バディ・コンプレックス 登場人物

バディ・コンプレックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/22 21:07 UTC 版)

登場人物

主要人物

渡瀬 青葉(わたせ あおば)
- 松岡禎丞
本作の主人公。16歳。O型。身長170cm。千葉県習志野市在住[9]。千葉から東京の誠應高校に通う[注 1]1年生。ルクシオンのパイロット。
誠應高校を選んだきっかけは、中学時代に共にバスケをしていた今城が怪我により病院に近い高校に一人で行かねばならなくなったことであり、怪我の原因は青葉ではないにも関わらず一人で知り合いのいない誠應に通わざるをえなかった今城からは心から感謝されている。クラスメイトとの関係も良好であり、クラスのマドンナ的存在である雛のことを朧気ながら意識していた。物語開始時までは普通の学生であったが、特異点から現れたビゾンが宿敵である青葉の若き姿を知り襲撃を決行したことで彼の人生は大きく変わる。
突然現れたヴァリアンサーに狙われたのをきっかけに2014年から2088年の世界に飛ばされ、ディオとの高い適合値を見込まれて連合軍と行動を共にすることになる。一度は艦を降りようとするが、2014年に戻る術も他に頼れる当てもない現実に直面し、なぜ自分を未来に連れてきたのかを雛に問うべく、予備少尉の任官を受け正式なクルーとなる。未来の戦争の当事者でないことに加え正規軍人としての教育を受けていないため、敵対することになったヒナの救助、部外者であるフィオナを勝手にシグナスに乗艦させるなど、軍規違反を度々犯している。明るく朗らかな性格でやや無鉄砲。困っている人をほっとけないところがあり、不仲であったディオと父親を和解させようとした。
専門の訓練を受けていないにも関わらず、脳波がカップリングシステムのエンファティア波形(基準波形)と完全に一致し、システム適性者となら誰とでも100%のナイスカップリング反応を示す資質を持つ。その反面、カップリングする度に相手の波形が基準からずれていき、青葉以外とカップリングすることが厳しくなるというデメリットが存在する(基本波形である理由は彼が最初の実験を行った被験体であり、全ての始まりでもあったからである)。
アラスカ基地攻防戦にて、カップリング機に乗るヒナおよびビゾンと激闘を繰り広げた末、カルラに乗るヒナと強制的にカップリングし、互いを理解し合う。そして特異点に吸い込まれたビゾン機を破壊してヒナがループする運命を回避し、ディオやヒナと共に帰艦した。
完結編にて、ディオやヒナと3機でのカップリングを行い、ビゾンの乗る「カルキノス」を撃破。続けてゴーゴンをディオと共に破壊する。そして、その後に発生した特異点にヒナと共に飛び込み、本来の時代へと帰還した。ヒナの記憶によると本来の彼は大学でヒナと出会い付き合う。後に、彼女と共にカップリングシステムの研究開発に携わっていた。
隼鷹・ディオ・ウェインバーグ(じゅんよう・ディオ・ウェインバーグ)
声 - 内山昂輝
本作のもう1人の主人公。ブラディオンのパイロット。16歳。階級は少尉。B型。身長175cm。
性格はクールでストイック。若年ながらもエースと称される腕前の持ち主だが、固い性格故か、あまり人と関わりを持とうとしないところがある。成り行きで相棒になった青葉のことは、身元や性格の不一致もあって反発していた。しかし、妹のフィオナの件に関して礼を言い青葉を名前で呼ぶなど、態度は徐々に軟化し始めていく。エルヴィラからカップリングの弊害発生を告げられた時は「また訓練すればいい」とバディ関係を継続している。
実家のウェインバーグ家は連合軍にも資金援助をしている大企業を経営する名家で、過去の母の死と妹の怪我を巡る出来事から父親とは不仲だったが、ハワイで再会した際に青葉の一言から向き合う決意をし、一応の和解を果たした。
青葉の「過去から来た」という話は突飛過ぎて最初は信じていなかったものの、ハワイ基地での旧型機によるカップリングを行った際に青葉の記憶を垣間見たことで、信憑性を抱くようになる。アラスカ基地攻防戦で特異点に飛び込むヒナを助けようとする青葉を制止せず援護するなど、青葉との信頼関係は深まった。
