殺意 (松本清張) 殺意 (松本清張)の概要

殺意 (松本清張)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/28 05:55 UTC 版)

殺意
作者 松本清張
日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
推理小説
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出小説新潮』 1956年4月号
出版元 新潮社
刊本情報
収録
出版元 大日本雄弁会講談社
出版年月日 1956年10月
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過去4度テレビドラマ化されている。

あらすじ

営業部長・磯野孝治郎は、青酸カリを飲み、部長室の机の上にうつぶせになって死んでいた。自殺を推定する材料はない。狭心症持病を持つ磯野は、製薬会社の見本薬を飲もうとしていた。見本薬の入手経路などから容疑者が浮上するが、その人物に動機が見当たらない上、そもそも石のように堅いその見本薬に、途中で青酸カリを混入する手段があるだろうか?

エピソード

  • 1964年に著者は「『殺意』は、はっきり推理小説にはいって書きはじめたもので、一種の倒叙ものである」「題材は今ではもう珍しくもなくなっている会社内の出世競争だが、それまでのいわゆる探偵小説にはこういうモチーフはあまり使われていなかった。殺人の動機を平凡な日常生活に求め、そこから犯罪を書いてみたいという気持は前からあったのである」と記している[1]
  • 日本近代文学研究者の吉野泰平は、1955年2月に坂口安吾が没した後、『小説新潮』誌上でミステリを期待する読者の声が高まり、大岡昇平が最初に登場するが不評に終わり、続いて清張が本作を発表し大きな反響を呼んだこと、本作が雑誌掲載時から「推理小説」と銘打たれた著者の最初の作品であることを指摘している[2]

  1. ^ 『松本清張短編全集』4(1964年、光文社)巻末の著者による「あとがき」参照。
  2. ^ 吉野泰平「松本清張と「文学」をめぐる言説配置 : 「小説新潮」から「純文学論争」へ」『昭和文学研究』第73巻、昭和文学会、2016年、121-133頁、CRID 1390575661578399872doi:10.50863/showabungaku.73.0_121ISSN 0388-3884 


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