十字架と王冠 十字架と王冠の概要

十字架と王冠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/22 02:11 UTC 版)

十字架と王冠
(クロス・アンド・クラウン)

そのシンボルは、「病を癒せ、ハンセン病を洗い清めよ、死者を甦らせよ、悪魔を追い出せ」[4]と、新約聖書のマタイの福音書10章8節にあるキリストの言葉から引用された、英語の文字で囲まれた、『科学者キリスト教会クリスチャン・サイエンス』 (Church of Christ, Scientist) の印章(ロゴマーク)に用いられ、世に現された。

それは、聖書研究者(ものみの塔の先駆者)の旗印の特徴でもあった。1881年1月に最初に世に現した『シオンのものみの塔協会』 (Zion's Watch Tower) [5]が発布した十字架と王冠は、月桂樹の葉で翼のように囲まれたデザインのものだった[6]ものみの塔協会は、1916年ラッセルが逝去したのち、その見映えが"異教のシンボル"であるとして、やがて十字架と王冠を用いるのを止めた。とはいえ、ラッセルの墓の隣にある「ものみの塔聖書冊子協会」が建てたピラミッド型の記念碑には、十字架と王冠のデザインがしっかり刻まれている[7][8][9]。彼らの現在の教理によれば、かのイエスは十字架に掛けられたのではなく、"一本の杭"に掛けられたとされている[10][11]

そのシンボルは、近代フリーメイソンテンプル騎士団 (Knights Templar) によっても用いられた(この集団はフリーメイソン主義の友愛結社の潮流であって、明白に順応したキリスト教である)[12][13]。 しかしながら、考えられることは、それは歴史的には決して騎士修道会の卓越したシンボルではなかった(テンプル騎士団の封緘を参照)。十字軍の時代の間、多くの騎士修道会は、様々な状況における十字の形(よくある「マルタ十字」)の卓越した特徴の紋章を取り入れていた。

十字架と王冠のシンボルは、ティム・ラヘイの著書『十字架の力』 (The Power of the Cross, by Tim Lahaye) の表紙にも表されている[14]

ロイヤル・ブラック財団 (Royal Black Institution) は、彼らの組織のためのシンボルとして"In hoc signo vinces"(ラテン語で「この徴により、汝は勝利すべし」 )の特徴的な言葉で、丸く囲まれている十字架と王冠を用いている[12]

関連項目

以下、日本語の情報。

外部リンク


  1. ^ The Coat of Arms.
  2. ^ Buscaglia Family Crest.
  3. ^ 「試練を耐え忍ぶ人は幸いです。その人は適格者と認められ、神を愛する人々に約束された命の冠をいただくからです。」(新約聖書:ヤコブ書1章12節、新共同訳〈日本聖書協会〉より引用)
  4. ^ 原語では"Heal the Sick, Cleanse the Lepers, Raise the Dead, Cast Out Demons" 科学者キリスト教会のロゴマークを参照。
  5. ^ 『シオンのものみの塔』とは、現在の『ものみの塔聖書冊子協会』の前身となった法人名、ラッセル (C.T.Russel) は創始者。
  6. ^ Was Pastor Russell a Freemason?.
  7. ^ ラッセルの墓とピラミッドの記念碑の画像 JWIC.INFO エホバの証人情報センター保管庫
  8. ^ Pictures from Russell's Gravesite.
  9. ^ Pyramid. Retrieved 2009-5-4.
  10. ^ 『聖書から論じる』ものみの塔聖書冊子協会1985 p.216 - 219、『永遠の命に導く知識』ものみの塔聖書冊子協会1995 p.62 - 69、この他、同協会の出版物から多数。
  11. ^ ものみの塔聖書冊子協会・公式ウェブサイト「聖書は実際に何を教えていますか…第5章・贖い—神からの最大の贈り物」を参照。
  12. ^ a b The symbol is also known as "Knight Templars Blood-Red Passion Cross and Crown". See York Rite - Commandery Jewels & Sash Star. Retrieved 2009-5-29.
  13. ^ Masonic Emblem and Logo Collection. Retrieved 2009-5-29.
  14. ^ POWER OF THE CROSS 『十字架の力」(英語版) ティム・ラヘイ・ミニストリー公式サイトより。2010年9月現在で本書の日本語版は未だ出版されていない。


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