完結編にて、青葉やヒナとの連携によりビゾンを撃破する。青葉との信頼関係を深めた結果、カップリングシステムに必要不可欠な思考を同調するためのタイムラグを必要としないほど、思考を同調することができるようになる。ビゾンが死の間際に全員道連れにするため、ゴーゴンに充填されていた数年分のネクトオリビウムを解放し最後の砲撃をしたが、それを止めるには最早間に合わないはずだった。だがタイムラグが必要ないほど同調していた青葉とディオが過去に少しずつ飛びながら時間を遡り、砲撃前まで遡ると地球や仲間達を救った。青葉たちが特異点で過去へ帰る際は、彼の別れの言葉を聞いてこっそり涙を流し別れを名残惜しんでいた。
ヒナ・リャザン
声 - 早見沙織
ゾギリア軍少尉でヴァリアンサー「フォルトナ」のパイロット。16歳。忠誠心に厚くプライドの高い性格。外見は雛と瓜二つだが、本人は青葉と過去に接触した覚えは全くない。シグナス追撃の任務を受けたアルフリード率いる501機動中隊に配属された際、青葉と初めて遭遇。この接触により、マルガレタからスパイ嫌疑をかけられ一時拘束されたことから青葉に強い敵意を抱いていたが、彼と交戦中の事故で共に孤島に遭難、敵味方の区別なく命がけで助けようとするその人となりや雛の話に興味を抱く。ハワイ基地におけるヴァリアンサー強奪作戦にて、強奪は成功するも瀕死の父ヴィクトルから出自の真実を告げられ混乱、ビゾンに助けられながらルクシオンに乗り撤退する。その後、カップリングシステムへの高い適性を持つことが明らかになり、それに目を付けたハーンに薬物で洗脳され、ビゾンと共に新型機のパイロットとして行政局へ転属、アラスカ基地防衛戦に投入され、試作ヴァリアンサー「カルラ」に乗り込む。
その後、青葉達との戦闘の末、洗脳が解けたと同時に青葉とカップリングを果たす。その後開かれた特異点にビゾンが吸い込まれたことで「自分は青葉を守るため過去に行かなければならない」と悟り自身も飛び込むが、ループを阻止しようとした青葉とディオに阻止され、ループする運命を回避する結果になった。戦闘終了後は搭乗機のカルラと共にシグナスに身を寄せ、亡命者扱いで連合に移る。青葉がカップリング時に見たループした自身の過去は覚えていない。
完結編にて、ビゾンを青葉たちと共に倒し、ゴーゴン破壊後に発生した特異点に青葉と共に入り、本来の時代に帰還した。
弓原 雛(ゆみはら ひな)
声 - 早見沙織
誠應高校1年生で青葉のクラスメイト。16歳。A型。身長160cm。表向きは中学まで外国にいた帰国子女としているが、実は青葉を見守るためにやってきた未来人で、カルラのパイロット。
謎のヴァリアンサー(ネルガル)の襲撃に伴い、未来から持ち込んでいたカルラを再起動し青葉を保護しつつ戦うが、未来の青葉から彼の時間転移の顛末を知らされていたことから自分の運命を悟り、青葉と共に未来へと続く特異点に突入。青葉に「ディオが待ってる」と言い残し、光に包まれて消滅した[9]
そして青葉がタイムスリップした西暦2088年より10年ほど前の時間に肉体が幼児化し記憶も失った状態で放り出され、ヴィクトルに拾われて彼の娘「ヒナ・リャザン」として生きることになる。以降、アラスカ基地防衛戦で再び開いた特異点に飛び込んで青葉が生きる過去に向かい、彼を守るため「弓原雛」として生き、彼を守って特異点に誘いタイムスリップする、というループを延々と繰り返すことになるが、本編においてそのループが断たれることになる。
完結編にて彼女の正体とループの記憶が明かされた。彼女も元は青葉と同じ時代に生まれており、大学のキャンパスで青葉と出会い、その後恋人となる。そしてカップリングシステムの研究開発に携わり、実験中の事故によって彼女だけが未来へと飛ばされてしまった。時間跳躍後は連合のパイロットとしてルクシオンに搭乗していたが、アラスカ基地戦でネビロスに乗るビゾン共々特異点で過去へ戻る。青葉の傍にいたいがために彼と同じ誠應高校に通っていたが、ある日現れたビゾンと交戦し、巻き込まれた青葉を守り再び特異点に飛び込み、以降はゾギリアに所属するループに陥る。

