ブルペン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/05 22:09 UTC 版)
球場におけるブルペン施設
- 阪神甲子園球場の屋内ブルペンは戦前体育館(1塁側)・25mの温水プール(3塁側)であったものを改装したものであり、現在も天井の低さなどその面影を色濃く残している。
- かつて後楽園スタヂアムではブルペンを1塁側・3塁側のファウルゾーンのフェンス際に設置していたが[3]、1970年に二階席ジャンボスタンド拡張工事を行った際にブルペンも一塁側・三塁側の内野席と外野席の中間に移設していた。
- 横浜スタジアムは横浜公園内にあるために建ぺい率等の制限が厳しく、ブルペンを建物内に設置することができないので、公園に面したスタンドの軒下に設置されている。金網とテントで仕切られているだけなので、投球練習中には捕球音や選手の声などが外に聞こえてくる。
- 旧広島市民球場の1塁側ブルペンには、夭折した広島東洋カープのリリーフエース・津田恒実を偲ぶ『津田プレート』が壁に埋め込まれていた。このプレートは、2009年に開場したMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島に移設されている。
- 球場によってはホーム側とビジター側ブルペンに差がある場合が有る。中にはビジター側ブルペンには空調も窓もないため、密室の蒸し風呂となってしまう球場も有るという。
由来
ブルペン(bullpen)は英語でもともと「牛を囲う場所」という意味である。そこから現在の野球に関する意味を表すようになった経緯については、
- 闘牛場や屠殺場に送られるのを囲いの中で待っている牛を投手に見立てたという説
- 過去、球場に遅く着いた観客がファウルゾーンで立ち見を強いられた状況を牛の囲い場に見立てたという説
- 外野フェンスにBull Durham Tobaccoの広告がかつてよく見られたため
など諸説がいくつかあるが、はっきりとは分かっていない。
名称変更要請
アメリカ合衆国の動物愛護団体である「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(英: People for the Ethical Treatment of Animals 、略称PETA)が2021年10月28日、「ブルペンは、肉牛解体のための前作業をする場所であり、かつ選手を侮辱する名称である」として、MLBに対してブルペンの呼称を廃止すると共に、「アームバーン」(英: Arm Barn、「腕納屋」という意)の呼称を使用するよう要請した[4][5]。
- ^ “甲子園ファウルゾーンのブルペン撤去 6日から作業”. デイリースポーツ. (2017年6月6日)
- ^ アメリカ野球雑学 ブルペンへの電話の今昔『週刊ベースボール』2011年11月28日号、ベースボール・マガジン社、2011年、雑誌20442-11/28, 82頁。
- ^ V9巨人の礎の一人、斎藤勝博さん死去 蛭間豊章記者のInside BASEBALL 2011年1月21日
- ^ "PETA's Pitch to Liberate the Lingo of Baseball: Scratch 'Bullpen'for'Arm Barn'" (Press release) (英語). People for the Ethical Treatment of Animals. 28 October 2021. 2021年10月30日閲覧。
- ^ "動物保護団体が「ブルペン」の呼称廃止と「アームバーン」使用を要求". ニッカンスポーツ・コムdate= 2021-10-30. 日刊スポーツ新聞社. 2021年10月30日閲覧。
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