差額関税制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/01 00:48 UTC 版)
TPP・日欧EPAによる変化
2016年に締結された環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、2018年に締結された日本・EU経済連携協定(日欧EPA)においては、分岐点価格制度は維持されるものの、発効から10年後において、低価格側での関税は50円/kgに削減され、高価格側の関税は撤廃されることとなっている[21]。
農林水産省では「差額関税制度は維持される」としている[22]が、実際に協定発効から10年後を迎えた場合、手間やコンプライアンス違反のリスクを抱えてコンビネーション輸入を行うのに対して、低価格側の従量税(50円/kg)を正当に払って輸入することがじゅうぶん合理的となり、輸入豚肉市場が大きく変化するとする見方もある[21]。
関連書籍
- 高橋寛「豚肉が消える―差額関税が日本の食卓を破壊する」(ビジネス社)
- 志賀櫻「国の怠慢のツケを食卓にまわすな―豚肉差額関税を斬る!」(ぱる出版)
- 志賀櫻「国際条約違反・違憲 豚肉の差額関税制度を断罪する―農林水産省の欺瞞」(ぱる出版)
関連項目
- ^ 農業協定第三部4条2項世界貿易機関(WTO)農業に関する協定 外務省
- ^ 豚肉の差額関税制度の適正な運用について農林水産省
- ^ Leading Export Markets for U.S. PorkUSMEF
- ^ TPP豚肉差額関税が焦点 読売新聞 2014年4月25日
- ^ 国会議員による養豚議連:差額関税制度勉強会開催
- ^ TPP参加は日本の養豚業「構造改革」のチャンス摩訶不思議な差額関税制度は誰のため? 高成田 享 JBpress 2014.05.14
- ^ “豚肉輸入” 差額関税は打ち切りを 朝日新聞 2006年5月21日
- ^ “豚肉差額関税” もはや制度を見直すべきだ 毎日新聞 2006年12月7日
- ^ “関税逃れなら問題だが…”輸入豚肉への重い関税制度を政治家、行政府は考え直すときではないか。日本経済新聞 2008年9月5日
- ^ 財務省広報誌ファイナンス2014年1月号 平成24事務年度の税関による 関税及び内国消費税の徴収状況 ~事後調査及び犯則調査の結果~
- ^ 日経新聞2013/5/21豚肉輸入脱税で社長らに実刑判決 東京地裁
- ^ 豚肉差額関税問題 国のお墨付き節税輸入? コンビネーション輸入高橋寛 オフィシャルサイト
- ^ 豚肉の輸入価格(CIF)Excel file独立行政法人農畜産業振興機構 国内統計資料 豚肉の輸入動向 イ)輸入価格(CIF)
- ^ 輸入豚肉の卸売り価格 Excel file独立行政法人農畜産業振興機構 国内統計資料 豚肉の価格動向 イ)輸入豚肉の仲間相場(卸売価格)
- ^ 高橋寛監修『豚肉が消える―差額関税が日本の食卓を破壊する』ビジネス社、2007年。ISBN 978-4828413617。
- ^ EPA・農業ワーキンググループ第一次報告 「EPA交渉の加速、農業改革の強化」内閣府 経済財政諮問会議 グローバル化改革専門調査会 EPA・農業ワーキンググループ (2007年5月8日)
- ^ 経済財政諮問会議にお株奪われた農水省 土門剛 農業ビジネス(2007年08月01日)
- ^ 志賀櫻『国際条約違反・違憲豚肉の差額関税制度を断罪する : 農林水産省の欺瞞』ぱる出版、2011年。ISBN 9784827206692。
- ^ 参考4 個別品目別に見た農業交渉上の論点 152ページ農林水産省『WTO農業交渉の課題と論点』農林水産省、2000年。
- ^ 違憲無効 マラケシュ協定違反の豚肉差額関税 憲法判断を逃げた最高裁決定 志賀櫻
- ^ a b あらためて考えるTPP発効後の豚肉輸入 (PDF) 日本養豚事業組合、2018年8月1日号(2019年12月31日閲覧)。
- ^ 日EU・EPAで大枠合意、豚肉では差額関税制度維持、セーフガード確保 食品産業新聞社、2017年07月10日(2019年12月31日閲覧)。
- 1 差額関税制度とは
- 2 差額関税制度の概要
- 3 概要(豚肉における差額関税)
- 4 問題点 (脱税摘発事例など)
- 5 TPP・日欧EPAによる変化
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