レフュジー (レフュジーのアルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 17:40 UTC 版)
『レフュジー』 | ||||
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レフュジー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ||||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | カリスマ・レコード | |||
プロデュース | ジョン・バーンズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
AllMusic Rating ![]() |
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レフュジー アルバム 年表 | ||||
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『レフュジー』(Refugee)は、イングランドのロック・トリオのレフュジーが1974年に発表したデビュー・アルバムである。
解説
経緯
1973年夏、メインホース(Mainhorse)[1]のパトリック・モラーツ(キーボード)は元ザ・ナイスのリー・ジャクソン(ベース・ギター、ボーカル)に出会った。スイス人のモラーツは当時、イギリスでの活動に不可欠な労働許可証の発行に支障をきたして、メインホースでの活動がままならなくなっていた[2]。一方、ジャクソンも当時率いていたジャクソン・ハイツ[注釈 1]からキーボーディストとギタリストが脱退したので、活動できない状態だった[2]。ジャクソンはモラーツをジャクソン・ハイツに勧誘するが、モラーツは元ザ・ナイスのブライアン・デヴィソン(ドラムス)を誘って新しいトリオを結成することを提案した[3]。デヴィソンはザ・ナイス解散後に結成したエヴリ・ウィッチ・ウェイ[注釈 2]が1971年の春に解散していた[4]ので、2人に合流した。
彼等はトリオ名を「レフュジー」として、ザ・ナイスが解散した時のマネージャーだったトニー・ストラットン・スミスをマネージャーとして、スミスが設立したカリスマ・レコードと契約を結んだ。そしてライブ活動を始める為に数か月のリハーサルを行って、1973年12月2日のロンドン公演でデビューした[5]。翌1974年2月、ロンドンのアイランド・スタジオ[注釈 3]でジョン・バーンズをプロデューサーに迎えて本作を製作した。
内容
計6曲の収録曲は、モラーツの単独作の「パピヨン」と「リット・ミックリー」を除いて、モラーツとジャクソンの共作である。
「パピヨン」は、最初ピアノ曲として録音された[注釈 4][6]。「リット・ミックリー」の題は、録音中にモラーツが"rhythmically"と言ったのをデヴィソンが"Ritt Mickley”という人名と聞き間違えたことに由来する[7]。
組曲「グランド・キャニオン」は、モラーツがグランド・キャニオンの大自然を取り上げたBBCのドキュメンタリーを観て曲を書き、ジャクソンに歌詞を要求したもの。ジャクソンは図書館からグランド・キャニオンの本や地図を借りて歌詞を練り上げた[6]。組曲「クレド」の歌詞は、カトリックに対するジャクソンの反芻を描いている[7]。「サムディ」はジャクソンの最初の結婚生活の破綻を取り上げた。
収録曲
オリジナルLP
CD
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
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1. | 「パピヨン Papillion」 | Patrick Moraz | |
2. | 「サムディ Someday」 | Moraz, Lee Jackson | |
3. | 「グランド・キャニオン組曲 Grand Canyon Suite
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Moraz, Jackson | |
4. | 「ゲイト・クラッシャー Gatecrasher」 | Moraz, Jackson | |
5. | 「リット・ミックリー Ritt Mickley」 | Moraz | |
6. | 「組曲「クレド」 Credo |
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合計時間:
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参加ミュージシャン
- パトリック・モラーツ Patrick Moraz – ミニ・ムーグ、AKS シンセサイザー、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、クラビネット、オルガン、パイプ・オルガン、マリンバフォン、アルプホルン、electronic slinky、メロトロン、ヴォーカル
- リー・ジャクソン Lee Jackson – ベース、エレクトリック・チェロ、ギター、12弦アコースティック・ギター、リード・ヴォーカル
- ブライアン・デヴィソン Brian Davison – ドラムス、ティンパニ、ゴング、チベット・ベル、アフリカン・ドラム、カバサ、ブロークン・グラス
脚注
注釈
- ^ リー・ジャクソンはザ・ナイスが1970年4月に解散した後、ジャクソン・ハイツを結成して、4作のアルバムを発表した。
- ^ 1970年10月にカリスマ・レコードからデビュー・アルバムを発表した。
- ^ 現Sarm West Studios。
- ^ モラーツは、レフュジーの解散後に加入したイエスのコンサートで、同曲をピアノ・ソロに取り入れて披露した。ライブ・ビデオ『イエス/ライブ 1975』で聴かれる。
出典
- ^ “Discogs” (2025年). 2025年4月4日閲覧。
- ^ a b Hanson (2014), p. 199.
- ^ Hanson (2014), p. 205.
- ^ Hanson (2014), p. 203.
- ^ Hanson (2014), p. 207.
- ^ a b Hanson (2014), p. 208.
- ^ a b Hanson (2014), p. 210.
引用文献
- Hanson, Martyn (2014). Hang on to a Dream: The Story of the Nice. London: Foruli Classics. ISBN 978-1-905792-61-0
関連項目
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