恐怖 心理学的説明・研究

恐怖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/02 16:06 UTC 版)

心理学的説明・研究

ジョン・ワトソンrhggt パウル・エクマンなどの心理学者は、恐怖を、ほかの基礎的な感情である喜び怒りとともに、これらをすべての人間に内在する感情だ、と述べた。 通常、恐怖は特定の刺激に対する反応である[要出典]

心理学において、恐怖の対象を覚えさせることが、「恐怖条件付け (en:fear conditioning) 」として研究されている。その最初のものはワトソンが1920年に行ったリトルアルバート実験 (en:Little Albert experiment)で、この研究では、生後11ヶ月の幼児が実験室の白鼠に対し恐怖を感じるように条件付けることに成功した。

研究により、特定の対象(例:動物、高さ)が他の対象(例:)に比べより恐怖を引き起こしやすいことが発見されている。また、被験者にこれらの対象に対し恐怖を植付けることもより容易である。

管理

医薬品

扁桃体に起因する、恐怖条件付けおよび恐怖症の薬物治療には、糖質コルチコイドが挙げられる[6]

心理療法

認知行動療法は、人々の恐れを克服することを助けることに成功してきた。 記憶を忘れる、削除することは容易ではないため、人々を繰り返し彼らの恐怖に直面させるアプローチは積極的であり、より成功率が高い。安全な方法により、本人の恐れに立ち向かうことによって、人は恐れを引き起こす記憶や刺激を抑え込むことができる[7]

曝露療法は、特定の恐怖症を持つ人々の90%において、時間の経過とともに彼らの恐怖を著しく減少させることができたと知られている[8][7]

もう一つの心理療法は体系的脱感作であり、これは恐怖を完全に取り除く、あるいはその恐怖に対する嫌悪感のある反応を起こし、それを置き換えることを目的とする行動療法のひとつである。条件付けを通して、反応は弛緩にこれで置き換えられる。この治療を通して筋肉の緊張は弱まり、深呼吸のテクニックは緊張を和らげるのを助けることができる。

その他の治療法

宗教の中で安らぎを見つけることは、自分の恐れに対処するための別の方法である。たとえば死後に起こることや死後の世界など、あなたの恐れに関する質問に答えるための何かを持っていると、それはあなたの死への恐れの助けとなる。答えを持っていることは、不確実性の余地を減らすのである。宗教は自分の恐れを無視するのではなく、理解し感じる方法を提供するのである[9]

セルフヘルプ

セルフヘルプ(自助)の方法として公開されているものが「サヨナラ・モンスター」である[要出典]。この方法は、恐怖を減らすために役立ったものとして公開[要出典]されており、恐怖が減ったプロセスの一部として「解釈の変化」を挙げている。「恐怖」は「感情」であり、「感情」は「解釈の結果生まれる」ことから、解釈に変化を起こせば恐怖感情にも変化が起こると考え、解釈に変化を起こすために「書くこと」を通じて「恐怖対象を知り尽くす」という試みを行い、極度の恐怖が減った(すべてが消えたわけではない)とされている。恐怖対象について書き出すことは、実際に対面するわけではないので、安全に恐怖に直面することが出来る。そして「書くこと」に「音読」を併せることで、より効果的だったとされる理由として、「音読が脳の前頭前野を活性化させ、脳の前頭前野は恐怖を感じる脳の扁桃体を抑えてくれるからだと思う」と述べている。音読が脳の前頭前野を活性化させたという研究結果はインターネット上にも多数公開されている。脳の前頭前野が、恐怖を感じる扁桃体を抑えることも事実である。従って、音読による脳の前頭前野の活性化も恐怖を減らすことに役立つ可能性があると考えることが出来る[要出典]


また人によっては、「サヨナラ・モンスター」の取り組みで、「恐怖対象を知り尽くす」という試みを行う際に、恐怖を感じる扁桃体に介入できる前頭前野の活性化に繋がる、あらゆることを行う場合がある[要出典]。例えば、インターネット検索をしてのウェブページの閲覧、読書、計算、新しいことへの挑戦、楽しむ気持ち、やる気を持っての有酸素運動など。これらはどれも前頭前野の活性化に繋がることがわかっている[要出典]。このような、複合的で、自分で自分を助ける働きかけ(複数のセルフヘルプ)が、結果として脳の前頭前野の活性化が扁桃体の興奮を抑えてくれて、恐怖を減らすことに繋がっている可能性が考えられる[要出典]

動物

恐怖状態にあるネコ

「追い詰められた」は恐怖状態の良い例である。鼠は捕食者によって(最終的に追い詰められるまでは)逃走を図ろうとするが、追いつめられると好戦的な態度に転じ、逃走できるか捕らえられるまで反撃をするようになる[要出典]

ジョゼフ・ルドゥーの研究によると、扁桃体は恐怖や脅威、危険といった記憶を意識下に格納する部位でもあり、戦うか逃げるか反応などの条件性恐怖を司る。ほとんどの脊椎動物には小脳があることから、それらの動物の小脳扁桃は全て同様の働きをしていると考えられる[4]




  1. ^ goo辞書「恐怖」
  2. ^ a b c d ブリタニカ国際百科事典、【恐れ、fear】
  3. ^ 河合隼雄『対話する生と死』(大和書房 2006年2月15日発行)
  4. ^ a b c ドナ・ハート、ロバート・W・サスマン『ヒトは食べられて進化した』伊藤伸子訳 化学同人 2007 ISBN 9784759810820 pp.104-108.
  5. ^ 恐怖をまったく感じない女性、PTSD治療にヒントか - AFP BB News 2010年12月20日
  6. ^ Sandi, C. (2011). “Healing anxiety disorders with glucocorticoids”. Proceedings of the National Academy of Sciences 108 (16): 6343–344. Bibcode2011PNAS..108.6343S. doi:10.1073/pnas.1103410108. PMC: 3080972. PMID 21482789. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3080972/. 
  7. ^ a b Kaplan, J.S.; Tolin, D.F. (2011). “Exposure therapy for anxiety disorders: Theoretical mechanisms of exposure and treatment strategies”. Psychiatric Times 28 (9): 33–37. http://search.proquest.com/docview/894207776. 
  8. ^ Travis, John (2004). “Fear not: Scientists are learning how people can unlearn fear”. Science News 165 (3): 42–44. doi:10.2307/4014925. JSTOR 4014925. 
  9. ^ “Cure Your Fear – Phobia Treatment” (英語). FearOf.net. https://www.fearof.net/cure-your-fear-phobia-treatment/ 2018年11月28日閲覧。 


「恐怖」の続きの解説一覧



固有名詞の分類


品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

「恐怖」に関係したコラム

  • CFDのVIX指数の見方

    VIX指数とは、アメリカ合衆国の代表的な株価指数のSP500のボラティリティをもとに算出した指数のことです。VIX指数は、Volatility Indexの略です。ボラティリティは0%から100%まで...

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「恐怖」の関連用語

恐怖のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



恐怖のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの恐怖 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2021 Weblio RSS