自由条約連合

シグナスのクルー

倉光 源吾(くらみつ げんご)
声 - 速水奨
シグナスの艦長。38歳。階級は大佐。所属は第1海軍特戦隊の第11空中打撃遠征隊。
やる気のなさそうな昼行燈のように見られるが、負けず嫌いな面もあり、作戦遂行のためなら民間人である青葉の手も借りるなど柔軟な考えの持ち主。青葉が逃亡を計った場合は機密保持のため殺害も辞さないという冷淡な内面も持っているが、内心はリーやまゆかと同じく青葉に大きな期待を抱いている。上層部からも当初は痕跡の完全消去という命令で青葉も消すことも含められていたが、彼の判断でとりあえず本部まで共に過ごし彼の生まれ故郷である習志野で彼の散策も許可する。その後は青葉が自分から士官したことで正式に予備少尉扱いとすることができ、名実ともに機密保持という名目で彼を消さねばならないという役目から解放される。公私双方の面から青葉には好意を抱いていたらしく、青葉を消さないで良くなった際には心の底から喜んでいた。教習艦から数えて6隻もの艦を乗り換えながら、1度も沈められていないという逸話を持つ。
レーネ・クラインベック
声 - 藤村歩
シグナスの副艦長。戦術指揮官を兼務する。27歳。階級は少佐
民間人である青葉を巻き込む戦いをあまり好ましく思っておらず、成り行きを見守っている。銃の腕は確からしく、青葉を消す事態になった際は彼女が手を下さなければならない立場にあった。青葉を消さないでよくなった際は倉光からも彼女の銃の腕前を見ないで済んだことを喜ばれていた。家族にレーネを慕うロザリー・クラインベックという妹がいる[6]
リー・コンラッド
声 - 杉田智和
シグナスのヴァリアンサー部隊長で、ベリルコマンダーのパイロット。28歳。階級は大尉。O型。
気さくで面倒見が良い性格であるため、若いクルーの中では兄貴分的存在である。青葉で出会った当初は彼が過去から来たという話は半信半疑であったが、青葉を拘束して銃を向けて尋問という扱いにはやりすぎと感じディオ達を制止、自身の部屋で世話することで青葉が独房にいれられてしまうのを防いだ。部屋に招いた際もドアの開け方を説明しておくなど青葉は不安を感じかねない要素はできるだけ取り除くよう心掛けていた。その後も素性の知れない青葉にも優しく接しており、青葉が自分と出会う前のヒナと戦闘で邂逅した際も何かしら感じたらしく事情は何であれ連れてくるよう促し、彼らを狙った砲撃から身を挺して守り抜き重症を負う。自らの負傷の原因となったことへの自責から青葉が塞ぎ込んでいた際も、彼を自分達の救世主と言い、励ましている。その後、怪我がまだ完全に完治していない状態にもかかわらず、3日で戦線に復帰する。
完結編では、戦後にエルヴィラと結婚式を挙げている。
ヤール・ドゥラン
声 - 吉野裕行
ベリルアサルトのパイロット。スペイン系の27歳。階級は中尉。B型。
パイロットの中では、リーに次ぐ年長格。皮肉屋な性格であるが、パイロットとしての腕は確かである。
青葉と出会った当初は彼が過去から来たという話は半信半疑であったが、彼が軍人教育を受けた民間人であることは理解しており、青葉が自分たちにとって突拍子もない行動をとってもやむをえない部分があると容認している。リーの負傷によりディオが青葉に激怒した際も「軍人ではない奴に本気になってもしょうがない」と戦場に投げ出された民間人の行動として受け止めていた。
フロム・ヴァンタレイ
声 - 梶裕貴
ベリルエクスプローラのパイロット。17歳。階級は少尉。7月23日生まれ。AB型。身長170cm。
ディオとはカップラー養成機関「レイク・ルイーズ」で同期だった。成績優秀で人当たりも良い。カップリングシステムのプロモーションビデオ[注 2] の撮影のため、青葉の替え玉のパイロットとして撮影クルーと共にシグナスに乗艦する。撮影後は辞令によりシグナスの所属になる。撮影時の1回のカップリングで適合率が低下したことを知った際は、システム実用化を優先し青葉のバディの座をディオに譲っている。
