必殺仕置屋稼業 必殺仕置屋稼業の概要

必殺仕置屋稼業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/12 10:09 UTC 版)

必殺仕置屋稼業
ジャンル 時代劇
脚本 安倍徹郎
中村勝行
野上龍雄
監督 蔵原惟繕
松本明
工藤栄一
田中徳三
出演者 沖雅也
新克利
渡辺篤史
小松政夫
中村玉緒
白木万理
菅井きん
藤田まこと
ナレーター 草笛光子
オープニング 作曲:平尾昌晃「合議」
エンディング 葵三音子[1]「哀愁」
時代設定 天保年間
製作
プロデューサー 山内久司(ABC)
仲川利久(ABC)
櫻井洋三(松竹)
制作 ABCテレビ
放送
放送国・地域 日本
第1 - 13話
放送期間1975年7月4日 - 9月26日
放送時間金曜日22:00 - 22:55
放送分55分
回数13
第14 - 最終話
放送期間1975年10月3日 - 1976年1月9日
放送時間金曜日22:00 - 22:54
放送分54分
回数15

特記事項:
放送回数:全28話
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必殺シリーズの第6作目、中村主水シリーズの第3作目である[4]

概要

前作『必殺必中仕事屋稼業』は必殺仕置人殺人事件の影響で番組タイトルから外していた「必殺」の文字を復活させて、シリーズ最高視聴率を記録するヒット作となった(近畿地区で30%台)が放送中にネットチェンジが行われた影響で、視聴率は半分以下の13%台に下降した[5]。そこで人気の高かった中村主水を再々登板させることで挽回を図るべく企画されたのが本作である。後番組の『必殺仕業人』を含め、中村主水を必殺シリーズの看板キャラクターとして定着させようという制作陣の意図が感じられた。

藤田まこと以外のキャストは第1作『必殺仕掛人』以来、シリーズに実績のある中村玉緒と『必殺仕置人』で棺桶の錠を演じた沖雅也を再び起用して、主にホームドラマに出演していた新克利渡辺篤史にコメディアンの小松政夫らを新たに迎えた。沖雅也が演じた市松は熱血漢であった棺桶の錠とは正反対のクールな性格で、『必殺仕事人V』で組紐屋の竜を演じた京本政樹は「風貌から仕草に至るまで、市松を手本にした」とインタビューで述べている[要出典]

オープニングは現代(1975年)の京都市(京都市営バス 四条烏丸停留所付近)をスーツ姿で歩く主水。広隆寺前でスクーターに乗車する僧侶姿の印玄。街中(四条河原町北東角の歩道)でアクセサリーの路上販売をしながら雑誌を読む市松が描かれた。

新聞テレビ情報誌番宣広告、番組表、宣伝ポスターでは主水が先頭に記載されているが、劇中のクレジットタイトルは市松が先頭で、主水はトメ(最後尾)となっている[6]。これは沖の養父で、所属事務所社長の日景忠男が主水が主人公であることにクレームを付けた為である。日景は制作スタッフに感謝したという。詳しくは、必殺シリーズ#中村主水の主人公問題を参照。

あらすじ

裏稼業から足を洗っていた中村主水は組替えにより、北町奉行所から南町奉行所へ転属となった。名目上は栄転であり、目明しの亀吉が下っ引きとして付いたが規律に厳しい南町奉行所では袖の下もままならず、離れの新築があり、中村家の家計は困窮する。

その最中、女髪結いのおこうが主水に接触する。おこうは主水がかつて仕置人だったことを知っており、自分が受けた依頼を行うように主水に頼むが断固として断る。頼み人は無惨な死を遂げて、主水はおこうに裏の仕事に復帰することを約束する。

主水は裏稼業を再開する為、自分を慕う銭湯の釜番の捨三と破戒僧の印玄を仲間とする。殺しの現場を目撃されたことで主水の命を狙っていた殺し屋の市松を裏稼業に引き入れ、「仕置屋」を開業した。

依頼の仕組み

仕置の依頼は原則として、おこうが請け負う。おこうはおさすり地蔵で主水と密会して依頼の内容を伝え、自らの取り分を差し引いた仕置料を主水に渡す。主水は市松、印玄、捨三と竹の湯の釜場で金を分配して作戦を練り、仕置を実行する。

