東円坊 東円坊の概要

東円坊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 07:27 UTC 版)

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東円坊
所在地 愛媛県今治市大三島宮浦
位置 北緯34度14分46.39秒
東経133度0分17.28秒
座標: 北緯34度14分46.39秒 東経133度0分17.28秒
本尊 薬師三尊
法人番号 7500005005375
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納経:「元祖四国五十五番三島宮 大通智勝如来 神宮寺東円坊」

概要

大通智勝如来

当寺[1]所蔵の大通智勝如来坐像は大山祇神社に祀られていた本地仏であり神仏分離の際に移されたもので、現存する唯一の古仏であるが、神社の何処に祀られていたかははっきりしないが、神宮寺(現・祖霊殿)[2]と云われている。

澄禅が承応2年(1653年)に巡拝した記録『四國辺路日記』の三島ノ宮の記述によると、澄禅は今治の別宮に参拝していて「本式は遍路なればその嶋に渡る、此に札を納めるは略式なり」とある。また、貞淳2年(1685年)真念が刊行した『四国遍路道指南』には「別宮は三島ノ宮の前札所なり三島までは海上7里あり故に是より拝む」となっている。さらに、寛政12年(1800年)の『四国遍礼名所図会』によると、53番円明寺の後の記述に、「五十五番三島社祭神大山積大明神」のタイトルで他の札所と同等に大山積社および神宮寺が図面入りで解説されていて、その次に54番延命寺、55番別宮と記述されている。しかも別宮の項で「大三島へ渡らざる時は此所にて遥拝す」と当社を重要視している。ゆえに、大三島の三嶋大明神に参拝するのが正式な四国遍路であり、熱心なお遍路さんは大三島まで来ていたようである。現在、神社と別れてその本地仏である大通智勝如来が坐する当寺への参拝が四国遍路の本来の姿であるとも云えよう。

沿革

保延元年(1135年)、河野為澄の次男・妙尊が役小角の法を学び河野一族の婦人たちの支持を得て社辺に一宇の寺塔を建立した。その妙尊の子が東円坊を名乗ったのがはじまりである。その後、神社に属して仏事を行う供僧の監督的な立場の検校職は代々当坊が任じられていた[3]

当坊は、神仏習合時にあった神宮寺24坊[注 1]の1つで、24坊のうち8坊は正治年間(1199年 - 1201年)に四国本土の別宮に移転し、残った16坊も近世初頭の天文5年(1577年)の記録には4坊になっていた。なお、明治神仏分離の際には当坊のみが残った。また、それまで、大三島の坊は仁和寺の系統の御室派であった。

江戸時代の万治年間(1658年~61年)当坊は光林寺の末寺となる。

明治初年の神仏分離令により、当坊は大山祇神社より離れ、その際、大通智勝如来が当坊に移された。

2019年、本堂を取り壊し再建され、2020年5月15日に完成、大通智勝如来が鎮座していた本堂脇の堂の仏像たちも本堂に移された。

伽藍

  • 本堂:中央に大通智勝如来坐像、向かって右脇陣に薬師如来坐像と両脇に日光菩薩立像・月光菩薩立像、左脇陣に釈迦如来坐像。
  • 庫裡

注釈

  1. ^ 泉楽坊・本覚坊・西之坊・北之坊・※大善坊・※宝蔵坊・東円坊・瀧本坊・尺蔵坊・東之坊・※中之坊・※円光坊・新泉坊・上臺坊・山乗坊・光林坊・※乗蔵坊・※西光坊・宝積坊・安楽坊・大谷坊・地福坊・※通蔵坊・※南光坊の24坊(『大三島詣で』より。※は別宮に移った8坊)。

出典

  1. ^ 明治初年以前は当坊と記述し、現在は当寺と記述する。
  2. ^ 下記の『四国遍礼名所図会』の絵図には本殿に向かって右の石段を上がった所に月光山神宮寺として大師堂と納経所があったと記されていることから、大通智勝如来像は本殿脇に祀られていたとも思われる。
  3. ^ 現地説明看板より
  4. ^ 令和元年7月23日文部科学省告示第26号
  5. ^ 文化財 大三島地域(今治市ホームページ)。


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