ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔 ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔の概要

ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 17:35 UTC 版)

ドラゴンクエストシリーズ > ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔
ドラゴンクエストソード
仮面の女王と鏡の塔
ジャンル 体感アクションロールプレイングゲーム
対応機種 Wii
開発元 エイティング
発売元 スクウェア・エニックス
人数 1人、2人(対戦・データ交換)
メディア Wii用12cmディスク
発売日 2007年7月12日
2008年2月19日[1]
2008年5月8日
2008年5月9日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
ESRB: T (Teen)
売上本数 約52万本
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概要

ドラゴンクエストシリーズの派生作品のひとつ。2003年に発売されたオリジナル製品『剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣』の流れを汲んだ体感RPGである。

本作ではWiiリモコンを剣に見立て、これを振ることによって敵を攻撃し、ボタン操作によって盾を構えたり必殺剣を放ったりすることができる。操作はWiiリモコンだけを使い、片手で誰でも遊べるようになっている。また、ドラゴンクエストシリーズは第1作目から「プレイヤー自身が主人公となって冒険を体験する」というコンセプトが大切にされてきたが、本作ではそのコンセプトを当時の新ハードであったWiiによって表現したものである。

日本で発売されたドラゴンクエストシリーズの作品としては初めてイベントや戦闘がフルボイスの作品となった(ボイス自体は2005年発売の北米版『ドラゴンクエストVIII』で初登場)。また、ライト層であってもクリアできるよう物語は短く作られ、コア層向けにやり込み要素が盛り込まれている。声優は過去、特撮作品に出演経験のある者がメインキャストを占めている。これはバトルシーンで声を張る演技が出来ることを考慮して意図的に選んだことによる。

2006年5月のE3での発表当初はWii本体と同時発売予定とされていたが、2007年春に延期され、その後2007年7月12日に発売された。バーチャルコンソールを除くスクウェア・エニックスのWii参入第1弾ソフト。同シリーズが任天堂の据え置きハードに登場したのはスーパーファミコンでのリメイク版『ドラゴンクエストIII』以来、11年振り(リメイク版を除外した場合は『VI』以来12年振り)となった。

本作のBGMは書き下ろされた曲のすべてが松前真奈美の作曲(24曲)であり、他のドラゴンクエストシリーズ作品のほとんどの楽曲を担当しているすぎやまこういちの曲は、既存の曲の流用(4曲)に留まっている。すぎやまはこれまでのシリーズ作品でテストプレイも行っていたが、本作は実際に腕を振ってプレイする内容であることから(高齢の)すぎやまの体力的な負担の大きさを考慮して別の作曲家に依頼することになった[2]。松前とすぎやまは、松前が楽曲を手掛ける競馬ゲーム『ダービースタリオン』にGIファンファーレ(すぎやま作曲)を使用する際の楽曲チェック時に初めて対面しているが、競馬ゲーム好きでもあるすぎやまが松前のメロディアスな楽曲を気に入り、後の本作制作時にすぎやまから電話で直々に作曲オファーを行った[3]

ゲームシステム

主な特徴

本ソフトはワイド画面対応であり、プログレッシブ出力にも対応している。ただし標準規格の一つであるフルワイドXGAフルHDの16:9比率の表示では、『ドラゴンクエストVIII』と同様に横の画素が余り左右に黒帯が出る。一部では画面が縦長になりダーツの的などが楕円で表示される。

経験値やちいさなメダルが剣神ドラゴンクエスト同様にある。ちいさなメダルは「メダルにゃん」という王冠を被った猫が集めている。それに加えてゴールドも存在しており、町で「剣」「盾」「鎧」「兜」「装飾品」などの装備品や道具を買うのに使える。ゴールドは金庫に入れることもでき、金庫に預けておけばゲームオーバーになってもゴールドが減らない仕組みになっている。

なお、「剣」はお金と特定の素材を揃えることで武器屋で様々な種類の剣に強化することができ、それによって多くの必殺剣を覚えたり剣に属性を付けることができる。

敵を倒すごとにリアルタイムで経験値やゴールドが得られ、戦闘中でもレベルが上昇することがある。フィールドの草むらなどを調べるとアイテムなどが見つかることもある。

各ステージの評価はクリアタイム、倒したモンスターの数、最大連続ヒット数、攻撃ヒット率、完全ガード率などをポイント化したもので総合的に判断し、EX, S, A, B, C,ランク無し のランクで評価され、それぞれのランクに応じたアイテムが入手できる(C,ランク無しはなにも入手出来ない。EXの場合はS以下のアイテムを、通常の二倍入手出来る)。

ミニゲーム的な要素としてWiiリモコンでスロットを回すことができる「福引き」や短時間でスライム100匹を斬る「スライム100」がある。「スライム100」では爆弾岩を斬ってしまうとしばらく剣が斬れなくなる。

