フレイスの炎砦 フレイスの炎砦の概要

フレイスの炎砦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/21 04:20 UTC 版)

ナイトウィザード > リプレイ (TRPG) > フレイスの炎砦

ゲーマーズ・フィールド』6th season Vol.5(2002年5・6月号)から7th season Vol.4(2003年3・4月号)に全12回連載された。後にエンターブレインから文庫版(ファミ通文庫)として全7話の形式でまとめなおされ文庫化されている。ゲームプレイ回数については5セッション分である。

フォーラの森砦』に続く「砦シリーズ」リプレイ第五弾として発表された。『セブン=フォートレス V3』のプレストーリーの役割もあるリプレイで、『ナイトウィザード』とのクロスオーバーを実現した初のリプレイでもある。マジカル・ウォーフェアの一つでもあり柊サーガにも属するこのリプレイは『ナイトウィザード』リプレイシリーズとしても認識されることも多い。

概要

『セブン=フォートレス』シリーズと『ナイトウィザード』シリーズのコラボレーションを主題に連載されたリプレイ。このリプレイ連載開始から数ヵ月後には『セブン=フォートレス V3』が発売されることが決定していたため、今後ユーザーたちの多数が作ることになるであろう「『ナイトウィザード』のキャラクターがラース=フェリアにやってくるというシナリオ」の実例を見せるという役割をもっていたリプレイでもある。

『フレイスの炎砦』はただ砦シリーズに『ナイトウィザード』のキャラクターを出演させただけのものではなく、『ナイトウィザード』のリプレイシリーズとも密接につながっている特殊な作品である。『ゲーマーズ・フィールド』では『炎砦』の連載開始の前号に『ナイトウィザード』リプレイ『星を継ぐ者』が掲載されていたのだが、この『炎砦』は『星を継ぐ者』に直結する続編でもある。さらに『炎砦』で語られた様々な設定はその後の『ナイトウィザード』の世界観に大きな影響を与えることになった[1]

リプレイ中で使われたゲームシステムはリプレイ前半は『セブン=フォートレス Advanced』と『ナイトウィザード』(ルール第一版)で、リプレイ後半は『セブン=フォートレス V3』と『ナイトウィザード』となる。特筆すべきはリプレイ前半で地球出身のキャラクターは『ナイトウィザード』のルールをそのまま用い、ラース=フェリア出身のキャラクターは『セブン=フォートレス』のルールをそのまま用いていることである。つまり、キャラクターによって使用されるルールが全く異なっているのである。特に『セブン=フォートレス Advanced』では追加行動の行動カウント消費が-10なのに比べて『ナイトウィザード』では-20なため、柊蓮司だけがいつも行動回数が少なくなるという理不尽がついてまわっていた。他にも『ナイトウィザード』と『セブン=フォートレス』のゲームルールの細かな差異(闘気や特殊能力の差など)で、PC同士のバランスの不均衡がリプレイ前半は目立った。リプレイ後半では柊蓮司も『セブン=フォートレス V3』のルールをベースにして、異世界人キャラクタールールを使って『ナイトウィザード』のデータを変換するという形式で作り直されたため、ゲームバランスは安定するようになった。

ストーリーは序盤がラース=フェリア編、中盤が地球(ファー・ジ・アース)編、終盤で再びラース=フェリアに戻ってくるという形で綺麗に分かれている。砦シリーズとしてはそれまでの作品よりもメリハリの効いたマスタリングが心がけられていて、物語の展開スピードはかなり速い。

また、『フレイスの炎砦』は『セブン=フォートレス V3』の背景となる戦争「ラース戦役」のプロローグでもある。ラース戦役はラース=フェリアに初めて他の主八界に属する勢力が大規模に干渉してきた事件であり、この物語の終了直後より、ラース=フェリアは『セブン=フォートレス V3』で描かれる異世界間戦争の時代に突入していく。

あらすじ

七紋章暦007年。星降る夜の王エンディヴィエの事件が一段落し、世界は復興に向かっていた。

だが、世界滅亡の危機は人知れず再び歩み寄っている。これに対応するために伝説に語られる「紅き巫女」と「柱の七騎士」が再び地上に蘇った。しかし、柱の騎士のリーダー・空炎の騎士ガザは巫女を裏切り殺害しようとしたのである! 巫女は一命はとりとめたが、その現場を1人の少女が目撃していたのが不幸の始まりであった。その少女とは空炎の騎士の娘ポーリィ。彼女はガザにより巫女殺害の濡れ衣を着せられ、柱の騎士たちに追われるはめになる。

一方、柱の騎士となっていたザーフィはある計画を実行するために第八世界ファー・ジ・アース、すなわち「地球」と呼ばれる世界へ赴き「星の巫女」赤羽くれはの魂を奪っていった。くれはの幼馴染である柊蓮司は彼女の魂を取り返すために単身ラース=フェリアへ向かう。

「紅き巫女」と「星の巫女」。二つの世界に分れた二人の巫女の魂が再び揃いしとき、伝説の魔王ディングレイが復活するという。ファー・ジ・アースラース=フェリア、二つの世界に同時に起こる危機に、それぞれの世界の住人たちが立ち上がった!


  1. ^ リプレイ『フレイスの炎砦』がナイトウィザードに与えた影響の中で最も大きいものが、『ナイトウィザード』で低レベルでも魔王が倒せるようになったことである。今作においてGMの菊池たけしが「地球ではどんな凶悪な魔王でも世界結界があるために真の力を出し切れない。だから世界結界が壊される前ならば低レベルウィザードでも魔王の陰謀を止めることができる」という設定をアドリブで加えたことが、後の『ナイトウィザード』のシナリオで魔王を出しやすくし、マジカル・ウォーフェアという舞台を作り出すに至った。
  2. ^ 今作は『星を継ぐ者』のエンディングシーンの翌日から始まっている。
  3. ^ 生死判定を行った回数は数え切れない。ゲームバランス的には最後まで生き残っていたのは奇跡に近く、ここで倒れていたならば後の柊サーガはなかっただろう。
  4. ^ リーンの闇砦』『フォーラの森砦』でもキーアイテムとなった短剣である。
  5. ^ ただし、「『星の巫女』を守護する戦士」の設定は、『ナイトウィザード』の現行ルールである『The 2nd Edirion』では全く触れられていない。
  6. ^ 死の間際に、実は両想いだったことが判明する。
  7. ^ みかきみかこが描いた『フレイスの炎砦』連載前予告漫画には柱の騎士や紅き巫女は描かれているが、『ナイトウィザード』を想起させるものは一切描かれていない。
  8. ^ 『宝玉の七勇者』におけるジーンのプレイヤーは柊蓮司のプレイヤーである矢野俊策である。
  9. ^ ザーフィなりの心理攻撃のつもりだったらしい。この時にロンギヌスリーダーへの愛の告白まで一緒に行っている。事実、これにより彼女は激しく動揺して隙が出来てしまい、PCたちは窮地を脱出できた。のちにロンギヌスリーダーの立場を捨て、ラース=フェリアに帰還したザーフィを追って来た彼女がパーティにもたらしたあるアイテムが、重要な役割を果たす事になる。
  10. ^ ラグシア新皇国自体はフォーラ地方に属するが、ラグシア皇家は十六王紀時代のフレイス地方のエクサージュ王家の分家に当たる。その関係で本来はフレイスの騎士団である灼熱騎士団を率いていた。
  11. ^ 『ナイトウィザード ソースブック ロンギヌス』、135頁。ISBN 4-7577-2231-1 


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