水晶振動子 種類

水晶振動子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 23:53 UTC 版)

種類

X軸から見た切り出しの角度
水晶の切出しの種類
ATカット(もしくは、R1カット)
現在でも広く製造されている切断角度(X軸に平行でZ軸から35°15′)。周波数温度特性がよく、発振が安定していることが特徴。1933年に古賀逸策博士と高木昇博士らによって発明された。
共振周波数:f=1.67n/t[MHz/mm]となる(n=オーバートーン次数、t=厚み(単位:㎜))[2][3][4]
SCカット(stress compensated-cut)
ATカットで問題となっていた急激な温度変化によって引き起こされる周波数変動(熱衝撃特性)防止目的で製造された[5]
BTカット
z軸に-49°で切り出した素子。ATカットに比べ温度特性精度が劣るため,現在ではあまり使われない[6]
その他、CTカット、DTカットなどがある
パッケージの種類
ASICCPUのような同期回路のパッケージでは発振回路を内蔵し、水晶振動子を接続するだけで使用できるようにしているものが多い。精度を補償するために内部のEEPROMなどに補正値を保存できるようにしているチップもある。
時計用のRTCモジュールなど、特に精度が要求される用途には、単独の水晶振動子ではなく、発振回路と共に一つのパッケージに組み込み、電源を接続すれば出力信号が得られるクロック・モジュールが使用されることもある。
水晶振動子の発振周波数は温度への依存性が強く、精度を制限する要因となる。対策としてパッケージ内の発振回路に温度センサを組み込んで周波数を補正したり、水晶振動子や発振回路を恒温槽に格納して温度変化を防ぐことにより精度を上げることができる。水晶発振器を実装する恒温槽をオーブンと呼ぶ。
TCXO (Temperature-compensated crystal Oscillator)
温度補償型水晶発振器
VCTCXO (Voltage Controlled Temperature Compensated crystal Oscillator)
アナログ電圧で振動周波数を制御できる温度補償型水晶発振器
DTCXO (Digital Temperature Compensated crystal Oscillator)
デジタル型温度補償発振器
ATCXO (Analog Temperature Controlled crystal Oscillator)
アナログ型温度補償発振器
VCXO (Voltage-Controlled crystal Oscillator)
電圧制御水晶発振器
TCVCXO (Temperature-Compensated Voltage-Controlled crystal Oscillator)
温度補償型電圧制御水晶発振器
OCXO (Oven-Controlled crystal Oscillator)
恒温槽付水晶発振器
OCVCXO (Oven-Controlled Voltage-Controlled crystal Oscillator)
恒温槽付電圧制御水晶発振器
RbXO (Rubidium crystal Oscillators)
消費電力を抑えるためにルビジウム発振器と時々同期を取るようにした水晶発振器
MCXO (Microcomputer-Compensated crystal Oscillator)
マイコン補償水晶発振器
TSXO (Temperature-Sensing crystal Oscillator)
CDXO (Calibrated Dual crystal Oscillator)

  1. ^ デジタル回路を指揮する小さな時計(クロック)
  2. ^ 図解入門よくわかる最新電波と周波数の基本と仕組み[第2版] 96p
  3. ^ これだけ!電波と周波数 著者: 吉村和昭、倉持内武 205p
  4. ^ Interfacial Electrochemistry: Theory: Experiment, and Applications 著者: Andrzej Wieckowski 600p
  5. ^ 図解入門よくわかる最新電波と周波数の基本と仕組み[第2版] 107p
  6. ^ Design Wave Magazine 2007 February 105p
  7. ^ 圧電体薄膜を用いた圧力センサーの開発(AIST:産業技術総合研究所






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