海の彼方に (X-ファイルのエピソード) 海の彼方に (X-ファイルのエピソード)の概要

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海の彼方に (X-ファイルのエピソード)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 13:14 UTC 版)

海の彼方に
X-ファイル』のエピソード
話数シーズン1
第13話
監督デヴィッド・ナッター
脚本グレン・モーガン
ジェームズ・ウォン
作品番号1X12
初放送日1994年1月7日
エピソード前次回
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性を曲げるもの
X-ファイル シーズン1
X-ファイルのエピソード一覧

スタッフ

キャスト

レギュラー

ゲスト

  • ブラッド・ドゥーリフ - ルーサー・リー・ボッグス
  • ドン・S・デイヴィス - ウィリアム・スカリー
  • シーラ・ラーケン - マーガレット・スカリー
  • ローレンス・キング=フィリップス - ルーカス・ジャクソン・ヘンリー
  • フレッド・ヘンダーソン - トーマス捜査官
  • ドン・マッケイ - ジョセフ・キャッシュ
  • リサ・ブルタッジョ - リズ・ホーリー
  • チャド・ウィレット - ジム・サマーズ

ストーリー

スカリーは、父親ウィリアムと母親マーガレットの2人を自宅に招いて楽しいひと時を過ごした。2人が帰るとすぐに、スカリーはソファで寝てしまった。スカリーが目を覚ますと、目の前の椅子にウィリアムが座っていた。ウィリアムはスカリーに何か語り掛けているようだったが、スカリーはそれを聞き取ることができなかった。スカリーは鳴り出した電話に目を移した後、もう一度イスに目を向けるとそこにウィリアムの姿はなかった。スカリーはマーガレットからウィリアムが心臓発作で亡くなったことを知らされる。

ノースカロライナ州ローリー。警官に変装した男が若いカップルを誘拐した。その数日後、モルダーとスカリーはその事件について話し合っていた。モルダーはその誘拐事件が連続誘拐犯による仕業で、その推測が正しいならば、カップルは数日のうちに殺されると考えた。また、数年前にモルダーが逮捕に関わった連続殺人犯、ルーサー・リー・ボッグスから死刑撤回と引き換えに自身の霊能力を使って誘拐事件の捜査に協力するとの申し出があった。モルダーはいつもと違ってルーサーの霊能力を疑ってかかっていた。

2人は刑務所に収容されているボッグスの元を訪れた。モルダーが誘拐事件に関連する物をボッグスに渡すと、それを介してボッグスは誘拐されたカップルの状態を詳細に霊視した。しかし、モルダーが渡したのは自分のTシャツの切れ端だった。モルダーはボッグスが嘘をついていると判断し、2人は刑務所を去ろうとした。そのとき、スカリーがふとボッグスの方を振り返ると、そこに父親の幻影を見た。その幻影はウィリアムの葬式で流れた『ビヨンド・ザ・シー』を口ずさんでいた。しかしスカリーはそのことをモルダーに言わなかった。2人はボッグスが死刑を回避するために何者かと組んで誘拐事件を起こした可能性について議論した。2人はカップルが見つかったという内容の偽の新聞記事をボッグスに渡した。それを見たボッグスが外部の共犯者と連絡を取るように仕向けるためである。ところが、ボッグスは偽の新聞記事には引っ掛からなかった。その一方で、ボッグスは2人に誘拐事件に関する曖昧なヒントを与えた。ボッグスのヒントに従ったスカリーはある倉庫を調べた。すると、カップルがある時点までその倉庫に拘禁されていた証拠が見つかった。モルダーは数人の捜査官を引き連れ、誘拐犯がカップルを監禁しているボート小屋に突入した。女性は助かったが、モルダーは誘拐犯に撃たれてしまい、誘拐犯は男性を連れて逃走した。

ボッグスが誘拐事件に関与している可能性を考慮して、刑務官たちはボッグスに対して優しく振る舞っていた。ボッグスはスカリーに自分ならウィリアムと交信できるという。ボッグスは「もし君が自分の死刑に立ち会ってくれるのなら、君の父親の最後のメッセージを伝えよう」とスカリーに持ち掛けてきた。さらに、ボッグスは誘拐犯が今いる場所に関する情報もスカリーに伝えた。その時ボッグスは「悪魔を避けるように」とスカリーに忠告した。スカリーは数人の捜査官を引き連れ、ボッグスから聞いたビール工場に突入し、誘拐されていた男性を救出することができた。スカリーは逃走した誘拐犯を追ったが、犯人がビール工場のロゴ(悪魔が描かれている)が張ってある足場へ逃げ込んだため、スカリーはボッグスの忠告を思い出してそこで立ち止まった。その足場に足を踏み入れたとき、床が抜けて犯人は転落死した。

