歌舞伎町の女王 概要

歌舞伎町の女王

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/03 04:27 UTC 版)

概要

本楽曲を発表する際に、椎名は1990年代前半に一世を風靡した音楽ジャンルの渋谷系とこの楽曲のタイトルを掛けて「新宿系自作自演屋」と自称した。この肩書について、当初は「新宿の人間は生臭くて、自己嫌悪に陥りながらも何かを求めて必死に生きてる。その見えない真実を追い求めるのが新宿系」「小奇麗な渋谷系と差別化するため」などと話していたが、シングル「本能」の発表時点では「ジャンルは何系か?という質問にいちいち答えるのが面倒臭かったから」と変わり、そののちには「(当時の自分の答えを見せられ)何を言ってるのか全然わからない」「インタビュアーの期待に応えるために一生懸命考えて答えていたのだろう」などと答えている。それでもこの「新宿系」という言葉のインパクトは強く、結果として自身でも2003年頃までは肩書きとして使い続け、「歌舞伎町の女王」は椎名の代表曲のひとつとなった。

制作の背景

表題曲「歌舞伎町の女王」は風俗街としても知られる東京都新宿区歌舞伎町からタイトルを取った楽曲で、福岡から上京したばかりの椎名が都内上野レコードショップでアルバイトしていた頃に水商売のスカウトマンに「君なら女王様になれる」と誘われたことから着想を得て制作された[注釈 1][2]。この当時の椎名の作品の中では珍しく歌詞の内容が完全なフィクションであり、製作を終えた時点でも椎名自身はまだ歌舞伎町を訪れた経験が無かった[注釈 2]

楽曲自体は大まかなアレンジを含め、30分程度で完成したと語っている。その際に女の子がドラムを叩いている映像がイメージされたので、レコーディングでもその女の子になったつもりで椎名自身がドラムを叩いている[3]

椎名によると、この曲と「丸ノ内サディスティック」の原点には父の影響で幼い頃に聞いていたザ・ピーナッツの「東京の女」のようなご当地ソングがあるという[4][5]

アートワーク

ジャケット写真は東京都新宿区にある新宿ゴールデン街で撮影、ミュージック・ビデオは東京都豊島区雑司ヶ谷にある鬼子母神堂の境内で撮影されている。後に椎名は完成したミュージック・ビデオを見た友人から「あれホラーだよ〜」と言われてショックを受けたという。ミュージック・ビデオはミュージック・ビデオ集『性的ヒーリング〜其ノ壱〜』と『私の発電』に収録されている。


注釈

  1. ^ あとでもらった名刺を確かめてみると、水商売は水商売でもSMクラブだった。
  2. ^ その他の楽曲の歌詞は基本的に自身の実体験を元に書かれていた。
  3. ^ 最初はストリートライブ・バージョンとして実際に路上で演奏したものを録音したが期待通りの効果が上がらず、改めて屋外で録音した歌に別々に録った足音や雑踏のざわめきなどを重ねたものを収録した[6]

出典

  1. ^ 有料音楽配信認定作品一覧 2011年6月(日本レコード協会)
  2. ^ Quick Japan編集部+松田義人「第二章 椎名林檎大辞典」『前略 椎名林檎様』、太田出版、2001年2月、82頁、2014年11月3日閲覧 
  3. ^ Quick Japan編集部+松田義人「第二章 椎名林檎大辞典」『前略 椎名林檎様』、太田出版、2001年2月、90頁、2014年11月3日閲覧 
  4. ^ 電脳RAT/012”. 椎名林檎特設サイト. ユニバーサル ミュージック ジャパン. 2019年10月9日閲覧。
  5. ^ 「東京」を歌ったロック/ポップソングの名曲14”. rockinon.com (2019年5月14日). 2019年10月9日閲覧。
  6. ^ 丹生敦『林檎アレルギー』、太陽出版、2000年8月、122-123頁。 






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