曾我野藩 曾我野藩の概要

曾我野藩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 02:35 UTC 版)

歴史

千葉
五井
佐倉
東金
曾我野→
関連地図(千葉県)[注釈 1]

前史

江戸時代、曾我野村は房総往還が通過するとともに[1][2]「曾我野浦」と呼ばれる湊の所在地として栄えた[3][4][5]戊辰戦争中の慶応4年/明治元年閏4月、房総では新政府軍と旧幕府軍(徳川義軍府)との間で戦闘が展開された(五井戦争参照)が、交通の要衝であった曾我野にも新政府軍が駐屯している[6]。曾我野村は江戸時代には幕府直轄領旗本領の相給であったが[5]、明治2年(1869年)に葛飾県の管轄となった。

知藩事を務めた戸田家はもともと下野宇都宮藩主家の一門重臣で、慶応2年(1866年)に宇都宮藩からの分知を受けた戸田忠至高徳藩1万石の藩主となったという、幕藩体制下で最後に生まれた大名家である。高徳藩の領地は下野国および河内国内にあった[7]

立藩から廃藩まで

版籍奉還後の明治3年(1870年)3月、高徳藩は従来の藩領を収公され、かわって下総国千葉郡・印旛郡内で1万1139石余を管轄することとなった[7]。この時の知藩事は戸田忠綱(忠至の子)。藩領の人口は1万人あまりであった[8]

翌明治4年(1871年)7月14日の廃藩置県によって曾我野藩は曾我野県となり[8]、同年11月13日に曾我野県は廃止されて印旛県に統合された[8]

知藩事

戸田家

譜代、1万1200石

  1. 戸田忠綱(ただつな)

注釈

  1. ^ 赤丸は本文内で藩領として言及する土地。青丸はそれ以外。
  2. ^ 鉄道駅として蘇我駅が開設され、房総往還沿いの曾我野・今井の旧市街と蘇我駅前の市街が接続して新たな市街地が形成されるが、商圏はかつての港町時代よりも大きく縮小した[11]
  3. ^ 『房総における近世陣屋』(2013年)では住所を「千葉市中央区蘇我町二丁目」としているが[14]、この一帯は2008年の住居表示実施にともない「蘇我三丁目」になっている[16]
  4. ^ 都市計画道路番号については、千葉市建設局『千葉市の道路(平成29年3月)』千葉市の道路(平成29年3月)”. 千葉市建設局. 2022年11月3日閲覧。を参照。

出典

  1. ^ 第4章>第七節>第一項 交通上の位置>交通路”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2023年1月9日閲覧。
  2. ^ 第5章>第六節>第一項 千葉町の発展>その他の町並”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2023年1月9日閲覧。
  3. ^ 03.「千葉港」と「千葉の湊」”. ふさの国 今昔 -過去から未来へ-. 千葉県教育委員会. 2023年1月9日閲覧。
  4. ^ a b c d 第4章>第七節>第二項 近世における千葉の湊>2 その他の湊・浦”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2023年1月9日閲覧。
  5. ^ a b c d e 曽我野村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月3日閲覧。
  6. ^ 第5章>第一節>第一項 戊辰戦争”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2023年1月9日閲覧。
  7. ^ a b 曽我野藩”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月3日閲覧。
  8. ^ a b c 曽我野県”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月3日閲覧。
  9. ^ 第4章>第七節>第二項 近世における千葉の湊>1 寒川浦”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2023年1月9日閲覧。
  10. ^ 第5章>第六節>第三項 産業革命前後の産業>5 明治後期の商業>商業の変化”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2022年11月3日閲覧。
  11. ^ 第5章>第六節>第三項 産業革命前後の産業>5 明治後期の商業>新しい流通圏の形成”. 千葉市史 第2巻(ADEAC所収). 2022年11月3日閲覧。
  12. ^ 蘇我野村(近代)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月3日閲覧。
  13. ^ 蘇我野(近代)”. 角川日本地名大辞典. 2022年11月3日閲覧。
  14. ^ a b c d 『房総における近世陣屋』, p. 32.
  15. ^ 曽我野陣屋を巡る謎” (2017年7月7日). 2022年11月3日閲覧。[信頼性要検証]
  16. ^ 最近実施した住居表示”. 千葉市 (2020年2月26日). 2023年1月9日閲覧。
  17. ^ a b c d e 高橋健三 多芸多才の自恃居士”. 創立者は18人. 中央大学. 2022年11月3日閲覧。
  18. ^ 高橋健三”. 近代日本人の肖像. 国立国会図書館. 2022年11月6日閲覧。


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