全国人民代表大会常務委員会
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立法手続
全人代と全人代常務委員会は国家の立法権を行使することが定められている(憲法58条)。全人代は基本的法律について制定、改正を行い、全人代常務委員会はその他の法律について制定、改正を行う。また全人代閉会中において、全人代常務委員会は全人代が制定した法律の部分的な補充、改正を行う(立法法7条)。全人代と全人代常務委員会のそれぞれの立法手続において全人代常務委員会は重要な役割を持つ。
全人代の立法手続
全人代常務委員会、国務院、中央軍事委員会、最高人民法院、最高人民検察院、全人代の各専門委員会は全人代に対し法律案を提出することができ[注 3]、主席団が大会会議の議事日程に入れることを決定する(立法法14条2項)。
全人代に提出する法律案に対し、全人代閉会期間において、先に全人代常務委員会に提出することができ、常務委員会会議は立法法第2章第3節に規定する関連手続に基づく審議の後、全人代に審議を要請する決定し、常務委員会が大会全体会議に対して説明を行うか、又は提案者が大会全体会議に対して説明を行う(立法法16条)。
全人代常務委員会は前項規定に基づき法律案を審議し、様々な形式によって、全人代代表の意見を徴求し、かつ関連状況を報告しなければならない。専門委員会及び常務委員会工作機構が立法調査研究を行うに際しては、関連する全人代代表を参加させることができる(立法法16条2項)。
常務委員会の立法手続
常務委員会の立法手続は、法律案の提案主体により異なる過程を経る。
委員長会議は常務委員会に法律案を提出することができ、常務委員会会議において審議を行う(立法法26条)。
国務院、中央軍事委員会、最高人民法院、最高人民検察院、全人代の各専門委員会は常務委員会に法律案を提出することができ、委員長会議は常務委員会会議の議事日程に入れることを決定でき、又は先行して関連する専門委員会の審議に付託し報告を提出させた上で常務委員会会議の議事日程に再び入れることを決定できる。委員長会議が法律案に重大な問題があり更なる検討が必要であると認める場合、提案者に対して修正して完全なものとした上で常務委員会に提出するよう建議することができる(立法法26条2項)。
常務委員会構成員は10名以上の連名により常務委員会に法律案を提出することができ、委員長会議は常務委員会の議事日程に入れるか否かを決定し、又は先に関連する専門委員会の審議に付託し常任委員会会議の議事日程に入れるか否かの意見を提出させた上で、常務委員会会議の議事日程に入れるか否かを決定する。常務委員会会議の議事日程に入れない場合、常務委員会会議に対して報告し、又は提案者に対して説明を行わなければならない(立法法27条)。
常務委員会会議の議事日程に入れられた法律案は、通常は常務委員会会議における3回の審議を経た後に、表決に付さなければならない(立法法29条)。但し、各方面の意見が比較的一致している場合、2度の審議で可決することもできる。また調整事項が比較的単一的か又は一部改正の法律案については、常務委員会会議による1度の審議を経て表決に進むことができる(立法法30条)。
法律草案修正稿は、常務委員会会議による審議を経た後、法律委員会が常務委員会構成員の審議意見に基づき修正を行った上法律草案表決稿を提出し、委員長会議が常務委員会全体会議に提出して表決を求め、常務委員会全体会議の構成員の過半数をもって可決される(立法法41条)。
注釈
- ^ 憲法第62条第3号に全人代の職権として「刑事、民事、国家機構及びその他の基本的法律を制定及び改正する。」と規定されている。この基本的法律(基本法)として民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、国務院組織法、地方各級人民代表大会および地方各級人民政府組織法、人民法院組織法、人民検察院組織法、選挙法、民族区域自治法、特別行政区の設立および特別行政区の管理制度に関する法律などが挙げられる[4][5]。
- ^ a b 2018年の憲法改正により国家監察委員会の事項が追加された[4]。
- ^ この他に全人代主席団、各代表団が全人代に法律案を提出でき、全人代代表も30名以上の連名により全人代に法律案を提出できる(立法法14条・15条)。
出典
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