無断リンク 類似のリンク問題

無断リンク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/05 13:45 UTC 版)

類似のリンク問題

リンクする場合に法律上制限はされていないが、特定のリンク方法の場合(直リンク、ディープリンク)、著作権上問題が発生する可能性がある。

直リンク

直リンク(ホットリンク)と呼ばれるHTML文書やXHTML文書以外のwmvswfjpegなどの画像や動画ファイル、音楽ファイルに対して<img>などの埋め込み型のタグによりリンクを張る行為や<iframe>タグを使用して、被リンク側サイトのHTML文書を自サイトの一部であるかのように見せかけるような行為が問題視されている。このような場合、リンク元のページを表示するたびにリンク先のサーバの資源を使用することになるほか、リンク元のページの一部として表示されるため著作権法上の問題が発生する可能性がある。また、上述した被リンク側の利点であるサイトの宣伝等にもならない。しかし、この問題はWebサーバの設定など、技術的対応策によって被リンク側である程度の対策を行うことができる。なお、相手に断った上で相手のウェブスペース内のバナーを<img>タグで自らのサイトの外部リンク用ページに表示させるなど、無断リンクでない直リンクというものはありうる。

ディープリンク

無断リンク禁止と類似の考えでディープリンクと呼ばれるトップページ以外へのリンクを禁止するという考え方がある。こちらは海外でも問題が起きており、著作権を問題にした裁判などが行われていた[34]。現状では無断リンクの禁止と同様、法的根拠や明確な強制力はない。最近ではディープリンク議論は収束傾向にあり、裁判などの報道も減っている。

リンク問題に対する現在の状況と傾向

現状では、大手検索エンジンの検索結果や、画像検索や音声ファイル検索、動画検索などからも分かるように、メディアファイル等へ直接のリンクであっても法的に問題になる可能性は低い。いずれの問題も、サーバーの設定やrobots.txtなどを利用することでサイト運営者が制御することができるため、これらの技術の一般化によって徐々にリンク問題に関する裁判のニュースや、リンク問題自体のメディアへの露出は減っている。また、ブログなどのWebサービスなどに依存して文章や写真をアップロードする場合、ブログ運営側の条件に同意して利用しているため、ブログ運営側によってこれらの問題が表面化しにくくなっているという事も考えられる[35]


注釈

  1. ^ 論文がだれでも利用可能なものとして提供され(公開性・公共性)、第三者がそれを参照することによって引用元の固有名のオリジナリティが強化されるという形になっており、自分の論文が参照されることを嫌う研究者がいるということはあまり考えられない。
  2. ^ この設計により、リンク先のWebサイトの管理者は、HTTPリファラを使ってもどこからリンクされたのか正確にはわからなくなる(2ちゃんねる内のどこかからリンクされたということまではわかる)。

出典

  1. ^ a b c d e f 谷川和幸「欧州司法裁判所の「新しい公衆」論について(1)」『知的財産法政策学研究』第53巻、北海道大学情報法政策学研究センター、2019年3月、109-135頁、ISSN 1880-2982NAID 1200066009772021年8月25日閲覧 
  2. ^ デジタル大辞泉『リンクフリー』 - コトバンク
  3. ^ リンクフリーとは IT用語辞典 e-Words
  4. ^ ティム・バーナーズ=リーの発言
  5. ^ 東北大学のページにあるティム・バーナーズ=リーの発言翻訳
  6. ^ リンクに許可は不要です
    Q 無断で(管理者に連絡や許可申請をせずに)リンクを張ることは著作権侵害となるでしょうか。
  7. ^ a b c 青弓社編集部『情報は誰のものか?』、2004、95頁。
  8. ^ a b 青弓社編集部『情報は誰のものか?』、2004、96-97頁。
  9. ^ a b 青弓社編集部『情報は誰のものか?』、2004、96頁。
  10. ^ 「電子商取引等に関する準則」の改訂・公表について
  11. ^ 電子商取引及び情報財取引等に関する準則 経済産業省、2011.6.27、[1]PDF P.7-14、
  12. ^ リンクの取り扱い - 財団法人インターネット協会
  13. ^ 高木浩光「蔓延るダメアーキテクチャ」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』 河出書房新社、2010年、278-279頁。ISBN 978-4309244426
  14. ^ 松谷創一郎「ネットでの儀礼的無関心の可能性」TRiCK FiSH blog.(2003年11月30日)
  15. ^ 北田暁大 『“意味”への抗い―メディエーションの文化政治学』 せりか書房、2004年、184-185頁。ISBN 978-4796702560
  16. ^ 「蔓延るダメアーキテクチャ」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』281頁。
  17. ^ 「蔓延るダメアーキテクチャ」『ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇』281-282頁。
  18. ^ 中西渉「事例32 リンクを張られたくなくても拒否できない」『子どもたちのインターネット事件―親子で学ぶ情報モラル』東京書籍、2006年、126頁。ISBN 978-4487801213
  19. ^ 『“意味”への抗い―メディエーションの文化政治学』187頁・197-199頁。
  20. ^ 『“意味”への抗い―メディエーションの文化政治学』199-201頁。
  21. ^ 濱野智史 『アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか』 エヌ・ティ・ティ出版、2008年、130-132頁。ISBN 978-4757102453
  22. ^ 『アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか』132-133頁。
  23. ^ サイトのご利用にあたって”. 東京電力ホールディングス. 2018年3月7日閲覧。
  24. ^ いなべ市ホームページリンク設定事務等取扱要綱
  25. ^ リンク設定について - 2003年10月8日時点のインターネットアーカイブ
  26. ^ リンク設定について - 2004年2月4日時点のインターネットアーカイブ
  27. ^ アクセシビリティ・リンク・お問合せ先について”. 衆議院. 2015年6月閲覧。
  28. ^ 文化庁
  29. ^ 特許庁
  30. ^ このサイトについて”. 慶應義塾大学. 2010年3月6日閲覧。
  31. ^ 著作権法学会
  32. ^ リンク・著作権について”. 日本赤十字社. 2020年10月5日閲覧。
  33. ^ Don't Give Me That "Permission to Link" Crap!
  34. ^ ニュース検索エンジンのNewsboosterにリンク禁止の仮命令
  35. ^ リンク問題ニュース


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