される。
- マークシート95問(文章問題90問、イラスト問題5問)。合格は90点以上。一種に比べ応用問題が多く、難易度も高い。二種運転免許に関わる運転区分に関する問題も多く出題される。
- 技能試験
- 基本的には指定自動車教習所で行う卒業検定と同じである。また、学科・技能ともに第一種免許に比べ、旅客の生命を預かり、公共の保安を担う意味において、特に技能試験における合格点(80点以上[注釈 9])をはじめ、採点内容の基準(アクセル、ブレーキの踏み方、ハンドルの切り方)などが非常に厳しくなっている。一種免許には課されない鋭角(Λ字型カーブ)の通過もある。技能試験の試験車に関しては、大型第二種用車は車長11mで乗車定員30人以上のバス型の車両、中型第二種用車は車長9mで乗車定員29人以下のバス型の車両[注釈 10]で行われる。普通自動車第二種免許は普通自動車第一種免許と同じ車両で行われる。また、大型特殊自動車第二種免許及びけん引第二種免許は、それぞれの第一種免許と同じ車両・同じコース(埼玉県・鹿児島県を除く)[注釈 11]で行なわれる。
大型特殊二種・けん引二種
大型特殊自動車第二種免許およびけん引第二種免許については道路交通法施行規則に教習に関する規定が無く、指定自動車教習所での教習や技能検定は行われていない。そのため、運転免許試験場においての技能試験(一発試験)に合格しなければ取得できない。
注釈
- ^ 旅客自動車運送事業(他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客(他人)を運送する事業)
- ^ a b c d 旅客自動車運送事業(他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送する事業)の用に供される自動車を、旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転する
- ^ a b 2004年6月1日以降、普通二種免許、中型二種免許または大型二種免許が必須となった。改正道路交通法の施行は2002年6月1日だが、第二種運転免許の義務化(無免許運転として検挙対象となる)は2年間の猶予期間が設けられていた。
- ^ アメリカ合衆国による沖縄統治下でも同様であった。1964年3月3日から琉球道路交通法により施行。
- ^ 業として他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して旅客を運送している場合は、一定の例外(自家用有償旅客運送:道路運送法第78条第2号など)を除いて旅客自動車運送事業に該当するため、白タク行為として道路運送法違反で摘発されると共に、業として運送した運転者は第二種免許を受けていない限り無免許運転で検挙されることになる。
- ^ ただし、道路交通法令では「牽引」となっている
- ^ 「けん引」は第84条第4項に基づく略称ではないが「牽」が常用漢字でないため広く用いられる。
- ^ a b 「運転者以外の乗務員として旅客自動車に乗務した経験が2年以上ある」、「自衛官が自衛隊用自動車を運転した経験が2年以上ある」などの場合が該当する
- ^ 第一種免許、普通仮免許の場合は70点以上、大型仮免許、中型仮免許は60点以上となっている。
- ^ 2006年6月以前の旧制度における当時の大型第二種用車である。
- ^ 埼玉県はコースが分けられており、二種は左折が多く難易度の高いコースとなっている。また鹿児島県でもコースは分かれており一種よりも右左折が多く試験距離も長く難易度は高くなっている。
出典
第二種運転免許と同じ種類の言葉
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