ボッグスは死刑を執行する部屋へと連れていかれた。そこにスカリーの姿はなかった。ボッグスが刑場へ向かう途中に、自分が殺した人間達の霊を見え、彼の霊能力が本物だったことが明かされる。スカリーが入院中のモルダーの元を尋ねると、怪我は治っていた。モルダーは「なぜボッグスを介して、亡くなったお父さんの最期の言葉を聞かなかったんだい」とスカリーに訊いた。それに対しスカリーは「何も聞く必要はなかったの。父が何を言いたかったかぐらいはわかるわ。娘なのだから。」と答える[1]

製作

シリーズ開始直後からスカリーというキャラクターの掘り下げが足りないという批判があり、脚本担当のグレン・モーガンとジェームズ・ウォンはその批判を受けて本エピソードを執筆した。ウォンは「ジリアン・アンダーソンは女優としての才能をもっと視聴者に見せる必要があった。『海の彼方に』こそ『スカリーは超常現象なぞ信じない』という固定観念を打ち破る絶好の機会だった。スカリーは今まで懐疑主義者でしかなかったが、その枠を超えてキャラクターとして深みを持たせる必要があったんだ。」と振り返っている。ただし、スカリーが霊能者を信じるというアイデアに対してFOXの重役は反対したが、クリス・カーターの説得でそのアイデアを実現することができた[2]

モーガンとウォンはルーサー・リー・ボッグスに映画界の名優、ブラッド・ドゥーリフを起用しようとしたが、そのギャラの高さ故に反対の声が大きかった。そこで、カーターは感謝祭の日のディナーに20世紀フォックスの会長、ピーター・ロスを招待し、ドゥーリフを起用できないかと相談した。その結果、ドゥーリフの起用が認められた[3]。 ドゥーリフには準備のための期間として4日間しかなかった。そのため、ドゥーリフは『X-ファイル』への出演を取りやめようとしたが、製作スタッフがさらに1週間の準備期間を設けたため、依頼を受けることにした[4]。ドゥーリフは役に入り込む前に深呼吸を行うことで、顔色を紫がかった色にしていたという[4]


  1. ^ Lowry (1995), pp. 130–131
  2. ^ Vitaris, Paula (December 1995). "X-Writers". Starlog. The Brooklyn Company, Inc. Archived from the original on March 27, 2006. Retrieved July 21, 2013.
  3. ^ a b c d Edwards (1997), pp. 59–60
  4. ^ a b Carter, Chris. (1994). "Chris Carter talks about 12 of his favorite episodes from Season: Beyond the Sea". Fox Home Entertainment.
  5. ^ a b Lovece (1996), p. 78
  6. ^ Chris Carter (director); Chris Carter & Frank Spotnitz (writers). "I Want to Believe". The X-Files. Episode 2. Fox.
  7. ^ Cornell, Day & Topping (1997), p. 60
  8. ^ Kubek, Elizabeth in Lavery et al. (1996), pp. 181–182
  9. ^ Delsara (2000), p. 46
  10. ^ Jagodzinski, Jan; Hipfl, Brigitte (May 2001), "Youth Fantasies: Reading "The X-Files" Psychoanalytically", Studies in Media & Information Literacy Education (University of Toronto Press) 1 (2): 1–14, doi:10.3138/sim.1.2.002
  11. ^ Kowalski (2007), p. 132
  12. ^ a b c Delsara (2000), pp. 118–119
  13. ^ Malach, Michele in Lavery et al. (1996), p. 72
  14. ^ Bellon, Joe (1999), "The Strange Discourse of The X-Files: What it is, What it Does, and What is at Stake", Critical Studies in Media Communication 16 (2): 151, doi:10.1080/15295039909367083
  15. ^ Kowalski (2007), p. 130
  16. ^ Helford (2000), p. 71
  17. ^ a b Delsara (2000), p. 10
  18. ^ Mizejewski (2004), p. 101
  19. ^ a b Wilcox, Rhonda & Williams, J. P. in Lavery et al. (1996), pp. 102–103
  20. ^ http://anythingkiss.com/pi_feedback_challenge/Ratings/19931129-19940227_TVRatings.pdf#page=6[リンク切れ]
  21. ^ Lowry (1995), p. 248
  22. ^ Farrand (1997), p. 223
  23. ^ A look back on some of the best stand-alone episodes from the X-Files series”. 2015年10月28日閲覧。
  24. ^ A look back at 'The X-Files' greatest monsters”. 2015年10月29日閲覧。
  25. ^ "IGN's 10 Favourite X-Files Standalone Episodes - TV Feature at IGN".”. 2015年10月29日閲覧。
  26. ^ The X-Files: “Beyond The Sea”/ “Gender Bender”/ “Lazurus"”. 2015年10月29日閲覧。


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