分位数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 02:10 UTC 版)
特別な分位数
いくつかの q に対する q 分位数には、特別な名称がある。
中央値
1 / 2 分位数を、中央値、メディアン (median)という。中央値は、平均値に代わり、分布を代表する値として使われる。
四分位数
分位数を、第 q 四分位数、第 q 四分位点、第 q 四分位値、第 q ヒンジ (quartile, hinge) という。1 / 4 分位数(第1四分位数)を下側四分位数、3 / 4 分位数(第3四分位数)を上側四分位数ともいう[3]。
単に四分位数といったばあい、第1・第3四分位数を表す。第2四分位数は中央値である。これらは、分布の統計的ばらつきを表すのに使う。
第1・第3四分位数の差 は、四分位範囲(英: interquartile range, IQR)といい、分布のばらつきの代表値である。分布の代表値として平均値の代わりに中央値を使うときは、IQRを標準偏差や分散の代わりに使う。中央値同様、頑強で、外れ値や極端に広い裾野の影響を受けにくい。
を四分位偏差、 を正規四分位範囲(英: normalized interquartile range, NIQR)といい、IQRの代わりに使うことがある。ここで、 は、標準正規分布のIQRである。正規分布の正規四分位範囲は、標準偏差に等しい。なお係数0.7413を近似値として使うことがある。
四分位数の簡易な求め方として、中央値より上の値の中央値と、中央値より下の値の中央値を使う場合がある。この値を特にヒンジ (hinge) と呼び、それぞれ上側ヒンジ・下側ヒンジ、または、第1・第3ヒンジ(第2ヒンジは中央値)と呼ぶ。ヒンジは、(厳密に計算した)四分位数とは、中央値から離れる方向に少しだけずれる。データ数が多ければずれは小さくなる [要出典]。
三分位数・五分位数・十分位数
分位数を、第 q 三分位数、第 q 三分位点、第 q 三分位値 (tertile) という。
分位数を、第 q 五分位数、第 q 五分位点、第 q 五分位値 (quintile) という。
分位数を、第 q 十分位数、第 q 十分位点、第 q 十分位値 (decile) という。
パーセンタイル
分位数を、q パーセンタイル、(第)q 百分位数、(第)q 百分位点、(第)q 百分位値、q パーセント点、q %点 (percentile) という。
分位数を上側 q パーセント点という。これと対比するときには、 分位数は下側 q パーセント点という。また、平均が0の対称分布に対し、 分位数を両側 q パーセント点という。このとき、絶対値が両側 q パーセント点以内に、分布の q %が含まれている。
最大値・最小値
0分位数は最小値、1分位数は最大値である[4]。最大値と最小値の差は範囲あるいはレンジ(英: range)と呼ばれ、分布のばらつきを表す代表値の一種である。
- ^ Angus Stevenson, ed. (2010), Oxford Dictionary of English (Third ed.), Oxford University Press, p. 1451, ISBN 978-0-19-957112-3
- ^ 累積分布関数が(狭義)単調増加でなければ、この条件を満たす は一意に定まるとは限らない。
- ^ 西岡 2013, p. 12, 1.5 分位数.
- ^ 西岡 2013, p. 8, 1.4 度数分布.
- ^ JIS Z 8101-1 : 1999 統計 − 用語と記号 − 第1部:確率及び一般統計用語 1.10 分位点、日本規格協会、http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html
- 分位数のページへのリンク