性格は演技ではなく本当に好漢児だったらしくディオと青葉にとっては潤滑油のような存在であった。レイク・ルイーズ時代にも孤立しがちだったディオと仲良くしようと努力していたらしく、普段から彼の周りには人が集まっていた。アネッサから好意を寄せられており、完結編では、戦後にアネッサに寄り添われている姿が見られる。
エルヴィラ・ヒル
声 - 佐藤利奈
シグナスの特務士官で、カップリングシステムのエンジニア。28歳。
レーネよりも年上だが、やや子供っぽい面もある。リーが負傷した時は、かなり心配する素振りを見せている等、彼との仲は良い模様。カップリングシステム用の新型コックピットの開発や、カップラーの訓練制度の導入を行った。
完結編では、ハーンがビゾンの機体に仕込んだカップリングシステムの仕組みを看破し、それを相殺するシステムを構築し青葉たちの勝利に貢献した。戦後、リーと結婚した。
奈須 まゆか(なす まゆか)
声 - 花澤香菜
シグナスの特務士官補佐。16歳。階級は伍長。
引っ込み思案だが心優しい性格の持ち主。シグナスのクルーの中では最も青葉との交流が多く、彼が過去から来たという話は半信半疑であるが、艦の案内および2014年以降の歴史などを教えたり、自ら志願する形で一時下艦した彼に同行して習志野を回る等、色々と気になり始めており少しずつ惹かれている描写がある。そのため、本心では彼に「このままこの時代に留まってほしい」と思っている。
完結編では、青葉の帰還後に涙を流しながら悲しみに暮れていた。戦後のリーとエルヴィラの結婚式の際は、彼女が投げたブーケをキャッチした。
アネッサ・ロセッティ
声 - 井上麻里奈
シグナスの管制士。16歳。ヴァリアンサーの管制を担当している。階級は伍長。
ツインテールが特徴である今時風の性格をした少女。同年代の女子であるまゆかとは友人同士の間柄。面食いな所があるのか、ディオに対し思いを抱いている様子があったり、フロムが配属された際は率先的に彼と交流を深めていた。
完結編では、戦後にフロムに寄り添う姿が見られ、リーとエルヴィラの結婚式ではブーケを受け取ったまゆかを複雑そうに見ていた。
チュセ・フランボワ
声 - 木村良平
シグナスの船務士。26歳。階級は中尉。索敵などを担当する。
ガルシアン・バース
声 - ランズベリー・アーサー
シグナスの砲雷士。26歳。階級は中尉。武装の管制を担当する。
スハルト
声 - 宮下栄治
シグナスの航海士。23歳。階級は少尉。操舵や航法を担当する。
荻坂 三郎太(おぎさか さぶろうた)
声 - 白石稔
シグナスの機関士。30歳。階級は少尉。動力やダメージコントロールを担当する。青葉を新兵入隊の規則に沿って扱い、新兵訓練の代わりに艦内案内を行った。その後は青葉の歓迎会準備の時間を稼ぐため青葉に艦内の掃除を頼んだ。
ドン・ナッハー
声 - こぶしのぶゆき
シグナスの整備長。55歳。階級は先任曹長。ヴァリアンサーの整備を担う。青葉に関しては皆を守ってくれた存在として評価しており、彼が戦ってくれたおかげで撃沈を免れたことを感謝している。戦闘で気を失ったヒナを助けるため、結果的にリーに重傷を負わせてしまいディオに激怒された青葉にも優しく接しており、彼は軍人教育を受けていない民間人である以上、軍人の矜持を説いても意味はないとディオと青葉の仲裁を図っている。
三島(みしま)
声 - ランズベリー・アーサー
完結編に登場。宇宙に上がる前に配属された補充パイロット。階級は少尉。同じ日本人である青葉の武勲を聞いて彼に憧れているが、過去から来たという話は信じていない。宇宙での戦闘中、ゴーゴンの砲撃に飲まれ死亡する。