おこうは仲介のみで、仕置は一切関わらない。その為に印玄を知らず、指名手配された島帰りの友人に逃亡幇助金を渡したり(第8話)、印玄の殺しを請け負ったことがあった(13話)。第10、12、14、23、27話はおこうが登場せず、主水、市松、印玄、捨三のいずれかが依頼を直接受けた上で仕置を行っている。

本作での依頼から仕置までの流れは『必殺仕業人』でも踏襲している。


  1. ^ a b c 本名は伊藤美音子のようであり(葵三音子-昭和碟典)、ネットでは「美音子」の表記も見られるが、当番組の主題歌や出演の表記は音子(みねこ)である
  2. ^ 必殺仕置屋稼業とは”. kotobank. 2021年7月23日閲覧。
  3. ^ 第14話以降は、22:00 - 22:54。
  4. ^ a b 必殺仕置屋稼業”. 千葉テレビ. 2021年7月23日閲覧。
  5. ^ 参照:必殺必中仕事屋稼業#腸捻転解消(ネットチェンジ)
  6. ^ 制作スタッフは「藤田のテロップ部分に起こし効果を追加する」「他の出演者はタイトルバックが静止画なのに対して、藤田は動画とする」という措置を取っている。
  7. ^ クレジットは「起こし」。
  8. ^ 第2話で市松の回想という形で登場。沖の二役。
  9. ^ LD『必殺仕置屋稼業』ライナーノーツ解説、角川書店『必殺シリーズ 完全殺し屋名鑑』に記載。
  10. ^ 絶倫で女郎達からは敬遠されているが嫌がる女郎を捕まえては脇に抱え、廓内の部屋へ連れ込み、事を終えてから裏の仕事に向かう。
  11. ^ 第1 - 9、11、13、15 - 22、24 - 26、28話
  12. ^ 第1 - 13、16 - 19、22 - 25話
  13. ^ 第2 - 5、7 - 9、11、12、16、17、19 - 21、23 - 25、27、28話
  14. ^ 第2 - 11、13 - 17、19、21 - 24、26、27話。第15話のエンディングでは「お初」と表記。
  15. ^ 第2、4、9、16話
  16. ^ 役名の名前と同様。
  17. ^ 第3 - 6、8、9、13、20、22話。第3話のエンディングでは「髪結の少女 るみ」と表記。
  18. ^ 同じく役名の名前と同様。
  19. ^ 第3 - 6、8、9、13、17、20、22、28話。第3話のエンディングでは「髪結の少女 のぞみ」と表記。
  20. ^ 特別出演のクレジット表記は無し。
  21. ^ 主題歌『哀愁』の歌唱者。劇中でも一節披露している。
  22. ^ 大学在学中で松浦竹夫演劇研究所に入る前の仕事。1分足らずの出演だが、おそらく初の映像出演
  23. ^ その後は折鶴が悪人の血で赤く染まる。
  24. ^ 一度に押された二人組が「止めて!」「助けて!」と交互に叫び、屋根の下で転落していく悪人を目の当たりにした女が「止まって止まって止まって!」と無意識に叫んでしまう事があった。
  25. ^ 第26話を除く。
  26. ^ 第5、11、13、14、19、22話を除く。
  27. ^ 一部資料での「桜井康裕」という情報は誤り。
  28. ^ 一部資料での「長谷和夫」という情報は誤り。
  29. ^ テレビ新広島が開局するまでは広島テレビが日本テレビ系とフジテレビ系のクロスネット局であった関係で、広島ホームテレビは中国放送と共に広島テレビの編成から外れた日本テレビ系の番組とフジテレビ系の番組を、中国放送は広島ホームテレビの編成から外れたNETテレビ系列の番組を放送していた為、本来の金曜22:00枠に『ワールドプロレスリング』を2時間遅れ(本来の20:00枠はフジテレビから『歌謡ヒットプラザ』を同時ネット)で放送していたことによる。
  30. ^ 後年の再放送で初放送となった。


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