神戸市バス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 00:00 UTC 版)
概要
神戸市の広域に路線を持ち、単独運行路線のほかに山陽バス・神姫バス・阪急バスと共同運行を行っている路線がある。なお、垂水区の大部分は山陽バスが、北区南部の大部分は阪急バスが、北区北部と西区の大部分は神姫バスがそれぞれ主として運行を行っている。これは、戦後市域を拡張した際に、このエリアが先行して民営バスの営業エリアとなっていたことによるものである。交通局では、市域拡張の際にこれらのエリアにもバス路線を開設したが、近年、赤字経営が続いていた神戸市交通局・市営バス事業の経営改善策の一環として、一部路線(主に、垂水区・西区から、明石駅[注 2]・西明石駅・大久保駅に乗り入れていた路線)を神姫バスや山陽バスに譲渡した結果、現在の営業エリアとなっている(この結果、明石市内への乗り入れは明舞線[注 3]の一部区間のみとなった)(明石市に近いバス停と芦屋市に近いバス停はある)
近年、市バス事業および交通局全体の赤字経営体質や累積赤字の増加などが問題となっていることから、様々な経営改善策を実施している。前述の神姫バスや山陽バスへの路線譲渡のほかに、不採算路線の減便・廃止や一部営業所の民間への運営委託などによるコスト削減、小型バスを用いたコミュニティ路線の開設による新たな需要の開拓や、市バス停留所の副呼称の命名権売却(例えば「鷹取町(マルアイ前)」の場合、年間36万円で3年契約を結んでいる[2]。)などによる収入確保が、経営改善策の主な柱となっている。
2009年3月の新聞報道によれば、神戸市バスの運転手の平均年収は980万円であり、「バス事業の累積赤字の拡大も人件費の掛かり過ぎによる一因ではないか」と指摘する声もある。 2014年度の平均年収は800万円程度に落ち着いたが、これは平成20年度以降に新規採用された職員のみに20%の給与カットを実施しており人件費削減に一定の成果が出た結果である。
注釈
- ^ 神戸交通労働組合が制作し、南かおりが命名した。
- ^ かつて明石駅まで乗り入れていた時代には、オリックス・ブルーウェーブの公式戦開催日にグリーンスタジアム神戸までの直行バスが運行されていたことがある。
- ^ JR朝霧駅から伊川谷高校前を結ぶ55系統と、神戸市営地下鉄・伊川谷駅とを結ぶ58系統。
- ^ 明石駅及び大久保駅には神戸市バスのほかに明石市バスも乗り入れていたが、こちらも2012年に事業が廃止されて路線も神姫バスに移管された。
- ^ 「昼間時」とは9時30分から16時の間のことを指す。降車時間がこの時間帯に該当する際に、昼間専用カードが利用可能である。なお、他事業者の昼間用乗車券は休日に限り終日利用可能のところが多いが、神戸市バスでは休日であっても利用時間帯は9時30分~16時となっている。
- ^ なお、「市バス昼間専用カード」のうち4,000円券のみについては、普通区専用とされているので留意されたい。
- ^ 新規の発売は中止されたものの、既に購入していたり出回っているカードについては引き続き利用が可能であった。
- ^ 市バスでも利用可能になったのは1997年4月1日からで、それまでは地下鉄専用だった。
- ^ 担当する路線は全て民間事業者に移譲され、神姫バスと共同運行している路線については神姫バスに、阪急バスと共同運行している路線も含めた残りの路線は阪急バスに移管した。
- ^ 桜口は現在の灘区役所前付近で、開業当時の神戸市街地のほぼ東端。当時は、現在の東灘区は神戸市ではなかった。
- ^ 1977年に急行1系統は大幅に区間短縮され、2001年の廃止時は、石屋川 - 阪急春日野道 - 三宮 - メリケンパークの運行であった。急行1系統として運転をはじめたのは1947年である。
- ^ 須磨の旧街区(離宮道)と多井畑厄神とを結ぶ、いわゆる参拝路線として1930年に7系統が開設された。これが現在の71系統の原型である。
- ^ 開設当初は、いすゞ・三菱ふそうが混在していた。
- ^ 東部・西部地区ごとの入札の例[22]では、本入札制度の最終年度となった2007年度入札の結果を公表したものである。なお、この年は東部車庫配備分につき、入札がその1とその2の2回に分けられている。
- ^ 東部地区に含まれるのは、魚崎・石屋川・中央・松原の4営業所、西部地区に含まれるのは落合・垂水・西神の3営業所である。なお、2005年に廃止された須磨営業所は、廃止されるまでは西部地区に属していた。また、従来は中央営業所に属していた有野操車場は、2004年4月1日に営業所に昇格し独立している。
- ^ 小型車は日野・ポンチョが、水素バスはトヨタ・SORAが導入された。
- ^ 公式には「深緑色」(ローン・グリーン)と説明されている。[24]
- ^ いすゞ・日野については3桁のみ表示。
- ^ ただし、CNG車両についてはガスタンクの期限の関係から14年程度で代替される。その一方で、大型ワンステップバスについては、製造しているメーカーが少なく(2022年現在、国内で製造しているワンステップバスは三菱ふそう・エアロスターのみである)、新車への代替が比較的難しいため、製造から20年以上が経過しても今なお現役の車両が存在する。
出典
- ^ “マスコットキャラクターの使用ガイドライン”. 神戸市交通局. 神戸市 (2021年10月1日). 2023年10月18日閲覧。
- ^ 地方の資産・債務改革について (PDF) (総務省自治財政局)、2007年2月26日
- ^ a b c 『神戸市交通局』 p.25
- ^ a b c d e 『神戸市交通局』 p.26
- ^ a b c d 『神戸市交通局』 p.27
- ^ a b c 『神戸市交通局』 p.28
- ^ a b 『神戸市交通局』 p.29
- ^ a b c 『神戸市交通局』 p.30
- ^ a b c d e f g 『神戸市交通局』 p.31
- ^ 『神戸市交通局』 p.32
- ^ a b c d e f g 『神戸市交通局』 p.33
- ^ 「日本を走るDouble-decker」『クラリオンバス機器ニュース別冊・情報編』第5号、1981年3月1日、15頁。
- ^ a b c d e 『神戸市交通局』 p.35
- ^ a b c 『神戸市交通局』 p.36
- ^ a b c d e 『神戸市交通局』 p.37
- ^ a b 『神戸市交通局』 p.38
- ^ “市バス専用カード等の利用終了と払戻し”. 神戸市 (2021年10月1日). 2023年10月18日閲覧。
- ^ “高額磁気カードの発売中止について”. 神戸市. 2010年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月18日閲覧。
- ^ 『ICOCAおよびICOCA定期券の発売開始ならびに新たなICカードサービスの開始について』(プレスリリース)神戸市、2017年2月3日。 オリジナルの2017年2月4日時点におけるアーカイブ 。
- ^ 神戸市保健福祉局「敬老優待乗車制度検討懇話会報告書」 (PDF) [リンク切れ]
- ^ 『神戸市交通局』 p.40
- ^ “物品等 入札結果 (平成19年7月4日開札分)”. 神戸市 (2007年8月13日). 2014年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月18日閲覧。
- ^ “物品等 入札結果 (平成23年7月29日開札分)”. 神戸市 (2011年12月13日). 2014年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月18日閲覧。
- ^ a b c “市バスのデザイン”. 神戸市交通局. 神戸市. 2023年10月18日閲覧。
- ^ a b 『神戸市交通局』 p.42
- ^ a b c d 『神戸市交通局』 p.41
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