その他の連合軍人

グリーン
声 - 宮下栄治
第1海軍特戦隊司令官。階級は准将。カップリングシステムは連合の劣勢を覆す力になると考えている。
リチャードソン
声 - 中博史
太平洋艦隊司令官代行。階級は中将。カップリングシステムには懐疑的。

連合軍の関係者

アレッサンドロ・フェルミ
声 - 大林隆介
環太平洋神経科学研究所所長。55歳。カップリング理論の提唱者で、カップリングシステム開発班のリーダー。
著名な科学者で、かつてはエルヴィラの祖父の下で研究をしていた。そのため、彼女が赤ん坊の頃から面倒を見ており、自分の理論を基にカップリングシステムを実用化させた彼女を誇りに思っている。ハワイ基地に向かうシグナスを待ち切れず、自分から艦に赴く。しかし、ゾギリア軍の波状攻撃に巻き込まれて戦域から離脱中に致命傷を負い、カップリングシステムの進歩を見届けた末に息を引き取った。

大ゾギリア共和国

アルフリード隊

アルフリード・ガラント
声 - 森川智之
ヴァリアンサー「アルシエル」のパイロット。27歳。階級は中佐。12月31日生まれ。B型。所属は193独潜旅団501機動中隊。
高度なヴァリアンサーの操縦技術に加え、作戦指揮能力も備えた有能な男。部下からの信頼も厚く、ヒナがスパイ容疑をかけられた時には真っ先にマルガレタに直訴した。マルガレタの命令には従いつつも、自身や隊のためにうまく立ち回っている。彼女の失脚後も見捨てたりはせず、再び復権できるようにマルガレタを支えている。
完結編では、国防軍がクーデターにより行政局の指揮下に置かれたことに驚く暇も無く、すぐさま宇宙に上がるよう命令され、シグナス隊と戦闘する。しかし、味方がいるのにもかかわらず発射されたゴーゴンの砲撃を見て驚愕する。その後、マルガレタら反行政局勢力の行動によりクーデターが鎮圧され、国家内乱罪としてエフゲニーことビゾンに対し拘束を宣言。ゴーゴン再発射の際はそれを防ぐために連合軍と協力した。
ビゾン・ジェラフィル
声 - 櫻井孝宏
ヴァリアンサー「ネビロス」および「ネルガル」のパイロット。20歳。階級は中尉。2月7日生まれ。AB型。
名門出身で、アルフリードの信頼も厚く、一部隊の指揮を任せられる程優秀。その反面、どこか攻撃的でプライドの高い面を持ち合わせており、それが思わぬ足枷になることも少なくない。ヒナとは幼少時代に家が隣同士だった幼馴染で、現在では恋愛感情を寄せているが、それは同時に強い執着心にもなっており、戦場で彼女に語りかける青葉を「ヒナを惑わす敵」として憎悪すると同時に、ヒナは自分の物だと主張するようになる。当初はヒナのため紳士的に振る舞う余裕があったものの、青葉とヒナの距離が近づくにつれ余裕を失ってしまう。最終的には自滅する形でヒナからの信用も信頼も失ってしまい、父を失ったヒナの立場はビゾンの意見次第で大きく変わる状況を利用した脅迫まがいの恫喝で無理やりヒナを自分の支配下に置こうと試みるが、ハーンの野望のためヒナが行政局に移ったことで失敗に終わる。
ハワイ基地でブラディオンを強奪した後、ハーンの言葉に乗せられるまま、調整を受けて無理矢理カップリングシステムへの適性を得て、ヒナと同じく行政局に転属する。ヒナへの依存と青葉への殺意からより情緒不安定で言動が攻撃的になり、素顔を隠すマスクを装着する。アラスカ基地攻防戦ではヒナと強制的にカップリングし、戦場を縦横無尽に駆け回るが、ルクシオンとブラディオンの後継機に搭乗した青葉・ディオと相対。ヒナとのカップリングを解除された上、ガラプーシカの第二射で開いた特異点に吸い込まれてしまう。その後は2014年の世界に現れ、未来に送られる直前の青葉を殺害しようと襲いかかるが、それを見越して彼を守っていた雛に阻まれ、道連れに自爆しようとするも再び特異点の中に戻され生死不明になる。しかし、本編終盤ではヒナのループを回避しようとした青葉とディオの手により、過去に送られる前に撃墜され、憎悪に満ちたまま、単独で特異点に消え去る。