戦闘時の操作体系

攻撃
Wiiリモコンを剣に見立てて斬り付ける様な感じで振れば攻撃できる。攻撃できるのは一番前にいる敵のみである。縦斬り、斜め斬り、横斬り、突きによる攻撃ができ、突きは他の攻撃より少し与えるダメージが大きい。一気に複数の敵を斬り付けることも可能。敵を攻撃すると剣の形をした%表示が溜まっていき、満タンにして2ボタンで必殺剣が発動する。Wiiリモコンを使って一定時間の間に必殺剣のパワーを溜めてから敵に攻撃することになるが、必殺剣の種類によってパワーを溜めるためのWiiリモコンの動かし方が異なる。必殺剣の種類は後述する。
ポインターロックシステム
本ソフトが2007年春発売からさらに2007年7月12日発売に伸びたことはWiiリモコンの調整によるところが大きい。斬る方向を判別することは『剣神ドラゴンクエスト』の「XaviX」(ザビックス)テクノロジではセンサー側が剣の動きを捉えていたが、Wiiではセンサーバーが出す赤外線をWiiリモコンが認識している。つまりWiiリモコン側とセンサー側の双方の調整が必要になるため、斬る方向を認識する精度を上げるのはかなり困難になる。そのため、今作品にはポインターロックシステムが採用された。システム自体はその名のとおり、ポインターを動かないようにロックして、斬る方向を認識しやすくするためのシステムである。もちろんポインターロックをしなくても敵は倒せるが、カウンターや突き攻撃などはこのシステムを使った方が成功しやすい。
防御
Wiiリモコンのボタン操作で盾を構えて敵の攻撃を防ぐ。盾には%表示があり、敵の攻撃を受けることで%が下がっていき、盾が欠けていく。敵や味方の呪文によって盾が大きくなったり小さくなったりすることもある。また、敵の放つ飛び道具や呪文やブレス攻撃は剣筋ではね返して防御し、なおかつ、遠くの敵に攻撃できるカウンター攻撃もできる。
仲間
1人を仲間にして2人パーティーで戦うことができる。仲間は呪文を唱えるなどして主人公をサポートしてくれるが、仲間にもHPやMPなどのステータスがあり、敵から攻撃を受けたり呪文を唱えたりする事で減少する。当然ながら、HPが0になれば仲間も戦闘不能になる。めいれいさせろ、いのちだいじに、バッチリがんばれ、ガンガンいこうぜ、などのさくせんのAIによって仲間の行動パターンは制御できる。
呪文
主人公は呪文を唱えられないため、主にもう1人の仲間が唱えることになる。本作品のみに登場する呪文もある。

主人公が行う必殺剣と行う動作

それぞれの動作には約3秒程度の制限時間があり、3秒を超えてしまうと必殺剣の発動が失敗になる(必殺剣ゲージは80%に戻る)。

  • 気合い斬り - Wiiリモコンを上に突き刺して敵を斬る。
  • 爆裂剣 - Wiiリモコンを上に突き刺して敵を3回斬る。
  • 稲妻雷光斬 - 剣を頭上で回して斬る。
  • 雷光一閃突き
  • ジゴスパーク
  • 灼熱火炎斬 - Wiiリモコンを激しく振る。
  • 閃光烈火突き - Wiiリモコンを下に突き刺し、突く。
  • 閻魔煉獄斬 - 剣を激しく振って斬る。
  • ダイヤモンドダスト - Wiiリモコンで円を描いてパワーを溜めてダイヤモンドを斬る。
  • 凍土大切断 - Wiiリモコンを下に突き刺し、斬る。
  • 絶対零度 - 剣を回して、斬る。
  • 魔鬼破斬 - Wiiリモコンを∞の字に回して敵を斬る。
  • ライトニングヘブン - Wiiリモコンを∞の字に回して敵を3回斬る。
  • ギガスラッシュ - Wiiリモコンを∞の字に回して敵を斬る。
  • ドラゴンブレイク - Wiiリモコンを∞の字に回して敵を斬る。
  • 凍てつく波動 - 剣で円を書き、突く。
  • 王者の一撃 - 剣を大きく振りまわし、頭上に突き上げ、剣を激しく振り、斬る。

合体必殺剣

連れている仲間の呪文と主人公の剣が合わさった必殺剣。この発動にはWiiリモコンを振る動作を伴うだけではなく、仲間のMPも消費する。

  • ピンクタイフーン - セティアのバギ系の呪文との合体必殺剣。3秒間円を描き、突く。
  • メドローア - ディーンの炎と氷の呪文が合わさった合体必殺剣。3秒間融合させ、突く。
  • ギガブレイク - バウドの雷の呪文との合体必殺剣。剣を頭上に突き上げ、斬る。

なお、メドローアという呪文自体は漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』や『ドラゴンクエストモンスターズ2 マルタのふしぎな鍵』に登場している。ギガブレイクも『DQVIII』同様、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』からの採用である。

本作のみに登場する呪文・特技

  • バイシルド - 主人公の盾を60秒間大きくする。
  • 小悪魔のキッス - 全体攻撃魔法。喰らった敵は少しの間悩殺される。

  1. ^ 北米版公式サイト(後述)より
  2. ^ フリーランスになって最初の仕事は『ダービースタリオン』──松前真奈美×安藤武博 対談【サウンドコンポーザーに訊く!/連載第5回・後編】”. シシララTV. 2021年11月14日閲覧。
  3. ^ 『ロックマン』のサウンドが世界で愛され続けている理由──松前真奈美×安藤武博 対談【サウンドコンポーザーに訊く!/連載第5回・前編】”. シシララTV. 2021年11月14日閲覧。
  4. ^ 名前は自由に付けられる。スクリーンショットでは「エッジ」という名前が入力されている。


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