マイクロチップの魔術師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 17:15 UTC 版)
こぼれ話
True Names and the opening of the cyberspace frontier によると、ヴィンジがネットワーク上の匿名社会の可能性について気付き、この小説のプロットを思い付いたのは、当時教鞭を執っていたサンディエゴ州立大学のPDP-11(ミニコンピュータの名機。PDPシリーズ参照)上での匿名TALK(UNIXコマンドの一つ。チャットのようなもの)セッションが切っ掛けだった。匿名ユーザとしてログインしていたヴィンジと、他の匿名ユーザの間で互いに実名(the true name)を解き明かそうという駆け引きが行われ、お互い相手の探索には失敗したが、セッション終了後、ヴィンジは「これはSFそのものではないか」と思ったという。
原稿はヒースキットのLSI-11上でTECOを用いて執筆されたが、初稿は8インチフロッピーディスク→5インチフロッピーディスク→ハードディスクとデータの引っ越しをしている間に失われてしまった。
関連項目
参考文献
- マイクロチップの魔術師(若島正訳) 新潮文庫 ISBN 4102279016 (版元品切)
- "True Names and the opening of the cyberspace frontier" ed. John Frenkel. 2001, ISBN 0-312-86207-5 小説にリチャード・ストールマンらのエッセイを追加した特別版。
- ^ 順序としては、さらに前にブラナーThe Shockwave Riderがある。ただし、エリック・レイモンドがジャーゴンファイルでサイバーパンクの書き手たちを ignorance of computers などと書いている( http://www.catb.org/jargon/html/C/cyberpunk.html を参照)のとは対照的に、後述のように本作は、当時のコンピュータネットワークにおける作者の実体験が反映している。
固有名詞の分類
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