しかしその結果、70年前の過去へと飛ばされたらしく、アラスカ基地戦終結直後の時期には齢90歳の身ながらも執念で生きていた。生命維持のマスクを付け車椅子に乗っているなど、身体も大きく弱っている。そしてゾギリアの行政局局長「エフゲニー・ケダール」と名乗り、年老いた姿で表舞台に現れ、クーデターを起こしてゾギリアに新政権を樹立。以降は臨時最高会議議長の役職に就き、行政局により全軍を統括するも、その根底には数十年の時を経て醜悪なまでに増大した青葉とヒナへの復讐心しかなかった。ハーンに自分の専用機となる「カルキノス」を開発させ、軍事衛星ゴーゴンのネクター砲で、地球への直接攻撃を目論む。
宇宙での最終決戦では、ゴーゴンで味方を巻き添えにした冷酷な砲撃を行い、さらにカルキノスに自ら搭乗して青葉やヒナへの復讐に乗り出すが、あまりにも自己中心的過ぎるやり方から、地上での反行政局側による再度のクーデターが発生。それにより失脚するも、アルフリードの通告すら無視して青葉に攻撃を仕掛ける。だが、彼から自分が守ろうとしていたのはプライドとエゴだけであると指摘された上で、ルクシオン、ブラディオン、カルラ3機の同時攻撃を受け機体を大破される。死の寸前の最後まで憎しみに取り憑かれたまま、地球のネクトオリビウム産出地域を砲撃して地球環境を破壊するようゴーゴンを操作した後、狂気の笑みを浮かべながら乗機の爆発と共に戦死した。
タルジム・ヴァシリー
声 - 島﨑信長
ヴァリアンサー「オーガ」のパイロット。ロシア系の19歳。階級は少尉。9月27日生まれ。O型。
好戦的で荒っぽい性格。マルガレタからドルジエフの捜索を命じられた際は(既に戦死しているから)無駄だと反論している。
完結編では、連合に亡命したヒナに怒りを燃やし、ラーシャの制止も聞かず裏切り者として追い回していた。
ラーシャ・ハッカライネン
声 - 田村睦心
ヴァリアンサー「クリシュナ」のパイロット。北欧系の18歳。階級は少尉。3月14日生まれ。A型。
頭のハネ毛が特徴。温厚な性格で、直情径行な面があるビゾンやタルジムなど仲間達の間を取り持っている。
完結編では、激情にかられてヒナを狙うタルジムを抑えようと苦心していた。
マルガレタ・オキーフ
声 - 内山夕実
ゾギリアの行政局所属の特務武官。28歳。7月5日生まれ。O型。
艦の指揮のほか、正規軍人であるアルフリードらの監視を任務としている。地位と名声に固執しており、自分の評価を下げる者には厳しく対応するため、青葉と接触したヒナにはスパイ疑惑を抱いている。それ故ヒナが遭難した際、彼女の捜索を進言したビゾンに「下級士官の捜索など無意味」と切り捨て、上層部からの評価を優先して既に戦死したドルジエフの捜索を行わせている。後に自らの進退が掛かった作戦でヴァリアンサーに乗り前線に出撃、ハーンから教えられたカップリングシステムの稼働時間を利用して状況を有利に進めるが、青葉とディオの連携時間延長で目論見が崩れた挙句、機体を撃墜され恐慌状態に陥る。アルフリードに救出され生還するも、ハーンから更迭を言い渡され、部隊の指揮権を失った。アラスカ基地防衛線では「上からの評価の回復」と「自由に戦う」という互いの目的からアルフリードに協力し、彼が提案した作戦をカガンに上申する。
その後の動向は不明だったが、完結編では反行政局側の先鋒として地上で活動し、宇宙で連合と交戦中のアルフリードに臨時政権の崩壊を知らせた。
ガ・シロヤンコ
声 - 伊藤和晃
重装巡洋攻撃航空艦ヴァジュラの艦長。階級は少佐。アルフリードの副官的存在。

