熱帯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/26 05:46 UTC 版)
気候区
熱帯気候には4つ(但しAs気候の分布地域はごく限られているため事実上3つ)の気候区が含まれており、気候区の違いは降水量により規定される。
- 熱帯雨林気候 (Af):[8] 12ヶ月の平均降水量が60mm以上の地域。この気候は通常赤道から緯度5-10°内に含まれているが、複数の東海岸地域では、赤道から25°離れた地域に分布している。この気候地域には1年を通して低気圧が停滞しているため、自然の四季は存在しない。
- 熱帯モンスーン気候 (Am):[8] この気候は南アメリカと中央アメリカで一般的であり、季節区分はモンスーンの影響を大きく受けている。この気候は月間最小降水量 (赤道付近の地域では冬至付近にこの時期が訪れる) が60mm未満、かつ(100-0.04×年間降水量)mm以上の地域である。その定義上、年間降水量は1,000mmを超える。2,500mm以上であれば月間最小降水量が0mmであっても該当する。
- サバナ気候 (Aw):[8] この気候は通常、上2つと比べると乾燥した地域であり、12ヶ月の月間最小降水量が60mm未満、かつ(100-0.04×年間降水量)mm未満の地域である。年間降水量が1,000mmを割っていることもある。
- このほか、現実にはほとんどみられないが熱帯夏季少雨気候 (As)もある[9]。ただ、植生面ではサバナ気候とほとんど変わらないため、広義ではサバナ気候に含まれる。
気をつけたいのは、緯度による区分で定義された熱帯に属する場所が必ずしも熱帯気候では無いということである。例として、サハラ砂漠がある。逆に、ケニア山は熱帯にあるがその山頂は気温が低い。しかし、熱帯に属する低地では、気温における季節変化はほとんどない。なお、Amのmはモンスーンのmではなく、ドイツ語の「mittelform」(中間)のmである。
- ^ a b 矢澤(1989):352ページ
- ^ Historical Weather for Bandung, Indonesia. Weatherbase.com. 2022年1月27日閲覧.
- ^ a b c d 『日本気候表 全国の平年値一覧(統計期間1971~2000年)』気象庁 2001年
- ^ 沖ノ鳥島における海上気象観測,日本気象学会機関誌「天気」49巻(2002年)p.569-575
- ^ a b 地域気象観測(アメダス)平年値表 CD-ROM
- ^ 気象庁|月ごとの平年値(宮古島)
- ^ http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052500185/?ST=m_news
- ^ a b c McKnight, Tom L; Hess, Darrel (2000). “Climate Zones and Types: The Köppen System”. Physical Geography: A Landscape Appreciation. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall. pp. 205–211. ISBN 0-13-020263-0
- ^ 気候区分 キコウクブン コトバンク、2017年12月10日閲覧
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