ヤーコブ・ヨルダーンス ドローイング

ヤーコブ・ヨルダーンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/10 07:45 UTC 版)

ドローイング

フランドル派画家としてのヨルダーンスの立場は、ルーベンスやヴァン・ダイクの「特徴的な」作風の支持者であり、そのことはヨルダーンスが描いた非常に多くの習作、下絵のドローイングにあらわれている。ヨルダーンスならびに同時代のフランドルの画家たちは、より大きな絵画を描く前の準備、あるいは古代美術の理想を習得するために下準備として習作や下絵を何度も描くという、フランドル派芸術家たちが継承してきた伝統の信奉者だった。ヨルダーンスが描いた現存しているドローイングはおよそ450点といわれているが、研究家のなかには画家の特定に疑義を唱えているものもいる。絵画技術の専門家としてのヨルダーンスはガッシュ、水彩を用いてドローイングを描いている。ドローイングに用いる紙は非常に節約して使用しており、紙をつぎはぎして使用することもあった[6]

『四月の寓意』

『四月の寓意』と呼ばれているドローイングに何が描かれているのかは長期にわたって議論となっている。雄牛の背に乗る裸婦というモチーフはエウロペの略奪を意味していると考えられる。エウロペの略奪はギリシア神話のエピソードで、裸身のエウロペと雄牛に身を変えたユピテルが絵画作品によく用いられているテーマとなっている。そのほかの主張として、このドローイングは4月を意味する寓意が多数描かれているとするものがある。たとえば雄牛は黄道十二宮で春を意味する金牛宮、花束を握りしめた裸婦像は春の女神フローラ、フローラの周りに描かれている人物たちは豊穣神ケレスとワインの神バッカスの師シレノスたちであるとする意見である[49]








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