行政局親衛隊

ネストル・ヴィクトロヴィチ・ドルジエフ
声 - 土田大
ゾギリアの行政局直属の親衛隊を率いる第1空挺師団長。A型。
指揮統率能力が高く、部下達からの信頼も厚い。マルガレタからは「ドルジエフ閣下」と呼ばれている。ルクシオンとブラディオンを付け狙い、戦術を活かして青葉達を追い詰めるものの、「コードT2ライズ」の前に作戦を破られ、自身も撃墜されて戦死した。ゾギリアはウィンタースポーツが盛んであり、スケートが気に入っていたらしい[6]。家族としてニーナ・ヴィクトロヴナ・ドルジエフという可愛らしい妹がいる[6]。なお、「エイプリルフール企画」の動画では、ギャグ要員的な立ち回りを演じた。

その他のゾギリア軍人

ヴィクトル・リャザン
声 - 秋元羊介
第101独立偵察旅団大隊長。ヒナの養父で階級は少佐。アルフリード隊の増援としてヴァジュラに着任する。豪快な人物で、部下達からも慕われている。ヒナとビゾンを作戦要員に加え、ハワイ基地に到着したシグナスのヴァリアンサー強奪作戦を行う。しかし、作戦中の戦闘で深手を負い、最期は連合兵を道連れに自爆して果てた。死の間際にてヒナへ自身の実の子供ではないこと、10年前に激戦地ザグレブで名前以外記憶の無い彼女を保護し、戦災孤児として引き取ったという真実を告げた。
ボンネル
声 - 不明(ノンクレジット)
第666独立混成大隊の指揮官。階級は少佐。フランベルク級とクーゲル部隊を率いて、ウェインバーグ家所有の民間船を襲撃するが、駆けつけた青葉とディオに阻止され、撤退中にシグナスの艦砲射撃で乗艦を撃沈されて戦死した。
カガン
声 - こぶしのぶゆき
シベリア正面軍第三軍司令官。階級は中将。マルガレタの巨大ネクター砲「ガラプーシカ」を利用した作戦案を受け入れ、基地にまともな防衛戦力がないにも関わらず、当初はガラプーシカの威力で状況を優位に進める。だが、ガラプーシカの破壊力に酔い、膨大なネクトオリビウムを消費する燃費の悪さも忘れて作戦指揮を続けたことで戦況を悪化させ、最後は味方が斜線軸上にいるのにも関わらず発射を強行しようとした。アラスカ基地陥落後の消息は不明(戦死か捕虜になったものと思われる)。
コーネフ
声 - 水内清光
シベリア正面軍司令官。階級は上級大将。アルフリードに連合の千歳基地を攻略した功績からヴァジュラを贈呈する。

ゾギリア軍の関係者

ヴィルヘルム・ハーン
声 - 子安武人
ゾギリア科学アカデミー第2実験研究所の所長。32歳。かつてはエルヴィラと共にフェルミのラボにいたが、ゾギリアへ亡命した。カップリングシステムの強奪を目論み、独立偵察旅団を使ってシステム搭載機のコクピット奪取作戦を命じる。エルヴィラを自分より格下と馬鹿にしているが、その頭脳・腕は確かで、カップリングシステムを搭載した新型ヴァリアンサー、ネルガルとカルラを完成させている。目的のためならば自国の兵士すらもモルモットにするなど、非人道的な手段も厭わない。
完結編では年老いたビゾンの姿を見たことで驚くも、カップリングシステムの理論からすぐに状況を察し、彼のために新型機の「カルキノス」を完成させた。その後はゴーゴン内で戦況を見守りながらいつもの調子で振る舞っていたが、エルヴィラの機転によってルクシオンのスタンドアローンモードが発動。見下していた彼女の頭脳に驚愕し、さらにビゾンがゴーゴンのネクター砲を無理に再起動させたことでシステムが制御不能となり、衛星内から脱出できなくなってしまう。最後は青葉とディオに破壊されたゴーゴンの爆発と共に命を落とした。

家族関係者

渡瀬 朋世(わたせ ともよ)
声 - 尾畑美依奈
青葉の母。消防士である夫を亡くした後、女手一つで二人の子供を育てた。
渡瀬 翼(わたせ つばさ)
声 - 後藤麻衣
青葉の妹。地元の学校に通っている中学生。しっかりした性格。
隼鷹・貞道・ウェインバーグ(じゅんよう・さだみち・ウェインバーグ)
声 - 中博史
ディオの父親。55歳。家業はヴァリアンサー関連の軍需産業(ウェインバーグヘビーインダストリーという巨大兵器開発会社を有している[10])。第二次極東戦役開戦時にゾギリア軍の爆撃で妻を亡くし、フィオナが負傷したことをディオの責任にして責め、不仲が続いている。フェルミとは研究に会社が援助している程の懇意の間柄で、彼の死後、ハワイでの葬儀に参列している。なお、本心では息子を気遣っていたようで、後にディオと食事を共にした際、不器用ながらも和解した。
隼鷹・フィオナ・ウェインバーグ(じゅんよう・フィオナ・ウェインバーグ)
声 - 悠木碧
ディオの妹。12歳。過去に住んでいた都市をゾギリア軍に爆撃された際の負傷から、車椅子生活を余儀なくされている。だが、それに悩む仕草は見せず、常に明るく振る舞っている。その時の戦闘に参加しながらも自分や母を守れなかったと自責の念に駆られている兄のことを気遣っており、千歳基地で再会した際に「あの時のことは誰も悪くない」と告げている。後にハワイでディオと父が和解したことを知った際は喜びを露わにし、兄と仲睦まじく語らっていた。

誠應高校

今城 隆太郎(いまじょう りゅうたろう)
声 - 大原崇
青葉が通う誠應高校の生徒。中学時代は青葉と共にバスケ部に所属していた。
須原 純一(すはら じゅんいち)
声 - 長南翔太
青葉が通う誠應高校の生徒。茶髪の少年で、明るい性格のお調子者。

注釈

  1. ^ 通学には津田沼駅を利用している描写がある[9]
  2. ^ 危険が伴うカップリングシステムを極秘運用していたことに対し世論からのバッシングを避けるため、連合軍上層部が製作を決定した。
  3. ^ 第2話でブラディオンが武器パックから取り出したのもこの銃である。
  4. ^ ゴーゴンは連合側の呼称で、ガラプーシカの呼称も同名であったが、アラスカ基地が連合の手に落ちたために、こちらに名が移行したと思われる。
  5. ^ 2013年12月29日 23:00 - 23:30に第1話を先行放送。
  6. ^ 2013年12月29日 23:00 - 23:30に24時間限定で第1話を先行配信。

出典

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  12. ^ a b c d e f g スペシャルブックレット「BC ARCHIVES vol.6」。
  13. ^ a b c d e f g h スペシャルブックレット「BC ARCHIVES vol.1」。
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  15. ^ a b c d e スペシャルブックレット「BC ARCHIVES vol.2」。
  16. ^ a b c d e f g 電撃ホビーマガジン』、アスキー・メディアワークス、2014年3月、JAN 4910164650347。 
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  20. ^ a b 電撃ホビーマガジン』、アスキー・メディアワークス、2014年5月、JAN 4910164650545。 
  21. ^ a b スペシャルブックレット「BC ARCHIVES FINAL」。
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  23. ^ バディ・コンプレックス”. アニマックス. アニマックスブロードキャスト・ジャパン. 2015年4月1日閲覧。
  24. ^ 「バディコン・カップリングRADIO」30日より配信開始!”. SUNRISE. 2014年6月4日閲覧。
  25. ^ BD「バディ・コンプレックス」第6巻にガチャピンの雄姿が収録決定”. アニメイトTV (2014年7月8日). 2016年3月17日閲覧。





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