リポタンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/18 08:21 UTC 版)
概要
リポタンパク質は、電気泳動法または超遠心法にて分類される。通常見られるリポタンパク質は次のようなものである。
- 電気泳動法(アガロースゲル法)では、陰極に近い方から
- カイロミクロン (原点位からβリポ蛋白位に来るリポタンパク質の一群で、ブロード状になる特徴がある)
- βリポタンパク (血漿タンパク分画で、β位に来るリポタンパク質を一群を指す)
- pre-βリポタンパク (血漿タンパク分画で、β位より陽極側に来るリポタンパク質の一群を指す)
- αリポタンパク (血漿タンパク分画で、α位に来るリポタンパク質の一群を指す)
- 電気泳動法(ポリアクリルアミドゲルディスク法、PAG法)では、陰極に近い方から
- カイロミクロン
- VLDL
- IDL
- LDL
- sdLDL
- HDL
- 超遠心では、比重の軽い方から
- カイロミクロン
- VLDL
- LDL
- HDL
3者の違いは、アガロースゲル法はリポタンパク質を荷電の差で(主にアポタンパク質の含量による)分析し、ポリアクリルアミドゲルディスク法では、主にリポタンパク質の粒子サイズの順に分析され、超遠心法はリポタンパク質の粒子の密度(体積あたりの重量)で分析される。 3者の間にはおよそ次の対応関係があるが正確ではない。
- βリポタンパク - LDL
- pre-βリポタンパク - VLDL
- αリポタンパク - HDL
〇アガロースゲル法は、PAGE法との最も大きな違いが、粒子の大きいVLDLが先に泳動され、IDL 、LDLやsdLDLが検出され難いことがある。
〇超遠心法は、重力で各分画を分離分取した後の、リポタンパク質をコレステロールやTGやリン脂質を個別測定をしなければならない。またカイロマイクロンは非常に壊れやすく測定が難しいと言われている。
〇構成アポタンパク質
カイロミクロンを構成するアポタンパク質は、アポB48で外因性リポタンパク質と呼ばれ、VLDLは主にアポEとC、アポB100、LDLはアポB100、HDLは主にアポA1、A2で構成され、内因性リポタンパク質と呼ばれる。 VLDLがトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、IDLと称する。またLDL粒子がトリグリセリドを失い小型化したリポタンパク質を、small dense LDL(sdLDL)と言う。 ディスク電気泳動法では、IDLはミッドバンドとも呼ばれている。
- ^ IUPAC Gold Book - lipoproteins
- ^ a b c d e 『ストライヤー生化学』(第5版)東京化学同人、2004年、732頁頁。ISBN 978-4807905812。
固有名詞の分類
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