物集高見 物集邸

物集高見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 22:14 UTC 版)

物集邸

文京区千駄木にあった物集邸は敷地1200坪に部屋数が二十室もあり、周囲から「団子坂御殿」と呼ばれていた[6]青鞜の事務所も物集邸内にあったため、現在「青鞜発祥の地」の史跡板が立っている[8]北区西ケ原に別荘も持っていた[6]。いずれも1915年の競売で手放した。

栄典

著作

高見の著述は多数に及ぶが、未刊行のものについては、主として『物集高見全集』(全5巻、1934年~35年)にまとめられている[1]。以下は筧五百里「物集高見博士系図年譜及び著作目録[10]」より。

  • 『道の莠』明治3年(1870年)刊
  • 『初學日本文典』明治11年(1878年)刊
  • 『日本小文典』明治16年(1883年)刊
  • 『かなのしをり』明治17年(1884年)刊
  • 『詞遺の栞』明治17年(1884年)刊
  • 『てにをは教科書』明治18年(1885年)刊
  • 『かなづかひ教科書』明治18年(1885年)刊
  • 『日本文明史略』九巻、明治18年(1885年)刊
  • 『よゝのあと』明治18年(1885年)刊
  • 『言文一致』明治19年(1886年)刊
  • 『日本大辞書ことばのはやし』明治21年(1888年)刊
  • 『日本大辞林』明治27年(1894年)刊
  • 『標柱よつぎのうた』明治29年(1896年)刊
  • 『新撰国文中学読本』十冊、明治30年(1897年)刊
  • 『日本の人』明治32年(1899年)刊
  • 『修訂日本文明史略』明治35年(1902年)刊
  • 『勅語逢原』明治44年(1911年)刊
  • 『勅語逢原演義』明治44年(1911年)刊
  • 『廣文庫』二十冊、大正5年(1916年) - 大正7年(1918年)刊
  • 『群書索引』三冊、大正5年(1916年)刊
  • 『國體新論』大正8年(1919年)刊
  • 『済時危言』大正11年(1922年)刊
  • 『詠史抄』大正11年(1922年)刊
  • 『源氏物語提要』大正12年(1923年)刊
  • 『和歌抄』大正12年(1923年)刊
  • 『忠孝譜』大正14年(1925年)刊
  • 『人界の奇異・神界の幽事』大正14年10月・嵩山房刊
  • 『百人一首山彦抄』大正14年(1925年)刊
  • 『皇學叢書』十二巻、昭和2年(1927年)

脚注


注釈

  1. ^ 以後3年間は玉松操の塾にて学んだ[2]
  2. ^ とりわけ『源氏物語』の解釈に定評があった[4]
  3. ^ 背景には、門人上田万年との文学論争をきっかけとする、上田とその弟子たちによる追い出し工作があったとされている[5]。高見はこのことを深く恨み、息子の高量に向かって「上田の家は小石川伝通院にあるが、決してその前を通ってはならぬ」と命じていた。辞職直後は、乱れた心を鎮めるため、自宅で習字ばかりしていたとも伝えられている。

出典

  1. ^ a b c d e 山東功 2016, p. 92.
  2. ^ a b 清原宣雄 & 米田貞一 1977.
  3. ^ 物集高量 1979, p. 152.
  4. ^ 山東功 2016, p. 93.
  5. ^ 山東功 2016, p. 94.
  6. ^ a b c 「ロマンを追って─元大分市長上田保物語─」中川郁二、大分合同新聞社、2003
  7. ^ 84才、一人暮らし。ああ、快適なり<第6回 好色のすすめ>2019.04.02
  8. ^ 団子坂物語「谷中 根津 千駄木」8号 1986年6月20日
  9. ^ 『官報』第907号「賞勲叙任」1886年7月10日。
  10. ^ 國語と國文學』第5巻10号、1928年。


「物集高見」の続きの解説一覧




物集高見と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「物集高見」の関連用語

物集高見のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



物集高見のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの物集高見 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS