バスケットボール男子アメリカ合衆国代表 2002年世界選手権代表チーム

バスケットボール男子アメリカ合衆国代表

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 07:10 UTC 版)

2002年世界選手権代表チーム

アメリカインディアナ州インディアナポリスでFIBA世界選手権が開催された2002年の頃には、アメリカは二つの意味でバスケットボールの国際化を経験しつつあった。一つはNBAで活躍する外国人選手がますます増えていたこと、もう一つは諸外国のバスケットボール代表チームのさらなる台頭だった。

1990年代には既にドラゼン・ペトロビッチアルビダス・サボニストニー・クーコッチら外国出身の選手がNBAでプレイしていたが、チームの中核を占めるほどの選手はまだ少数だった。しかし21世紀に入る頃には、NBAのオールスター戦に外国人選手が出場することが当たり前のことになっていた。このような変化と同時に各国代表チーム、特にヨーロッパと南米勢が手強い相手になっていることを、アメリカは2002年の大会で痛感することになった。

アメリカが大会に送り込んだ代表チームは、2年前のシドニーオリンピックと同様にNBAの有力な選手を欠く構成となった。参加したポール・ピアースショーン・マリオンジャーメイン・オニールらは運動能力に優れた若手選手だったが、この年にリーグのMVPになったティム・ダンカンや、シャキール・オニールトレーシー・マグレディジェイソン・キッドコービー・ブライアント2001-2002シーズンオールNBAファーストチーム(優秀な5人の選手)に選ばれた選手はみな代表に参加しなかった。

国内でトップクラスの選手を含んでいないこと、そしてシドニー五輪での苦しい勝利と諸外国の著しい台頭により、アメリカ代表チームをドリームチームと呼ぶメディアは少なくなっていた。

大会の初戦、アメリカはアルジェリアを110対60で下し、幸先の良いスタートを切った。その後予選リーグを順調にこなしていき、予選の最終戦でアメリカはアルゼンチンと対戦し、アメリカと同様5勝0敗で来たアルゼンチンにアメリカは80対87で敗北を喫した。これはアメリカがNBA選手を国際大会に送り始めて以来初の敗戦だった。

決勝トーナメントに進んだアメリカは、トーナメント第一戦の準決勝でユーゴスラビアと対戦した。試合終盤に10点のリードを持っていたアメリカは、粘るユーゴに逆転を許し81対78で敗れてしまう。この段階で、アメリカのメダル獲得の可能性はなくなった。

続く順位決定戦でアメリカはプエルトリコを破るが、5位-6位決定戦のスペイン戦を81対76で落とした。大会の結果は、アメリカとしては惨敗と言える6位で終わった。優勝はユーゴスラビア、2位はアルゼンチン、3位はドイツだった。

この大会に参加した各国代表には、NBAで活躍する選手が多く含まれていた。アメリカを敗退させたユーゴスラビアには、プレドラグ・ストヤコヴィッチブラデ・ディバッツがいた。予選でアメリカを破ったアルゼンチンではエマニュエル・ジノビリがプレイしており、ダーク・ノヴィツキーは3位ドイツの主力メンバーだった。これらの選手はみな、NBAオールスターゲームに出場したり、数年後に出場した。

2002年世界選手権代表チーム参加者

監督陣

括弧内は当時所属していたチームや大学。

選手

年齢と所属は当時のもの。

No. 名前 ポジション 年齢 所属 出場試合/先発 平均得点
9 ポール・ピアース ガード 24 ボストン・セルティックス 9/9 19.8
4 マイケル・フィンリー ガード 29 ダラス・マーベリックス 9/5 13.0
6 アンドレ・ミラー ガード 26 ロサンゼルス・クリッパーズ 9/7 10.7
11 ショーン・マリオン フォワード 24 フェニックス・サンズ 6/1 9.8
5 バロン・デイビス ガード 22 ニューオーリンズ・ホーネッツ 9/2 7.8
7 ジャーメイン・オニール センター/フォワード 23 インディアナ・ペイサーズ 8/5 7.3
14 エルトン・ブランド フォワード 23 ロサンゼルス・クリッパーズ 8/5 6.9
10 レジー・ミラー ガード 37 インディアナ・ペイサーズ 6/3 6.0
8 アントニオ・デイビス センター 33 トロント・ラプターズ 9/4 5.9
13 ベン・ウォーレス フォワード/センター 27 デトロイト・ピストンズ 9/4 5.7
15 レイフ・ラフレンツ フォワード/センター 26 ダラス・マーベリックス 6/0 5.2
12 ジェイ・ウィリアムス ガード 20 シカゴ・ブルズ 7/0 3.9

  1. ^ [1]
  2. ^ 最新版FIBAランキングが公開…スペインが1.1ポイント差でアメリカを上回ってトップに”. バスケットボールキング. 2022年11月18日閲覧。
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  6. ^ 1992年のドリームチームと2008年のリディームチーム、勝つのはどっちだ? olympics.com 2022年10月7日 2024年4月19日閲覧
  7. ^ Coach Krzyzewski putting legacy at risk”. ESPN (2009年7月22日). 2010年11月4日閲覧。
  8. ^ '08 Olympians to skip basketball worlds”. ESPN (2010年7月11日). 2010年11月4日閲覧。
  9. ^ SPORTS COMMUNICATIONS - 第179 回 バスケ米国代表“Bチーム”は頂点に立てるか 2010年9月3日付 2011年6月25日閲覧。
  10. ^ Durant Lifts Americans Back to Top at Worlds”. ニューヨーク・タイムズ (2010年9月12日). 2010年11月4日閲覧。
  11. ^ Team Roster United States”. olympics.com. 2021年7月24日閲覧。
  12. ^ U.S. Olympic Men's Team Combined Team Statistics (as of Aug 07, 2021)”. USAB.com (2021年8月21日). 2021年8月7日閲覧。





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